見出し画像

【SFC版と比較】FF4ピクセルリマスターBGM全曲レビューしてみる【賛否両論】

 初めましての方は初めまして、くろだといいます。
 ファイナルファンタージ4のピクセルリマスターが発売されたと聞き、興味はあったものの様子見をしていたら「おや・・・?どうやら賛否両論だぞ・・・?」という雰囲気を感じたので、ファイナルファンタジー4がSFC版が人生で初めてのRPG人間だった自分は当時の思い出を懐かしんでみたいな、という気持ちを誤魔化し続ける事は出来ないと野次馬根性も助けてポチっと購入した次第です。

 そうしてゲームを進めてみたらアラビックリ「グレードめっちゃ上がってるやんけ!」から「なんじゃこれ!」までふり幅の広いゲーム体験となってしまいました。

 そこで、SFC版との比較をしながらBGMの全曲レビューをやってみようと思い立ったのです。

 あくまで個人の感想ではありますが、ピクセルリマスターに興味を持っていただき、僕と同じ様な体験をする人が少しでも増える事を祈って。

 ちなみに、SFC版のBGMはニコニコ動画で作業用BGMとしてアップされている↓を参考にしております。楽曲の並び順はピクセルリマスター版も同様なので、聴き比べにはちょうど良いのではないでしょうか。

楽曲No.1~10

1.プレリュード(1:36)

 ファミコン時代からのファイナルファンタジーの定番曲。
 ハープによる音階が美しく、途中から入ってくるピッコロ?の旋律とストリングスのバックグラウンドが素晴らしい一曲。

2.赤い翼(2:15)

 飛空艇団、赤井翼のテーマ。
 トランペットの主旋律とスネア・シンバル、バックのオーケストレーションが素晴らしい曲。これについては文句なしと言いたいところだったが、主旋律2周目に何故ホルン(ユーフォニウム?)に主旋律を渡したんや・・・ストリングスにも・・・

3. バロン王国(0:55)

 赤い翼と同じく、重厚感漂う入りからオーケストレーションによるリアレンジの成果を実感する一曲。SFC版との違和感が全くない。おそらく、SFC版でもオーケストラを想定していた曲だからだろうか。

4. 愛のテーマ(2:39)

 ローザが熱いまなざしを向けるシーンの曲。うるんだ瞳。
 フルートが演奏する主旋律とストリングスが絡んでくるアレンジが情感たっぷりに愛をささやいて来る。2周目のオーボエが入ってくるのもナイス。
 なんとなく、情感の上げ方がジブリっぽさを感じるけど、もともとの厚さがそう感じさせない。

5. オープニング(2:06)

 カインとの旅立ちで流れる曲。
 フルートの主旋律が弱いのが気になるが、バックのブラスが厚みを与えてトランペットが主旋律に絡んでくる事によって立体感を担保している以上バランスとしては仕方がない・・・のか?クラシックのオーケストラのバランスについてはあまり知識は無いけども、どうなんだろうか。ってかループ直前の2:00からの主旋律メッチャ立ち上がってくるやん。

6. 街のテーマ(1:28)

 穏やかな日常を感じさせる曲。
 ギターのバッキングとストリングスの主旋律、2周目で利越えるのはパイプスだろうか。
 全体的に、地上の曲は生音との相性が良い楽曲が多い。


7. ファイナルファンタジーⅣメインテーマ(2:45)

 フィールドで流れる曲。
 これがメインテーマなのか。
 主旋律はクラリネットとフルート。
 ここではドラムの音は気にならない。ハイハットの刻みもSFC版であった記憶あるし。
 おそらく、譜割り自体はほぼ変わっていない印象。
 ただ、2周目はどうなんだ?トランペットが主旋律を引き継ぐが、音の厚みを増やす、フルートやブラスのフィルを入れるのは曲全体の構成としてはありなのかもしれないけど、変にリアレンジというか追加する必要があったのかは疑問。

8. バトル1(1:05)

 スタートのパパパパァ!が気になって仕方がない。トランペットでやる意味とは。
 ツイートでも書いたけど、ホーンを使う事で情報量が多すぎてアフターノートの余韻がくどくなりがち。パーゥ!って聞こえちゃうのは非常に残念、もう少し余韻短くできなかったんかな。その後の主旋律に至るまでの導入もエレキギターを入れた意味が分からん。主旋律をトランペットにした事は素敵だと思う。ただ、フレーズの上がり下がりや立ち上がりの所で余計な経過音や装飾音を挟むのは無理。ここはストレートに演奏して欲しいところでもあった。
とはいえ、バックのストリングもしっかり雰囲気を作っていてよき。
ベースのドライブ感がちょっと物足りないのはなんでだろうか。演奏可能性を考慮した所で全く損なわれる部分ではないと思うんだけど、ってか全体的にベースが弱い。
ここら辺で少し疑惑が出てきているのが、ポップス畑の人がバンドサウンドを担っているのでは?という所。これは要検証
そして、主旋律の最後のロングトーンいらんやろ。

