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【歴史18】オランダ史備忘録13【最終回】

オランダ史の学習を深めていきます。

本日は、
①オランダは移民の受け入れに積極的であり現代も同様である。
その起源はスペイン・ハプスブルクとの長い戦い(八十年戦争)にあったと考えられる。

現代ではインドネシアやモロッコやトルコ移民、中東難民などが多い。その影響でムスリムの人口が急増した。

②移民への配慮は社会的に行っているがオランダの移民の就業率はオランダ人より低く移民2世・3世の就業ハードルが高くなっている現状がある。孤立した移民を危険視しているのが現代のオランダ社会である。

③2002年にはイスラーム系移民の禁止を主張する右翼政党の当主フォルタインが動物愛護団体の青年に射殺された。2004年には反イスラームを掲げる映画監督テオ・ファン・ゴッホ(ゴッホの弟の子孫)がモロッコ系移民の3世に殺害された。

④オランダ政界では右翼政党が台頭し2023年7月にはウィルダース率いる自由党が第二院で有力政党となっている。

1994年以降はキリスト教民主アピールが総選挙で敗北しキリスト教勢力が下野する事となった。1917年の普通選挙法導入以来以来初めての事であった。

⑤2010年から首相を務めているリュテは自由民主国民党の党首だが自由主義陣営の政治家が首相をするのは20世紀前半のコルト・ファン・デル・リンデン以来の事である。

⑥19世紀後半からオランダ社会の軸となってきた柱状化社会が崩れてきたが依然としてオランダは個人の自由や人権を尊重する国である。

1993年のルベルス政権で安楽死が立法、2000年のコック政権で同性婚を認める法律が成立した。

売春も合法化され職業の一つとなっている。基本的に大麻は違法だが厳しい条件を満たしたコーヒーショップ内であれば販売はOKとなっている事などを学びました。

<感想>

八十年戦争を通して自由主義を獲得してきた側面と植民地帝国主義に一役担ってきたという側面がオランダ史といったところですね。

柱状化社会は機能しなくなりつつも、個々人の一定の自由や人権を容認する風土から近現代社会に相応しいモデルとも言えます。

江戸や幕末文化にも大きく寄与しているのがオランダ文化ですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。この世界史シリーズはこれにて終わります。

■参考文献 『1冊でわかるオランダ史』 水島 治郎 河出書房新社

学習教材(数百円)に使います。