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妄想旅行記〜五島列島編〜(その3)

前回までのあらすじ

駅ビルの屋上から博多の街を見渡した僕は、いよいよ街に繰り出し博多の食を楽しむことにしたのだった。念のため、これは五島列島の旅行記だ。それは忘れていない。

五島列島ときいて

全然話題が変わるが、「五島列島」と聞いていちばんはじめに「田島列島」が思い浮かんだ。人の名前だ。漫画家。このマンガがすごい!ではじめて見かけてふと手に取った「子供はわかってあげない」が激面白かった。  

高校生のボーイミーツガール物で、私がそういうのに弱いというのはあるかもしれないが、それを差し引いても、絵柄とは裏腹の話の展開の濃密さと端々に感じられる作者のセンスが素晴らしすぎる。「ギリギリ取れるでしょ?」っていうところにボールが投げられる感じがMっ気をくすぐられる。
ちなみに今は「川は海に向かって流れる」が2巻まで出ている(連載中)。これも同様に面白い。

勝手に五島列島にもそんな世界が広がってるんじゃないかと思って楽しみにしている。

博多グルメといえば

閑話休題。博多グルメといえば、博多ラーメン、鉄鍋餃子、モツ鍋がパッと頭に浮かんだ。他にも色々あるのだろうが、今回は私の(実質)初めての博多なので、直感を信じてこの3つを食べることにした。ぶっちゃけあと6時間くらいで3つ制覇できるかは怪しいところではあったが、空腹MAXの時間帯だったので勢いで全部行くと決めてしまった。
そしてネットで店を探す。無計画な人に便利な世の中になったものだ。
調べてみると、良さげな店が中洲、天神あたりで見つかった。その辺も覗いてみたかったしちょうどいい。続いてどういうルートで行くか考える。地理的に最適なルートと、メシ的に最適なルートがある。メシ的にはモツ鍋(とビール)→餃子(とレモンサワー)→ラーメンで間違いなさそうだったが、地図で各店をその順に辿ってみると、、、

意外と悪くないルートだった。モツ鍋から餃子、ラーメンと天神から中洲に流れるように歩いていく。メシ的最適と地理的最適が完全に合致している。あー、良い。できた。
ということで再び地下鉄に乗り天神へ向かう。そして向かったのはこの店。

なんでも一人旅の味方らしい。カウンター席しかないそうだ。冬の主食が主に一人鍋の私にはぴったりの店だ。店に入ってみると、8席のカウンターに5、6人が座っている状態で、すぐに入ることができた。鍋には麺が自動的についていて、味と麺の量を選べるらしい。どうしようか迷ったが、ここで空腹に任せて大きいサイズを頼むと後々後悔するということを35年の蓄積により私は知っていたのと、しかしなぜか大盤振る舞いしたい気分になっていたので、ちょっといいモツを使った、「極み麺もつ鍋(麺ハーフ)」(とビール)にした。今の俺にはベストの選択のはずだ。どんなものが出てきたかはリンクを辿っていただきたい。また、味については、これまでの旅行記でも書いているがうまい以外の形容詞をしらないので、うまかった、とだけ書いておく。すごくおいしかったので、もう一回、うまかった。やっぱ本場は違うね。そして予想通り満腹になった。

しかしのんびりはしていられない。次は餃子だ。餃子はここ。

餃子大好きおじさんとしてはどれだけ腹いっぱいだろうと餃子は食べねばならないし、鉄鍋餃子というからには鉄鍋にぎっちりつまった餃子を見たいと思って結局3人前頼んでしまった(あとレモンサワー)。うまい。うますぎる。餃子ってのはやっぱり食べ物の王様だなあ。そして博多最高だなあ。なんて街だ。五島のことを忘れてしまいそうだ。

満腹だが、メシマシーンと化した私は勢いがついて逆にラーメンを食べたくなっていた。本日最後のラーメンはここ!もう満腹!

おでんのサムネイルが出てしまったが、屋台の雰囲気を楽しめるいいお店だった。結局もう一杯飲んでしまった。替え玉は断念。

港へ〜出航

さて、これだけ書いておいて、そして満喫しておいてなんだが、ここまではまだ旅の序章にすぎないのだ。船に乗って、甲板でビールをあけてからが始まりだ。ラーメンまで食べて、酒もそこそこ入ってきていい気分になったところで港の場所を調べてみたところ、歩いて行けそうだったので、腹ごなしに歩いて港までいくことにした。そして、副産物として、港のすぐ近くにスーパー銭湯があることがわかり、さらにテンションが上がった。なんでこの街には俺の好きなものしかないんだ。

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風呂から上がって牛乳を飲み干し、建物を出ると22時半過ぎだった。ちょうどいい時間だ。周辺をちょっと散歩して気持ちのよい夜風にあたる。これはここでビール飲んだらうまいぞ、絶対だぞ、と思ったが、船で飲むことを考え断腸の思いでぐっとなんとか我慢して、その分気持ちも高めて乗船手続きをし、いよいよ船に乗りこんだ。

いつも乗っている伊豆諸島航路のさるびあ丸や橘丸にくらべると一回り小さい印象だ。しかし、2014年に竣工した新しい船なので内部はとてもきれいで快適だった。いつも通りのルーティンで、荷物を自席に置いたあとは貴重品とビール、つまみを持って甲板に向かう。写真はあいにく撮り損ねてしまったので、似たようなシチュエーションのさるびあ丸の写真を。こんな感じでした。

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23時45分、汽笛が鳴り定刻に出航。船の汽笛を聞くといつも、舞台「半神」の中での野田秀樹の「人はそれを霧笛と呼び、〜(以下略、というか忘れた)」という甲高い声が脳内で同時に響く。誰にも共感は得られないだろうが。

まあ一瞬で頭の中の野田秀樹は消え、目の前にはビールとつまみ、そして背景には博多の街の夜景が見える。何度経験してもいい経験だなあ、と思いながらビールを飲む。

博多港といえば、漢倭奴国王の金印が見つかった志賀島だ。その場所なんかを探しながら、夜は更けていき、1時間ほど甲板で過ごして桟敷席で眠りについた。

(つづく。次はいよいよ五島到着!いよいよだ。)

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