母は天国。イギリスは春。

母が天国へ旅立った。3月4日のイギリス時間の早朝。お腹がぺこぺこの愛猫にまだ真っ暗な4時ごろ起こされて、寝ぼけ眼でふとスマホの画面を見たら、ちょうど父のLINEが入ってきた。危篤の母を看取るために病院に向かう知らせの。

地球の裏で、少しずつ、ゆっくりになっていく母の呼吸を聞いていた。猫を抱きしめながら。父と「もう頑張らなくていいよ」と呼びかけながら。コロナで日本に帰れなくても、母の息はすぐそこだった。

オンラインの告別式は綺麗で、苦しみも、悲しみも、孤独感も、嫉妬も、全部神様の光に包まれて穏やかに安堵する母の微笑みは美しかった。大好きな紫色のお花に囲まれた母は白いドレスがよく似合ってたよ。

祖母がいなくなって、母も失ったけど、女性として大切なものは全部胸の中で私が育て続けるね。この奇跡みたいな星でまだ遊びを続けたいの。大好きな猫の頭は太陽の匂い。イギリスは春の快晴。さあ、次はどの国に行こうか。