9. 勝利のファンファーレ(0:27)

 これは文句なし。ファンファーレという事もあるけど余計な足し引きがない分オーケストレーションする意義を大きく感じさせてくれる曲。

10. デブチョコボ登場(0:30)

 チューバを始めとしたブラスが良い仕事をしている曲。
 ベースのグルーブ感もドテドテしてて素敵。
 こういうのが欲しいのよ、と思わせる原曲とのリンク性。

楽曲No.11~20

11. チョコボ(0:59)

 チョコボの曲は全体的にラテンの香りをさせるものなんだけど、なんでテナーサックス入れちゃったの?スカパラにアレンジでも頼んだの?ってくらい悲しい。マンボNo.5の吹奏楽アレンジを聞いた時くらい悲しい
 原曲通り、シロフォンとトランペットでええねん。何余計なことしてくれてんねん、の典型。

12. ダンジョン(1:05)

 ミストの洞窟で初めて聞く事になるダンジョンの曲。こういうオーケストレーションを前提にしている原曲からのアレンジ(というよりはリテイクに近い)は素晴らしい。ブラスのバッキングも厚みをしっかり担保しつつ、洞窟の湿度や空気の重さを感じさせる素晴らしいアレンジ。

13. バトル2(1:14)

 パパパパァ!その2。
 バイオリンの主旋律が情感たっぷりに迫ってくるんだけど、これも別に情感いらんねん、という感想。緊張感というか雰囲気に張力が欲しい曲で情感を足す事による柔らかさというのは結構邪魔になる気がするんだよね。全体的に言えるんだけど、フレーズの入りに余計な仕事をしすぎ問題はあるんじゃないだろうか。メロディーの接続部分の緊張感とかとても良いのにもったいない。曲の後半部分の盛り上がりとかもよき。ただ、最後のトランペットのフレーズの処理が雑。なんでこんなに雑なの。なんで怒られないの?
 もうこれ、クラシック畑特有の音の処理って感じがして奏法の指導が入っていない、プロデューサーの責任だと思うんだよね。ぷんすこ。

14. ボムの指輪(1:38)

 ボムの指輪がミストの村を焼き払ってしまった時のBGM。
 ストリングスよき。ベースの動きも気にならない程度で、フレーズの繋ぎ方も悪くないと思う。良いプレイヤーの方にやってもらったんだろうな、というのを感じる。
 そして、原曲の雰囲気を逃がさずアレンジされたのはよき。素敵。しゅき。
 ただ、後半部分でフルートを足したのはなんでじゃ?
 ティンパニ?が入ってくるのは良いとしても、フルートは・・・いる?

15. 少女リディア(1:00)

 フルートの主旋律とハープのバッキング。
 これも原曲の雰囲気そのまま。
 音数が少ない、少ない音で雰囲気を作る曲に関しては割と原曲の雰囲気を逃がさないアレンジがなされている趣きが強い。

16. ダムシアン城(1:16)

 最初の主旋律はクラリネット。木管での単管。コーラスの間奏を挟んでフルートに主旋律を渡す。途中からストリングスが入ると思いきや、シンセっぽい。

17. 哀しみのテーマ(1:03)

 アンナ、いなくなっちゃう。前述の通りこういう音数の少ない曲については本当に良い。

18. ギルバートのリュート(0:57)

 これも、特にアレンジしようのないシーンで使用される曲でもあるので原曲を忠実に再現するだけでいい曲。奏者が素晴らしい。アコースティックでの再録に意味があるとすれば、本当にこういう事だよ、と言わざるを得ない。

19. 試練の山(0:57)

 原曲で印象的だったシロフォンを脇役に置き、ストリングスと木管、そしてフルートを主旋律として再構成された曲。個人的には不満である。解釈違い。ベース音もコントラバスに置き換えられたことでオーケストレーションを強く意識した事から楽器の構成も変更を加えたんだろうと想像するけど、どうなんじゃろうなぁ・・・
 主旋律はシロフォンを維持してオーケストラが後ろで厚みを担保する形ではダメだったんじゃろうか・・・非常に残念です。

20. ファブール国(1:11)

