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香港の底なしパワーはどこから来ていたのか。

友人Mと香港を訪れたのはもう15年ほど前だろうか。

Mと私はたまたま同じ駅で一人暮らしをしていたので、仕事が終わると駅前のカフェ ラ・ボエムで待ち合わせて、よく夕食をともにした。

来月あたり香港行かない?
そんな提案をするのはだいたい私で、
だいたい断らないのがMだ。

私とMは、エキゾチックな大都会へパワーチャージしに行くことにした。

■立ち込めるような熱気

こんなご時世でもなければ、香港は近い。羽田から5時間もあればたどり着く。

空港からタクシーで少しずつ近づくにつれ、香港の立ち込めるような熱気が伝わってくる。

港にはコンテナと荷物の積み下ろしをするクレーンがびっしり建ち並ぶ。その凄まじい数に圧倒される。

香港は、ちょっと異次元なパワーを放っている。新しいものと古いものとが渾然一体となって、得体のしれないパワーが生み出されている。

古い地域と最先端な地域が交互に顔を出す。
高層マンションの狭間に突如現れる香港最古の道教のお寺、文武廟。大量の渦巻線香が幻想的な雰囲気。
急斜面に建ち並ぶタワマン群。結構な圧迫感。

香港人の女性ガイドさんは、「昼も夜も働いて、キャッシュで高層マンションを買うのが香港人の夢」と目をキラキラさせながら話していた。今頃どうしているのかな。

あり得ない情報のビジーさだけど、それもまたパワフルな香港らしさに映ってしまう。

ホテルにチェックインすると、夕食をとりに外へ。

ウォーターフロントにある広東料理屋さん。
夜景を見ながら飲茶に舌鼓をうつ。女同士の旅ならではの楽しみ。

想像以上に美味しい。さすが美食の国。
胃袋が満たされると途端にパワーがみなぎってくる。香港の熱気に負けないよう英気を養わなくては。

■香港を上から見下ろす


翌朝、香港のシンボルとも言われるビル群の景色を見にビクトリアハーバーへ。ビクトリアハーバーは、香港島と九龍半島の間にある湾。かつては水上生活者の船がひしめき合う地域だったが、国際的な港に発展した。

地図:ガイドブックにのっていない香港より
ビクトリアハーバーの高層ビル群。

そして香港で1番高い山ビクトリアピークを目指す。標高は550mほど。

ビクトリアピークにはピークトラムというケーブルカーで登る。途中かなりの急勾配も。
香港は上から見下ろして初めて全体像がつかめる。
ビクトリア・ピークの夜景。世界三大夜景と言われるのも納得の迫力。

■ノスタルジックな夜の店

夜が更けてくると、レストランや食堂がにわかに活気づく。地元の食堂や魚屋さんもあってなかなかノスタルジックな雰囲気。

地元の方が訪れる魚屋さん。
昭和感たっぷりな八百屋さん。
所狭しと並べられるシーフード素材。
飴色に焼かれた肉が吊るされている。

香港はB級グルメも美味しい。競争が激しいためレベルが高くなるのだとか。

肉とビール祭り状態。すごいボリュームなので種類は頼めない。

■早朝に現れる香港の素顔

最終日の朝はスターフェリーという渡し船に乗って、ビクトリアハーバーを見納める。

早朝の香港。昼も夜も忙しく動き続けていた港もしばしの休憩。
早朝に姿を現した大量のゴミを積んだ船。

早朝のビクトリアハーバーには、常に動き続ける香港の、静の面、影の面が垣間見えた。時が止まったかのような、意外な素顔との対面。

私とMは、スターフェリーを降りる。
パワフルな香港の一日が、また動き出した。


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