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2023年イタリア語検定1級合格時の筆記パート結果と勉強内容

こんにちは。
この記事では、2023年伊検での筆記パート結果と、それまでの1年間の学習方法について、筆記パート(作文除く)にどう活きたのかという面から振り返ります。


試験結果

直近の伊検1級3回分 筆記パート結果↓
 2020年 22/37点(合格基準25、平均点22.2)
 2021年 (受験せず)
 2022年 22/37点(合格基準24、平均点21.1)
 2023年 25/37点(合格基準25、平均点21.9)

ご覧のように、2023年の筆記パートは基準点と同じ点でした。。。
なので、本当にギリギリでの合格。

いつもこの筆記パートはなかなか点が取れないのですが、間違える問題の種類は多い順に、
1: 語彙・慣用句(ほとんど間違える)
2: 文法問題(ちらほら間違える)
3: 長文読解(間違いは0〜2問程度) 
という具合です。

直近の3回分でも劇的な点の伸びはないものの、少しずつ積み重ねていると思います。
わずかでも点数の伸びにつながった学習法について、次の段落から振り返ります。

8割「ながら聞き」

私はなかなか机に向かったり、本を読む時間が取れなかったので、ほとんど耳で聞くしかできませんでした。(当時の詳細な状況はこちらの記事

できる時にできることをやるしかないと思い、ながら聞きで文法に関するYouTube動画の再生リストを繰り返し流しました。(ながら聞きについて詳しくはこちらの記事

聞く時に心がけていたことは、ただ説明を受け身で聞くのではなく、その文法項目について自分で(イタリア語で)説明できるか、考えながら聞いていました。
自分の引き出しから上手い説明が出てこない時、動画での説明を聞きながら、「そうか、こうやって説明するんだ」と、普通に聞き流すのとは違う、もう少し意識を集中させる姿勢で聞いていました。

オーディオブックの効果

なかなか読む時間が取れなかったにもかかわらず、ある時久しぶりにイタリア語を読んでみたら、なぜか速く読めるようになっていたことに気づきました。

振り返ると、オーディオブックを繰り返し聞いていたことが読む速度を上げることにつながったと思います。なぜなら、オーディオブックの元は、本来読んでもらうために書かれた書籍で、書き言葉だからです。(Amazonオーディブルの中には原著なしで音声のみのポッドキャスト集もあります)

イタリア語ネイティブのナレーターさんが滑らかに読み上げる音声を繰り返し聞くことで、書き言葉がいくつかのまとまりとして頭に入るようになりました。「この単語が来たら次はこれが来るな」という予想が立つようになったのです。また、書き言葉特有のリズムが音としてある程度インプットされると、読んでいる時も音が聞こえてくるかのような感覚で、その波に乗って読み進める事ができるようになりました。

これは、子供への絵本の読み聞かせの効果に似ていると思いました。昔話など繰り返し読んでいるといつのまにか「あるところ(場所)に、誰々が(主語)、住んでいました」などの型がインプットされ、この型を使って自分でもお話を組み立てられるようになったし、小学校の国語で音読するようになると、それまで何度も聞いていたリズムや言葉のメロディーに乗って自然に読めるようになっていたので、当時驚いた記憶があります。

オーディオブックを聞いていたおかげで、長文読解の文章ボリュームにビクビクしなくなった上に、落ち着いて読み進めるようになりました。

読むスピードが上がることの伊検における利点は、問題冊子の指示文や問題文、選択肢を速く読めるので、その分他の事(聞き取り、考える、見直し)に時間を使えることです。
読むスピードは、聞くことでも上げられるというのは、嬉しい発見でした。

オーディオブックが気になる方はこちらを参照下さい。↓


文法演習

数年前に買った文法演習の本は、2022年の伊検までに8割解き終わり、2割を残していました。
2023年の伊検対策としては、残りの2割を解く時間しかありませんでした。 

それでも、全てイタリア語で書かれた本なので、どこを読んでもイタリア語に触れる事ができました。解いた問題の数は前年の4分の1ですが、文法問題は大きく外していないことから、ながら聞きした文法解説や、あらゆる文法が盛り込まれた文章の朗読を聞いていた事がカバーしてくれたのかもしれません。