 主旋律はシンセ?それか、オルガンでこの手の音が出せる音源あったっけ?とはいえ、アレンジに対して文句は出てこない。原曲再現度高し。ベース音の厚みが増す事でファブール国が持つ剛性の高さを実直に表現された良い曲に再構成されてると思う。

楽曲No.21~30

21. 脱出(0:57)

 特に情感も必要ないし、原曲通りに、そして後半部分で緊迫感を出す追加の譜面は違和感なし。ただ、原曲ではエレキベース的な音だったバックのベース音がチューバに丸投げでしかも音数が増えているから死にそうやな、って思うのであります。

22. 疑惑のテーマ(1:03)

 冒頭の原曲再現性が高い。やはり、リアレンジの余地が少ない曲ほど雰囲気が崩れない良い曲に仕上がる傾向がある様に思う。ストリングスを前面に押し出してバックのヴォイシングも過不足なし。

23. 黒い甲冑ゴルベーザ(1:03)

 オルガンをゴリゴリに押し出した原曲のイメージそのまま。バックにコーラスが多少入ってもそれはゴシックの文脈から外れてない感じするし、最高である。

24. 親方シド(1:14)

 いきなりのギターに面食らうけど、トランペットのアンサンブルは好き。だけど、原曲でのブラスアンサンブル感は薄れてしまっているのは悲しい。ストリングスが2周目で入ってくる事によってカチッとしている原曲のイメージとは離れていく感じがするんだよな。
 とはいえ、おそらくバロン王国総体としてのイメージに音源を寄せる事を意図している気もするので、総体で言えば整合性があるとも言える。けど、ちょっと違うんだよなぁ・・・ストリングスを入れるならフリューゲルホルンとか金管で置き換えて欲しかった。木管とかストリングスが入ると柔らかさが過剰に出ちゃう気がするんだ。

25. ミシディア国(1:26)

 これも、原曲再現度が高くて満足度が高い。とはいえ、シロフォンをストリングスに全面的に置き換えているんだけど、雰囲気の再現度が高い。満足。なんでこういう感じで他の曲も出来ないのかしら。欧州のクラシック王道から離れた曲のリアレンジの満足度が高いのは余計な仕事をする余地が無いからなのか?
 欧州(特にクラシック本流ど真ん中)から見ると異邦の地にあたる地域をイメージした様な楽曲として、弦楽器が持っている仕事は非常に強い。

26. 長い道のり(1:21)

 祈りの塔の曲。オーボエを使用するのは良いチョイスだと思うけど、2周目からのトロンボーンとかフルートのバッキングはなんなんじゃ・・・祈りの塔やぞ・・・

27. パロム・ポロムのテーマ(0:32)

 原曲通り、シロフォンの主旋律とソプラノサックスかな?のフレージングが秀逸。リピート繋ぎのブラスもパロム・ポロム登場時のテコテコ感が出てて本当に好き。こういうアレンジが(以下略)

28. ゴルベーザ四天王とのバトル(2:27)

 やはり、クラシック畑の人とは相いれないのかもしれない、僕はそろそろ音楽を突っ込んだ聞き方する事をやめた方が良いのではないか、と思う位に違和感のあるリアレンジ。
 クラシック感がマシマシのグルーヴとバンドサウンドはどちらかが歩み寄らないと決定的に合わない。特にトロンボーン以下ベース系のブラスはフレーズもバッキングも立ち上がりが弱いので序盤にドラムやエレキギターを採用するのであれば、もっとフレージングに注文を付けないとフックト・オン・クラシックの半端なやつみたいな仕上がりになりかねない。いや、これはなってるんだけどさ。
 原曲でもバンドサウンドを取り入れようとした形跡はあるんだけど、バンド側から歩み寄ろうとするならドラムの構成とギターのサウンドをどうにかしないと難しい気もするな。原曲ではティンパニ的な音だった気はするんだ。今回のリアレンジでもティンパニ入ってるんだけど、バスドラム・・・いる?
 あと、やっぱりイントロのトランペットのロングトーンからのダウンフィニッシュは野暮。そしてトランペットもカチッと嵌めていかない所でクラシック的な奏法が顔を出すの、本当に顔が歪む。パウパウ言ってるのよ。パウパウ言って欲しくないのよ
 この辺、結構印象的なバトルで使われているから違和感がより強く感じるんだ、というのは分かっているんだけど、ジャズビッグバンド畑の人間を採用した方が幸せなアレンジになった曲だと思う。怨嗟の声がとめどなく出てきてしまう・・・やはり、僕はクラシック畑の人と(以下略)

29. 飛空艇(0:56)

 ゴルベーザ四天王とのバトルからの高低差が酷くて耳鳴りがしそう。最高

30. トロイア国(1:47)

