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春学期修了演奏会(東京音大吹奏楽アカデミー専攻)

7月5日(水)に東京音大吹奏楽アカデミー専攻の修了演奏会を開催いたしました。

今回の演奏会は大編成だけでなく、各学年ごとに分かれてフレキシブルアンサンブル楽譜を使った作品を披露するというプログラムが盛り込まれました。
吹奏楽アカデミー専攻は器楽科のように楽器別に入試があるわけでなく、全ての楽器を一斉に試験するので、毎年どの楽器に何人志願者がいるのか蓋を開けるまで未知数で、当然ですが結果、偏りがあります。その偏った編成を工夫して、ひとつの作品を完成させるために、演奏箇所の割り振りや並び方などを授業で試行錯誤してきました。
近年少子化で学校の吹奏楽部も大きな編成の作品に取り組めるところがほとんどないのが現状ですので、こうした研究は今後の日本の吹奏楽にとっても重要なことだと思います(それ以上に部活動の地域移行が大変なのですが)。

本番直前の臨時練習で、講師陣が客席から配置について考えたり、下野先生の素晴らしい音楽性とアンサンブル構築力で、どんどん形になっていく様子は大変興味深かったです。

本番は学生の皆さん集中して練習の成果を発揮できたのではないかと思います。反省点は今後の課題にし、良かったところは自信に変えていければ良いと思います。
トランペットの学生も本番強いですね。今回各作品にソロが出てきていたのですが、みんな自分のできる範囲で精一杯演奏できたと思います。もっともっと上を目指してもらいたいです。

今年度吹奏楽コンクール課題曲に吹奏楽アカデミーの特任教授をされている天野正道先生の「レトロ」という作品があり、今回当然演奏しました。
天野先生は会場に聴きにいらしてくださいまして、こういった場合、天野先生をステージにお呼びし、出演者もお客様もみんなで拍手をする、というのはよくあることです。が、ここで予想しなかったことが起こりました。指揮の下野竜也先生が天野先生に「何でも奢るからひとつ無茶振りしていいですか?レトロの指揮振ってください!」と。
これはまったく予定していなかったことで、2回目の「レトロ」が始まりました。激アツ。めちゃめちゃ楽しかったです。

下野先生という素晴らしい指揮者のもと演奏ができることも、今回指揮も振ってくださった天野先生や、同じく作曲の星出尚志先生、中橋愛生先生、サックスの小串先生、各楽器の講師陣など挙げればきりがないほどすごい音楽家がたくさんいる中で吹奏楽アカデミー専攻生は毎日一生懸命に学びを得ています。
このような環境で大学4年間、吹奏楽を中心に様々な体験ができるところは他にないと思います。学生が羨ましい。

ということでみなさん今回も頑張りました。秋学期は作品のレベルが格段に上がるので、今回以上に大変だと思いますが、良いものを作っていけるようにみんなで頑張りましょう。

ご来場くださいました皆様ありがとうございました。引き続き吹奏楽アカデミー専攻をどうぞよろしくお願い致します。


荻原明(おぎわらあきら)



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