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【雑感】大企業には”分析・計画・法令遵守過剰中毒”のジャンキーが多いという噂は本当か?


日本企業の三大疾病


✅ オーバー・アナリシス(分析過剰)

✅ オーバー・プランニング(計画過剰)

✅ オーバー・コンプライアンス(法令遵守過剰)

この三大疾病は 感染力が強いそうです

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戦術なき戦略はファンタジー


中央集権の官僚組織的運営は 古来日本から受け継がれてきた伝統です

分析的戦略は トップおよびその意を受けた企画部門が 市場分析のデータなどをもとにして 戦略的計画 を立案し トップダウンで現場に実行を求めていきます

この戦略的計画

「SDGs」「DX」「VUCA」「UX」といった略語を散りばめながら 「イノベーション」「ダイバーシティ」「シナジー」といったカタカナを使って 『お客様第一主義』という 誰が聞いても反対しないスローガンの下で描かれた壮大なファンタジーです


具体的な戦略も戦術も 一切描かれていません

『空気を読む』『行間を読む』という読めないモノを読む力 を使って理解しなければなりません



従来の計画説明会の流れ


年度計画の発表は 本社に全国の支店長が集合した 大会議室で行われます


【第1部】全体会議

社長から 長い説法を聞かされます

聞く側の支店長は 【頷きこっくり】【居眠りこっくり】を上手に使い分けなければなりません(会議は長丁場ですので体力温存も必要)


【第2部】分科会Part1

地域ブロック毎に 中会議室に分かれて ブロック担当役員のパフォーマンスを楽しみます

このパフォーマンスは 『計画説明あんちょこ』を読み上げるだけですが なぜか? 支店長たちは 感動する 白熱のライブです


【第3部】分科会Part2

グループ・ディスカッションです

ここは各支店長の得意とする『自慢話』合戦で 話の中に必ず「~のおかげです」という 役員を讃えるフレーズを盛り込んでおきます

そして 話を聞いてる時は 『発表者の弱点を見つけて 足を引っ張るネタを創造する』ということが重要です


【第4部】懇親会

この懇親会は 出席者全員参加の立食形式で行われます

ここでの振舞は 社長以下全役員への挨拶が必要ですが 自分の支店のブロック担当役員の動きを確認しながら 自分が所属している派閥長である役員の動きを見ておかなければいけません

※ ブロック担当役員と 自分が所属している派閥長である役員が 別であることは よくあることです


【第5部】派閥別飲み会

最終便で地元に戻らなければいけないので 飲み会の最後まで付き合えないとしても 必ず顔を出して【踏み絵】を踏んでから帰省しましょう


【補足】

気の利いた本社の企画部門であれば 全体会議を金曜日にセットします



昨今のオンライン説明会での注意点


昨今は オンライン説明会が多くなってきたので 支店長は次のような「現場の声」を本社に届けなければなりません

メールを本社関係者に送ります

説明会は空気感が伝わりませんので リアル・ライブでの開催を希望します  計画の主旨が浸透するには【✕✕役員】の”感動”パフォーマンスを 若手社員に見せて ”肌感覚”で理解してもらえることが効果的と考えるからです


この「現場の声」メールを読んだ【✕✕役員】

次回は このメールを送った支店の会議室からオンライン開催にする 現場との連動感も伝わりやすい そして私が出張するだけだから経費削減にもなる ハハハ(笑)


次回開催地に決まった支店長に 最高のチャンスが回ってきました

説明会開催前日の宴 説明会後の宴 の準備に取り掛かります

時節柄 宴は 少人数での開催ですので 支店内の支社長・課長は 宴に参加するための 戦術 を繰り出し合います

(この戦術は 戦略的計画 とは無関係の戦術です)


この宴は 今は死語ですが『官官接待』と呼ばれています


中央集権型ヒエラルキー・ピラミッド組織は 

【本社】⇒【支店】⇒【支社・課】と規模は違っても 同じ組織構造です


説明会も同じ形式で開催します

【本社での支店長向け説明会】⇒【支店での支社長・課長向け説明会】⇒【支社・課での一般従業員向け説明会】


宴も同じです



戦略なき戦術はカオス


本社が立案した 戦略的計画 は 「計画を策定して現場に指示をする」ということがゴールです

計画が失敗したら 現場が悪い

計画が成功したら 本社が偉い

というビジョンで策定されていますので どんな結果でも 株主などのステークホルダーへの説明ができるという 戦略的計画 です


本社から示された 戦略的計画 には具体的な 戦術 は何も書かれていないので 

中間管理職は 理解を深めようとして『分析過剰中毒』『計画過剰中毒』『法令遵守中毒』になっていきます


そもそも 戦略的計画 は ファンタジー(戦術なき戦略)なのですから 中間管理職が思いついた 戦術 を行えば行うほど 現場は カオス 状態になっていきます


これが 戦略なき戦術はカオス という状態です



結 論


大企業には『分析中毒』『計画中毒』『法令遵守過剰中毒』のジャンキーが多いという噂は本当か?

この噂は 事実です


コンピューター・ウイルスも ダイバーシティ&インクルージョン なので

日本企業の三大疾病は 人体に影響を与えるコンピューター・ウイルスとなって デスクでPCと睨めってしている中間管理職は感染します



【おまけ】『五月病』の本当の原因


『五月病』とは

 新入社員や人事異動で新しく職場に来た人が 新しい環境への適応がうまくいかず、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況

が通説になっていますが 若干違っています


年度初の4月に 説明を聞いた中間管理職は 戦略的計画 をGW中に読み直します すると

「ここが分からないので ブロック担当役員と 飲みに行きたい!」

「GW旅行のお土産を 派閥長(役員)に届けたい!」

という 禁断症状 を起します


そして GW明けの出勤日に 

「職場の部下と飲み会を開催したい」

という 禁断症状 も起こります


この症状が 本来の『五月病』です


おそらく 新入社員や人事異動で新しく職場に来た人は

1カ月間見てきた 中間管理職みたいなジャンキーには成りたくない

という不安が引き起こすので

『五月病ウイルスの変異株』に感染したと考えるのが正しいでしょう




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