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元受刑者 仕事を語るPART1

こんばんは。西高童貞(せいこうどうてい)です。

今日は仕事のことも書きたいと思います。夜中のテンションで書いているので、色々と脱線してしまうかもしれませんが、どうぞ最後まで読んで頂けると幸いです。

刑務所から出所した人はどうやって仕事を見つけるのだろうと思っている人も多いかもしれないので、初歩的なことから書いていこうと思います。

まず刑務所では就労支援というものをやっていて、これは刑務所によって違ったりもするのですが基本的に仮釈放の対象のなった人に対して就労支援を希望するかどうか聞かれます。

希望したとしても、懲罰が多かったりなど素行が悪いと受けることはできません。

そして、就労支援というのは刑務所の中までわざわざハローワークの職員の方が来て下さり出所する人間だけが応募する事ができる専用求人というものを見ることができます。

大体全4回〜6回就労支援を受けることができ
1回目は自分の希望を伝える。

2回目はハローワークの方が1回目の希望通りの仕事をピックアップして下さりそこから選んで応募する。

3回目は応募した会社がOKだった場合、面接の練習
NGだった場合はもう1度選び直す。

後はこの3回目をひたすら続けるだけです。運良く相手の会社さんが面接をOKしたとしても日程の都合が付かなかったりもして面接にも辿り着けない場合も多々あります。

4回〜6回と言いましたが、私の場合は4回しか就労支援が出来ず身元引き受け人の都合で仮釈放が少し早まった為です。

1〜4を見ていて皆さん思ったこともあるかと思います。
私はこの予定をハローワークの方から初めに聞いて、なんて段取りが悪いのだろうかと思ってしまいました。

私は外で働いたことも殆どありませんし、ハローワークなんて足も踏み入れたことがないですが、話を聞いている限りでは外のハローワークでは希望をすればその場でハローワークの職員の方が向こうの会社にアポを取って下さるそうでその場で面接が決まることもあるそうです。

その一方で刑務所ではタイムラグがあり、本当なら1日で終わることを1ヶ月2回に分けてやっていたりするんです。

刑務所という特殊な性質があるので、仕方ありませんがそこは何とかならないのかなぁと私は就労支援を受けていながら毎回感じていました。

あのシステムでは塀の中で仕事を見つけるのは中々難しいのではないでしょうか?
応募しても前述した通り、タイムラグがあるのでもう募集を締め切っていたり
私の場合は、飲食店を応募したのですがコロナの関係で売上が落ちて今は人材は必要としていないという事で、断られてしまいました。

ですので、私は全4回の就労支援で仕事を見つけることができずに出所することとなりました。

受刑者のみが見れる専用求人といえば聞こえはいいですが、中身は正直碌な仕事はありません。

受刑者、前科がある癖に仕事を選ぶなと石を投げられるかもしれませんが、これは嘘偽りのない事実です。
仕事を選ぶ権利も受刑者にはあります。

その求人の中で何が1番多いのかと言われれば間違いなく土木、現場関係でしょう。
これが7、8割近く占めているのではないでしょうか?

その次に多いのが介護職。3番目は飲食ではないかなと実際に就労支援を受けてみて感じます。

仕事に貴賤はないと思いたいです。しかし、どの仕事も給料が安くて福利厚生も無いに等しい仕事ばかりです。

何故そんな仕事しかないのか?

要は受刑者、前科がある人間を雇うのはリスクがあります。
再犯の可能性もあります。犯罪に巻き込まれるかもしれません。売上を持ち逃げするかもしれません。

悪い言い方をするとトラブルメーカーなんですよ。

そんな人間何処の会社が雇いますか?

前科がない人間でも仕事が中々見つからない世の中ですよ。前科がある人間がそう簡単に仕事が見つかれば世の中ちゃぶ台返しですよ。

でも、ハローワークに求人を出している1番の理由は補助金、助成金が出るからなんです。

私の記憶違いならすみません。確か最大で年間70万円近く国から会社に対して支払われるのではなかったでしょうか。

なので、仮に月20万円で出所してくる人間を雇うとすると本当なら年間で240万円掛かるところが、170万で1人雇えるんですよ。

となると月14万円くらいで雇えることになるので、法人の利益率を考えると、まぁそのリスクとリターンなら別に雇っても良いかなというのが本音というところでしょう。

本当に崇高な想いで受刑者に仕事を創ってあげようなんて考えている会社は1割あればいい方なのでは?