 高低差が(以下略)
 原曲再現度高い。バイオリンの採用は当然としても、この曲がハマる国にギルバードが流れ着いたのも必然だ、と思わせるリアレンジ。最高。こういうのを求めているんですよ。
 フルートが余計な事を少ししているけど、それ以外は最高。ほんと、装飾音とか飾りですよ。余計なプレーをするファンタジスタが怒られまくっていた逸話をアレンジャーやプロデューサーは重く受け止めた方が良いと思う。あ、サッカーの話です。

楽曲No.31~40

31. サンバ・デ・チョコボ(1:25)

 サンバ畑の人に聞かせて感想を聞いてみたい。
 「日本のサンバ」って感じが凄いんだよな。
 パーカッションのプレーは好きなんだけど、他の成分が悲しい。
 とにかく悲しい。

32. バブイルの塔(1:10)

 高低差に耳鳴りが(以下略)
 全く過不足ない感じのリアレンジ。こういうので良いんだよ。
 グルーヴの重さも含めて最高。バブイルの塔だわ。めっちゃバブイルの塔だわ。

33. 一方その頃(1:23)

 ローザが縛られている姿を想像して(自主規制)した人は手を挙げろ!でお馴染みのBGM。おおよそ再現性高い。しかし・・・最後の方・・・やはり余計な事をしたな・・・?
 サスペンス2時間ドラマちゃうんやぞ。

34. ドワーフの大地(1:05)

 過不足ないリアレンジ。最高。だけど、フレージングが野暮。主旋律のクラリネットがところどころ「てってー」って一音挟まないと音を伸ばせない呪いにでもかかっているんだろうか。「ててー」で良いのに。ダウンで繋げなくても良いのに滑らかさを出すためにダウンで繋げたくなる呪いも顔を覗かせている・・・その呪いは当「野暮ったいフレーズ撲滅委員会」で調伏を承っておりますので、当職員の訪問を座してお待ちください

35. キング・ジォットの城(1:12)

 バックで鳴っているのはローズ?シンセだろうけど原曲の雰囲気再現度が高くて満足の一曲。何も文句がない・・・!

36. 踊る人形カルコブリーナ(1:03)

 なにも文句がない・・・!
 なぜ、こういう仕事を(以下略)

37. ゾットの塔(1:00)

 ゴルベーザのテーマをアレンジした作曲、良いよね。
 SFC版ではアレンジしなかった所までアレンジかませたけど、それはそれで。トータルの文脈としては問題のないところだと思うので、こういう仕事なら大歓迎だったりするんだよなぁ。

38. 幻獣の街(0:55)

 過不足ないリアレンジ。こういうので(以下略)

39. 魔導船(1:10)

 魔導船が出てきた時の高揚感をこれでもかというくらい思い出させてくれる素晴らしいオーケストレーション。最高。
 トランペットの奏法もこういう曲だと本当に活きるよなぁ・・・素晴らしいの2条。

40. もう一つの月(1:16)

 月のフィールド曲。原曲の再現性がバリ高い。アンサンブルのヴォイシングも「これだよ!」感が凄いので、是非聞き比べてみて欲しい。

楽曲No.41~46

41. 月の民(2:15)

 全体的に月の曲はリアレンジの満足度がクッソ高いんだけど、これはなんでなんだ・・・(;´Д`)
 最初の頃の「原曲の音数が少なかったり、最小限の楽器で雰囲気を担保していた曲に関してはリアレンジでの雰囲気の再現度が高いのかしら」という仮説がまたもや強化されてしまった。
 いや、とはいえですよ。バトル曲の満足度が相対的に低い現象はどうしたらいいのだろうか・・・余計なものを付け足す余地があるというか、付け足したくなる欲求が生まれてしまうのだろうか・・・

42. 巨人のダンジョン(2:15)

 ここまでくると、テクノロジー面が顔を出してくる月の地下渓谷のダンジョン曲。SFC版でも素晴らしい曲だったけど、このリアレンジの最高具合たるや。もともとの原曲が良いモノだったからこそなのか、原曲自体にエレクトロ成分があったからなのか余計なバンドサウンドが入る余地がなかったと見るべきなのか
 いよいよだぞ、という感傷がモリモリ掻き立てられる素晴らしい曲に仕上がっていると思います。
 ちなみに、この曲でもトランペットが音の接続に余計な装飾音を入れていますが、何故か気にならない不思議。なんでだろうなぁ・・・

43. 最後の戦い(1:47)

