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ブライト・ヴィー代表取締役社長の飯田友一さんに聞く、ケアデータコネクト誕生までのヒストリー【CareTEX東京’24参加レポートあり】

トライトのグループ会社であるブライト・ヴィーが2024年7月30日~8月1日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第1回 CareTEX東京’24【夏】」に出展しました。そこでは、介護・医療データ連携プラットフォーム『ケアデータコネクト』(以下、CDC)と、スタッフ定着のためのチームICT『ケアズ・コネクト』のデモンストレーションが行われました。

また、ブライト・ヴィー代表取締役社長の飯田友一さんが500を超える介護事業所と対話を重ね感じてきた現場の課題を織り交ぜながら、ICTの活用による効果などをお話しし、多くの従事者の方々がそのプレゼンテーションに耳を傾けていました。さらに、本展示会では介護事業所へのICT推進で連携している東日本電信電話株式会社様にご協力いただき、従事者の方々に向けたデータ連携のご提案や、補助金の相談会も行われました。


トライトnote編集部では、ブライト・ヴィー代表取締役社長の飯田友一さんにCDCの誕生秘話、そして、CDCが介護業界の未来を担う鍵となるべく飯田さんがどのような取組みをしてこられたのかを伺ってみました。ぜひ最後までご覧ください!


-ブライト・ヴィーとして初の製品であるCDCは、見守りの業務効率化を支援することで介護スタッフの働きやすさを実現するデータ連携プラットフォームです。2019年に誕生したCDCの開発のきっかけは何だったのでしょうか。
フリーランス時代の2015年頃、ある介護コンサルタントの方から「体温を測定するだけで、自動的に介護記録システムに登録される仕組みは作れないか」というリクエストを受けました。その時は、アプリは開発できても医療機器を開発するのは難しいとお断りをしたのですが、電気屋さんでスマートフォンと連携している血圧計を見てピンときたのです。血圧計から出るデータを私が作るアプリで受信し、測定された方をアプリ内で選択して介護記録システムへデータ連携すれば、血圧計は1つでも複数名の血圧が自動記録できるのではないかと考えたのがCDCの始まりです。当時はまだそのような考え方自体が介護業界にはありませんでした。

CDCの画面イメージ

―自動記録ができるアプリ開発の可能性に気付かれた後、実装に向けてどのようなことに取り組まれたのですか。
介護記録には、体温を始めとする血圧や脈拍などのバイタルだけではなく、⽇常の様⼦や、⾷事、睡眠、室内環境、排泄、ナースコール履歴、事故記録などの様々な情報が記載されているのですが、これらの多種多様な情報を記録するのは介護従事者にとって大きな負担になります。そこで、その負担を軽減できるかもしれないと思い、「自動記録が可能な介護情報」について改めて研究し、当時他社が殆ど手付かずだった、ナースコール、睡眠、排泄、環境情報などの周辺データも自動的に記録できる中心点となる「データ連携ハブ」を作ろうと考えたのです。こうしてCDCが目指す姿が定まり、その後は大手メーカーさんや大手介護記録ソフトベンダーさんを中心に、将来の介護業界でシステム連携・データ連携が重要になるという未来構想を伝え、「共にプラットフォームを創りたい」と呼びかけました。また同時に、新たな機器の参入が年々増加していたことから、今後多種多様なセンサーが介護事業所で活用されていく状況も想像でき、メーカーの規模を問わず連携できるプラットフォームとなる、という点も大切にしていました。地域介護の中核を担う介護事業所の支えになりたい想いはとても強かったです。

―これまで関わりのなかった企業にも積極的にコンタクトを取り、飯田さんの思いを伝えられたのですね。当時の経験は今どのように生きていると思われますか。
CTOの藤原涼氏の参画もあり、あれから7年が経った現在は、未来構想に共感してくれた45社を超えるメーカーさんとの連携が実現でき、CDCは国内最大規模の介護データ連携プラットフォームとなりました。当時、未来の介護業界のために一緒に取り組みたいと懸命に走り回ったことは、現在のブライト・ヴィーを形成するとても大切なプロセスだったと思います。

現場の声が何よりも大事と話す飯田さん

―現在、超高齢社会の進展により、限られた労働力で生産性を高め、質の高いケアを提供することが求められています。こうした中で、利用者様の情報や介護記録に関連するデータ連携はより良い介護現場づくりにどのような役割があるでしょうか。
まず、利用者さんのバイタルや排尿、睡眠を始めとする様々なデータが集約・連携されることで、介護スタッフの方々が利用者さんの状態をリアルタイムで確認できるようになるのは大きな役割だと考えます。複数の機器から取得したデータが一元で見れることで、最適なケアを提供できる一助になるのではないでしょうか。また、複数の機器から正確なデータを連携することで、介護記録システムへの記録漏れやヒューマンエラーの防止にもつながります。これによって、介護スタッフの皆さんの負担が大幅に軽減され、利用者さんの直接ケアに充てる時間が確保しやすくなればと願っています。

私が介護事業のICTに関わって15年以上が経ちます。今後も、介護現場が何を求めているのか、という生の声に常に耳を傾け、多くの利⽤者が安⼼して介護を受けられる社会が実現できるよう、微⼒ながら今後も介護 DX の領域で貢献していきたいです。

 

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