人材確保に悩む企業が知っておきたいテレワーク活用のメリット
地方企業や中小企業にとって、人材の確保は非常に大きな課題となっています。
日本全体の人口減少が進む中、若手層の働き手の減少、さらに地方では高齢化の加速により益々働く世代の人口比率は低下しています。
それに加え、働き手の意識もコロナ禍を経て大きく変わってきており、これまでのような条件では優秀な人材の確保が困難になってきています。
そんな中で、今回は、働き手が不足していく日本の状況の中で、優秀な人材を確保していくための手段としてテレワークを導入するメリットについてご紹介していきます。
1.人材確保の難しさは、働き手不足と働き手の意識の変化で加速している
日本の少子高齢化は進み、労働力の不足が叫ばれ続けています。
国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の生産年齢人口(15歳~65歳未満)は、2020年の7,406万人(総人口に占める割合は59.1%)が2040年には5,978万人(53.9%)に減少すると推計しています。
また別の試算では、2030年には日本の人口の3人に1人が65歳以上になるといわれており、その社会では働き手が644万人不足するともいわれています。
そんな未来図に対応するために、労働力の潜在層である女性や高齢者の就労率を挙げたり、外国人の受け入れを強化したりといった動きはあるものの、それだけでは補いきれない不足が起こることは多くの試算がはじいており、また実感としても感じている人は多いのではないでしょうか。
そのうえ、地方となるとさらに若年層の人口比率の低さなども重なり、優秀な人材を確保していくことは経営者にとって困難な課題になっています。
一方、働き手の意識も変化しています。
・時間や場所にとらわれない働き方への志向
・転職経験者/希望者の増加 (終身雇用の崩壊)
・介護や育児参加、仕事以外の活動などとのワークライフバランスを重視
・雇用にとらわれない働き方の選択肢の増加
このような変化が起こっている中では、働き手自身がキャリアや働き方は自身で決めるという選択権を持つことが当たり前になりつつあるのです。
そんな中で、これまでと同様の労務環境で人材を確保しようとしても、応募者を募ることは難しくなります。
このような変化を受け止め、そのうえで企業が持続して成長していくための経営を目指していく必要があります。
2.今の時代に求められているテレワークの必要性
改めて昨今の人材確保の難しさの要因を表すと、
「働き手の減少」×「若手・優秀層の獲得の難しさ」×「働き方の志向の多様化」
となります。
これらの要因に対応できていないと、人材確保の困難さは加速してしまいます。
人材を取り巻く環境変化を受け止め、そのうえで優秀な人材を確保する採用戦略を考える中で、最も分かりやすく、また重要度の高い環境づくりの1つがテレワークの導入といえます。
なぜならば、テレワーク活用がもたらす影響がそれぞれの加速要因に対応する効果をもたらすことが可能だからです。
3つの要因についてそれぞれみていきましょう。
2-1. 「働き手の減少」に対応するためのテレワーク活用のメリット
日本全体で働き手が減少していくことはもはや避けられません。そのために、国や各企業は、働き手の潜在層である女性、シニア世代、外国人に活躍してもらうための取り組みにも積極的に動いています。
そのような状況下で、テレワークの導入は下記のような効果を出すことができます。
・通勤圏内の居住者にとどまらずに母集団形成が可能になる。
・在宅勤務が可能になることで、出社型フルタイム勤務を希望しない働き手でも業務が可能となるとともに、生産性を上げて仕事に従事することが可能になる。
これにより働き手の総数に対して、自社が獲得可能な母集団の幅を広げることができ、母集団比率を上げていくことができます。
また、テレワークを導入することで、デジタル化への対応や業務効率化が推進され、生産性が向上したという事例も多くあります。
この点でも、結果的に採用以外での業務遂行力の確保が可能になり、働き手減少への対策として有益だとなあいいえるでしょう。
関連記事:テレワークで成果を上げている企業の事例から学ぶ、成功の3つの要因
2-2. 「若手・優秀層の獲得の難しさ」に対するテレワーク未導入のデメリット
出生率の減少により若年層が減少していく中で、地方では若手の都市部への流出という問題も抱えています。
また、デジタル化・ICT化が進み、どんな業界・業種でも共通してデジタルスキルを持った人材が必要となっており、そのような市場価値の高い人材の確保は争奪戦になっているといえるでしょう。
そうした中、ほしい人材に“選ばれる”ことにおいて、テレワークを導入していないことのデメリットが大きく影響をしてきます。
1つめは、若年層のテレワーク希望です。
様々な人材紹介会社が就活生に対してアンケートをとっていますが、どの調査においても、おおよそ7~8割ほどの就活生がテレワークと出社のハイブリッド型勤務を希望しているとの結果がでています。
就活生にとっては、実際のテレワーク環境にメリットを感じることとは別に、
『テレワークを取り入れている=先進的な会社、柔軟に対応できる会社』というイメージのよさが、テレワーク希望に繋がっているともいえます。
2つめは、テレワーク経験者の継続したテレワーク希望です。
総務省の調査によると、テレワークの経験者は2021年時点で38%となっています。
実際にテレワークを経験した人のうち、その後も継続したい(「継続したい」及び「どちらかといえば継続したい」)と希望する人は、全体(66.4%)、企業別(大企業:68.4%、中小企業:63.5%)となっています。
また、別の調査では、テレワーク経験者を職種別に調査したところ、「研究職」「営業」「管理職」の3職種で経験者率が50%を超えていました。
出典:令和3年度 テレワーク人口実態調査(国土交通省)
以上のことから、テレワーク経験者は、大手企業経験者や「研究職」「営業」「管理職」といった職種の方で多い傾向があり、これらの層から、テレワークを導入していないことを理由に“選ばれない”リスクは大きいことが分かります。
逆に、中小企業や地方企業がテレワーク導入によって魅力づけを行うことができ、これらの層を呼び込むことができる可能性を高めることもできるといえます。
2-3. 「働き方の志向の多様化」に対応するためのテレワーク活用のメリット
上記でも述べてきたように、働き方の志向の変化として、
・時間や場所にとらわれない働き方への志向
・転職経験者/希望者の増加 (終身雇用の崩壊)
・介護や育児参加、仕事以外の活動などとのワークライフバランスを重視
・雇用にこだわらない働き方の選択肢の増加
などがあります。
テレワークを政府が推進しはじめた理由の1つにも「働き方改革」が挙げられています。
働き手のそのときの環境や考え方に合わせて、雇用を継続しながらバランスをとった環境づくりができることは、離職防止という意味でも非常に大きなメリットとなります。
少子高齢化や共働き世帯の増加により、各個人の担う役割の数は増えています。
また、変化の速いビジネス環境では自社の業務を通じた経験や学習だけでは対応しきれず、仕事以外の時間での学びやコミュニティ活動を通じてアップデートを行っていくことがビジネスで成果を上げていく際にも重要になっています。
それらの業務以外の時間を捻出するために、テレワーク活用による通勤負担の軽減や、生産性の向上のメリットを活かしていくことは、企業にとっても働き手にとっても有益な効果を発揮します。
まとめ
企業の人材確保の困難さの3つの要因
「働き手の減少」×「若手・優秀層の獲得の難しさ」×「働き方の志向の多様化」
に対して、テレワーク活用のメリットを活かすことで、企業が働き手から“選ばれる”企業になるための環境づくりに繋がることをお伝えしました。
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