 なんでオーケストレーションをゴリゴリ打ち出してしまったのか・・・コーラスまで大勢引き連れてさ・・・FF4ピクセルリマスターのBGMリアレンジに対して呪詛が湧きたつ要素を煮詰めて大☆放☆出!!って感じのリアレンジ。
 想像上の悪癖としてですが、オーケストレーションに対して過剰なまでの信頼感というのがあるのではないかな、なんて思ったりもするんですよね。確かに、オーケストラホールとかで聴いたら凄い事になると思うんです。おそらく、そういう意図をもって編曲されている。興行面ではそれでいい。けれどもゲーム音楽として、しかもピクセルリマスターと銘打つ事の意義からすると、このオーケストレーションはもっとやり様があったのではないか、という思いはあります。
 地上での曲との明確な対比として月の内部、地球よりも太古から高度な文明を持った敵性体との対峙、という場面においてSFC版の原曲で感じる事の出来たエレクトロ成分を希釈してバンドサウンドとオーケストレーションという組み合わせを選択した事はインタビューなどで意図を感じてみたいところです。
 まだ自分の中で納得のいく理由付けを見出す事が出来ていませんが、自分の父親と兄の宿命を受け継いで、その宿命は月と地球のミックスとしてではなく地球人として全ての因縁を清算するという強い意志の表れ、とすれば少しは納得できるのかな・・・と思ったりもしましたが、モヤモヤが強いですね。
誰かの考えを聞いてみたい・・・うぬぬ。。。

44. エンディング・テーマ1(3:40)
45. エンディング・テーマ2(4:32)
46. デンディング・テーマ3(3:38)

 この3編はまとめて。
 ピクセルリマスター版のエンディング曲はSFC版と同じく各BGMのリアレンジおよび再構成で進行しますが、もうエンディングの段まで来ると文句を言う所はないですね。
 もう、こればっかりはリアレンジとして文句の付け所がない。
 特に、エンディング・テーマ2からのオーケストレーションは名残惜しさを感じながら聞いていると一種の喪失感すら感じる良いモノだったと思います。
 エンディング・テーマ1のエレクトロ成分もエンディングの導入としてとても良き。
 ここまでくると、ラストバトルの煩わしさからの高低差で浮遊感を感じさせてやろう、って事なのか?って想像も働こうというものですが、そんな訳はない・・・ですよねぇ・・・

 あえて言えば、エンディングテーマ1でエレクトロ成分をマシマシでメインテーマのアレンジを入れた意図はなんだったんだろうなぁ、という所くらいで。
 結構、音の使い方とか90年代を意識している様にも思えるんですよね。年代と言えばそれまでかもしれませんが、エンディングにおいて当時の開発スタッフへの敬意を表したとすればそれはそれで素敵だな、とも思います。

さいごに

 長々とお付き合い頂きありがとうございました。
 今回、最初から最後まで聴き比べてみた結果としては「賛否両論ある理由も分かったし、僕もそうなったけど全体的に見れば良い仕事をしている」という評価に落ち着きました。

 最後の戦いの項でも書きましたが、ちょいちょいオーケストレーションに対する過剰な信頼が見え隠れしてしまうのが今作での欠点の一つだったのではないかな、という思いが出ております。
 特に、ここ最近のスクエニが出しているシリーズ再構成やリマスターに対して思い当たる節がある人は少なくないのかな、と思っていますがオーケストレーションと他のジャンルをミックスするという作業をもう少し丁寧にやってもらえたら満足度が限界突破するんじゃないかなという気持ちがあります。

 何回か書きましたが、特にクラシック畑の方々の音の処理がオーケストラとしては正解だったとしても、他の譜面で正解ではないケースというのは少なからずある訳で、その差異をしっかりと認識した上でディレクションなりプロデュースする必要性がある楽曲が一定数あった事で違和感は大きくなってしまった事は否めないのではないかと思います。
 おおよそ、残念だと思った要素を簡略化すればそんな感じになるのですが、ゲームとしてはレベル上げサクサク、かつSFC版と同じく攻略手順をしくじればそれなりにちゃんとピンチが来るやり応えと、可処分時間が相対的に少なくなってきている現状のゲーム環境を想定した良いリバランスでリリースしてくれていると思いましたし、ゲームとしては当時の感動をなんら損ねるものではないと思いますので、記念として購入する事も大いに推奨したいと思っています。

 最終的に賛成よりの結論での締めとなってしましますが、BGMに関しては再構成するか、SFC版と切り替えられるような柔軟なメンテナンスを期待したいな、という事でこの記事は終わりにさせて頂こうかと思います。

 また、他のリマスターなんかもやっていきたいなと思っている懐古厨ではありますが、スクエニの今後のご活躍を祈って。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?