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シャーマンを訪ねてVol.4

川は家から歩いて2、3分の所にあり、川辺には雪が積もっていたが川は凍らずただ流れ続けていた。

ダニャールは意気揚々と「俺はここで泳ぐから」と宣言して服を脱ぎ始めた。アスランは頑なに泳ぎたくないとダニャールに言っていたが、何やら説得をされていた。

5分後アスランも泳ぐといい服を脱ぎ始めた。日がさんさんと照っていて太陽が高かったが、確実に気温は氷点下をしたまわり、川などに入る物なら凍えるのは目に見えていた。

しかし彼らは何も躊躇なく入っていく。「これがローカルスタイルだ」と豪語してダニャールが川から上がって来た。僕は頑なに「入らない」と入る事を拒否していたが、「今しかできない」「寒くない大丈夫」「寒いのは自分の頭が決めている事だ」とダニャールが僕を説得し始めた。

しかし僕は「クレイジーだ」と言って入りたくなかったが、アスランとダニャールの説得で恐る恐る入ることに。服を脱ぎ身体一つで凍てついた川に飛び込む。飛び込んだ瞬間、川の水が冷たいのかわからなかったが、少しすると身体に血の気が引く感覚がしてすぐに川から上がりに服を着た。

家に戻り少し休んでいると夕飯が出来上がってみんなが食卓に集まって来た。夕飯はポトフみたいな、人参、じゃがいも、ヤギ肉が入ったスープだった。肉から出たダシが効いていてお腹を空かした僕は本能のままに胃に流し込んだ。おばちゃんに「おかわりは?」と聞かれて「もらうよ」と答えると僕の前に座っていた。前歯のほとんどが金歯、銀歯に埋め尽くされていた女性が目を細めて「あんたまだ食べんの」という口調でロシア語を発した。彼女はちょいちょい僕に絡んできて、意地悪な口調で何か言って来たが僕はほとんど理解できなかった。

こんな感じで毎日が進んでいった。僕は特に身体が疲れていたわけではなかったが夕飯が終わるとすぐにベッドに入り込み眠った。旅後半という事もあって精神的に疲れていたのかもしれない、しかし今思うともっと何かに負担を感じでいたのかもしれない。。。

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