この文法本のコンパクトにまとめられた説明文には、いろいろと忘れていた事、知らなかった事が書いてあったので、試験前にこれを1冊全部解いていたら、もう少し文法の自信がついたかもしれないと思いました。


最大の難関「語彙・慣用句」

中学、高校時代の英語の勉強法から、私は「書いて覚える」「書いたものを見て覚える」派です。

でも、今回は書く時間がほとんど取れませんでした。

ながら聞きをすることで、耳から新しい単語に触れることはあっても、その場で手を止めて辞書で調べることはできなかったので、何となくのイメージを持つ程度。それを繰り返し聞くことで日本語を介さずに語彙を増やす方法もあると思います。

でも私が読んで分かるレベル、試験で解けるレベルに効率よく最短で達するには、見える形に一度は書く必要があると感じました。

また、私個人の特徴として、「でる順」「キクタン」などの単語帳、単語リストで文脈なく覚えるのが大の苦手というところがあります。
高校時代も、「でる順」の英単語テストが毎週のようにありましたが、無秩序な英単語の羅列を日本語とセットで覚える作業が全然面白くなく、苦痛でしかありませんでした。クラスメイトの中には、単語リストを見て、その場でストーリーを作ってしまって全てセット覚えるという技を持つ人もいましたが、私にはそこまでの想像力はなかったです。。。

その反面、教科書のストーリーに沿って単語を覚えるのは楽しいし、長期間記憶できていました。伝記や、ドキュメンタリー風の文章など、時には悲しい物語を家で音読しながら泣いてしまうこともあったので、感情型なんだなと思います。

それを考えると、自分が好きな興味を持てる文章を書き写したり、単語を書いたりして、語彙を増やしていくのが私には合っていると考えます。ただ、今回は書く時間が取れなかったので、筆記パートが基準点ギリギリなのも納得です。

また、暗記アプリを使っていくつか単語を入力してみましたが、ずっとスマホ画面を見るのも最近目が辛くなり(笑)、あまり活用できませんでした。

こちらの慣用句の本、例文もあって非常に良いと思って購入したものの、本を開いて勉強する時間が取れませんでした。
次にこの本を開くときは、私の性格上、覚えるために読むのではなく、知っているかをチェックするために使った方が良さそうだと思いました。ただ、そのチェック作業も書く必要があるので、ペンを持って書ける状況を作り出すことから考える必要があります。 



  
隙間時間にチョイ読み

感情が結びつくと覚えやすいという自分の特徴を知ってから、勉強時間の取れない中、あえて自分の感情を利用して覚えてみようと試した事があります。それがSNSのX(旧Twitter)です。

イタリアで話題のテーマなどをイタリア語で検索して、時事問題など市民目線でズバズバ発言する発信者を何人かフォローしました。

そして、ちょっとした待ち時間(スーパーのレジで並ぶ、エレベーターを待つ、信号を待つ、役所や銀行の手続き等)にXを開き、2〜3行の発信を読んでいました。これはほぼ毎日チェックしていました。

いろいろとショッキングな事件、汚職、スキャンダル、政治の腐敗、行きすぎたポリコレ、過激な活動家などの、ニュースそのものも驚くばかりでしたが、それに対して怒って発言している人の言葉には感情が乗っているので、よりインパクトが強く、記憶に残りやすいと感じました。

罵り言葉はサラッと流し、核心をつく発言からは物事のを見る視点など、勉強になりました。

中には決して日本の主要メディアでは流れない出来事も知る事ができました。改めて、メディアは自分たちが広めたいことを選んで伝え、都合の悪い事はまるでそれが存在しないかのように「報道しない自由」がそこにあると感じました。だからこそ、一般市民の発言を読むことのできるプラットフォームは面白いと思いました。

余談ですが、日本でもイタリアでも、スピン報道(大きな悪から民衆の目を逸らすために、身近な小さい悪を大きく騒ぎ立てる報道)やガス抜き発言(大衆の不満が爆発しないように、反体制的な発言をあらかじめ用意して担当の議員などに言わせること)があるんだろうと感じたところは、勉強になった反面、悲しくもありました。

