シャーマンを訪ねてVol.1

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ウイグルのウルムチから36時間揺られてカザフスタンのアルマトイに電車で抜けて来た。アルマトイはカザフスタン最大の都市と言われているが、日本人からしたら大きい街とは思えないだろう。冬だからだったからか通りには人通りが少なく街に活気がなくどこか寂しげな雰囲気があった。

アルマトイに来たのはアルマトイ周辺にシャーマンが住んでいると聞いて一度会って見たいと思い訪れた。しかし情報はネットで調べた情報のみで、住んでいる正確な場所などはわからなかった。

とりあえず同じホステルに滞在していたカザフスタン人やスタッフに聞いたのだが、みんな「知らない」「カザフスタンにシャーマンなんていない」と言われてしまった。

僕はどうすればいいのかわからず、とりあえず街中をひたすら歩いたり、ネットでひたすら調べてみたりしていたが、確定的な情報は見つけられず困っていた。

そうこうしていたら、ひょんな事から英語を話せるカザフスタン人の女の子に出会った。彼女にもシャーマンを知っているかと聞いたが答えはNo。しかしありがたい事に彼女はロシア語で検索してくれてどこに住んでいるかを突き止めてくれた。

Ungyrtasという村の外れに住んでいるらしい。僕はシャーマンだからどんな秘境に住んでいるのだろうと想像していたのだが、アルマトイから車で1時間で行けるらしく、拍子抜けしてしまった。

アルマトイからバスでUzynagashまで行きそこから乗り合いタクシーでUngyrtasに向かう。乗り合いタクシーに道のど真ん中で降ろされ「ここから別のタクシーを拾え」と言われたが、タクシーおろか車も1時間に数台しか通らない。とりあえずUngyrtasに向かって歩きながらヒッチハイクを開始する。そしたらすぐにバンが止まってくれて乗り込む。

村の中心地で降ろしてもらうが、シャーマンの家がどこにあるかなんて知らず。とりあえず村の外れの方に丘が見えたので、そっちに向かって歩き出す。丘を登り歩いて行くが霧のせいで何も見えず一人で雪と霧に覆われた白い世界を歩く。

歩けど歩けど何も出てこず風の音と真っ白い世界しか僕の五感は感知できない。途中で自分があさっての方向に行っている事に気がつき、来た道を戻り、道端で話しているおっちゃん達に「シャーマンはどこに住んでいる」と聞くとすぐに「あっち」と指を指して教えてくれた。

無事にシャーマンらしき家を発見して、入ってみると40代ぐらいの男性がいたので声を掛けてみたが、僕はロシア語がわからず、彼は英語がわからない。言葉が通じず押し問答していると、英語が話せる男性が来てくれた。「シャーマンを探して日本から来た」と伝えるとwelcomeと家の中に通してくれた。

ここからシャーマンの家に4泊5日する事になるのだが、なんとも言い表しにくい、不思議な時間となる。

僕のこの体験を伝える事で読んでくれた人にどんな影響を与えられるかはわからないが、書きたいと思う。

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