私としてはもっと補助金助成金を出さないと企業は中々重い腰は上げないと思いますね。
年間70万円程度ではリスクの方がまだまだ多いと思います。

もし再犯を起こされれば、今度は自分の会社の名前が新聞やニュースなどで載ってしまうかもしれない。

もしそうなれば、取引先からの仕事も減ってしまうかもしれませんし大打撃ですよ。

もう一層のこと1年間の給料は国と企業が半分ずつ出すその位いや、全て国が出すその位してもらわないとこの社会的な風潮はよくならないですよ。

今この国の再犯率は49.1%です。

犯罪の発生率は年々下がっているのですが、再犯率だけは上がっていて2020年49.1%になり過去最高となってしまいました。

このnoteを読んでいる人は「ふーん」としか思わないかもしれませんが、この再犯率を下げないことには日本は一生豊かになりませんよ。

前科のある人たちの見る目を少し変えるだけでもこの再犯率は下がるかもしれません。

この社会風潮だと再犯率はどんどんどんどん上がっていくと思っています。

そうなると自分が犯罪に巻き込まれる確率も上がってしまうかもしれません。

今前科があって生きづらさを抱えている人に対して手を差し出してあげましょう!なんて無責任なことは言いません。

でも、見る目・視点を少し変えるだけでも効果はあるのかも。

そうやって少しずつこの社会風潮を変えていかないこれからの未来は暗闇にしか進んでいかないと私は思っています。

国がやらないんですから誰かがやらないといけないんですよ。

一方で法務省の言い分も分かっているつもりです。
懲役刑って労役なんですよ。簡単に言うと働かせて懲らしめるってことです。

刑務所って簡単に説明すると懲役の年数分働かせて懲らしめるという施設です。
なので、受刑者が出所してからどうなろうが法務省、国からすればどうだっていいんです。刑務所はそういう施設ですから。

その怠慢が招いた結果が再犯率49.1%です。

これから懲役刑は拘禁刑と名前が変わります。時代の流れを考えれば、当たり前といえば当たり前ですが。

労役の代わりに社会復帰へのプログラムや薬物を止める為のプログラムなどが今までよりも多くなるそうです。

この日本の刑務所の在り方が変わってくれると1国民として1元受刑者として1西高童貞として嬉しいです。

話は少し変わりますが、皆さんは何故犯罪をしてはいけないと思いますか?

凄い批判されるかもしれないですし、今まで書いてきたことと矛盾してるかもしれませんが私自身としては
別に犯罪を犯してもいいのではと思っている人間で、その責任(懲役)さえ務めればいいとルール(法律)で決まっていると考えているからです。

ルールを逆手に取れば別に犯罪を犯してもいいんです。
道徳倫理的にダメと云う人もいますがその道徳倫理が正しいと誰が証明できるのでしょうか。

しかし、その覚悟で犯罪をするのであれば刑務所でも出所してからもあーだこうだ生きにくいやらは言ってはいけないです。

別に私はもう犯罪に手を染めるつもりもありません。
道徳倫理的になんてそんな概念的なものでも抽象的なものからではなくて本音をいうと、時間と犯罪で得れるお金が釣り合ってないと刑務所に入って感じたからです。

じゃあどれくらいのお金なら懲役の年数と吊り合うのか。
私は吊り合う金額なんてないと気づくことが出来たので、もう2度と犯罪に手を染めることはないでしょう。

しかし私のような考え方では、じゃあ合法ならモラルに欠いた商売で儲けようという考えに陥ってしまうかもしれませんので、そうならないように日々自分を律するようにしています。

そこがあやふやになれば、なんでもありになってしまいますから。

次は何について書きましょうか。

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