ただ、一般のイタリア人の発言から、様々な意見、価値観があると知れたことは、「自分の意見はどうなのか」と考える良い機会になりました。この、自分の意見を持つというのが、作文パート(別の記事で取り上げます)における私の課題だったので、とても良い効果が出ました。

読み書きの時間をいつ設けるか

ながら聞きでもある程度は筆記パート対策になる部分はあるものの、やはり、もっと読み書きの勉強時間が必要だと再認識しました。

2022年の伊検前は、子供を寝かしつけた後に布団に入ったまま、やどかり状態でノートに書き込んでいました。それはそれで当時のベストな方法なんですが、欠点がありました。それは、

延々と勉強してしまって夜ふかししてしまうこと。

イタリア語って、中学・高校と違って義務感はないし、好きでやっていること。なので、文法演習にしろ、文章の書き写しや精読にしろ、やり始めると楽しくなって止まりません。おかげで気づいたらすごい時間になっていたなんて時もありました。そうなると日中の生活にも支障が出てしまう。

なので、少し変かもしれませんが、私にとっては

夜中のイタリア語学習🟰夜中に食べるお菓子

幸せや楽しみもある反面、リスクもある、危険な行動(笑)

と言うわけで、2023年は夜はなるべく子供と一緒に寝てしまうことにしました。

もしイタリア語に触れるとしても本を少し読む程度。ノートに書き始めたら止まらないけど、読むだけならちゃんと眠くなって寝付くことができました。

夜できない分、朝に勉強しようと思いましたが、なかなか早起きができず、勉強もできませんでした。

昼間の食事や運動、寝る前のストレッチなどを工夫して、早朝に勉強できるようになるのが私の目標です。

「つまみ読み」した本

というわけで、今回ほんの少しだけ読む時間を当てられた本を紹介します。1冊通しては読んでおらず、その時に読みたいところをつまみ読みしたものです。読んだ時間はそれぞれ15分×4日程度でした。

↑イタリア語と日本語が併記されているので勉強になります。日本での個人的なエピソードが面白いです。音声もダウンロードできます。

↑こちらはオーディオブックも何度も聞いているので、読むときはナレーターさんの声が頭の中で再生されます。

↑何年も前に一度読んだ本です。今回は本の冒頭部分だけ読み返しました。


この他にもう1冊、つまみ読みした本があるのですが、それについて書くと長くなるので別の記事で紹介します。

筆記パート関連の再生リスト

書く勉強時間がとれなかったら、聞いて勉強。
リスニング学習の記事で紹介したYouTube再生リストの他に、次のような文法に特化した再生リストを聞いていました。

↑ゆっくり目の説明が嬉しい。動画数163本。

↑こちらも上級文法。動画数13本。

↑語彙力アップに。動画数29本。

↑文法について。動画数64本。

↑ショート動画多めのリスト。動画数118本。

↑語彙力アップに。動画数65本。

↑イディオム。動画数12本。

↑上級文法。動画数98本。

↑中級文法。動画数150本。

↑イディオム。動画数30本。

まとめ

以上が2023年イタリア語検定までの1年間で学習した内容のうち、筆記パートに関する部分です。

明らかに、読む・書く勉強時間が少ないものの、その分ながら聞きの時間を多めに取り、隙間時間に読む事を続けることでなんとか基準点ギリギリを取る事ができました。

同じように机に向かう時間が取れない方が、読み書きの時間が取れないからと諦めているとしたら、それはもったいないです!

毎日少しでも聞く・読むことで、筆記パート関連の力も付いてきます。少なくとも、忘れにくくなります。書くよりも聞く・読む方が行動を起こすためのハードルも低い。聞いたり読んだりしているうちに、書きたくなってくる。そうすると、そのための時間を作ろうと調整できる上、時間が確保できた時の学習が楽しく有意義なものになります。

なかなか勉強時間が取れない方の参考になれば幸いです。

それではまた!Buon studio!

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