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肌と布団(往復書簡18)

このnoteは短歌ユニット「トリプルパンケーキ」の3人(雨宮真由、斎藤見咲子、坂中真魚)が「短歌と生活」をテーマに文通をするシリーズの18通目です。
今回のテーマは「布団、または毛布」です。

雨宮さんへ

布団が心地よくて出たくない、という気持ちが深まる季節ですね。
寝具はもっとも身近でもっとも小さなシェルターだよなあと思いました。
歌も、二度寝してしまう感じが表記に出ていて面白かったです。
ちなみに私の場合、冬にはかなり層を重ねて寝ているので、毛布は布団の上にも下にも2枚あります…。

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坂中真魚から、見咲子さんへ

新しい生活では、季節が移ろうごとに新しいアイテムを手に入れていくことになるのが、RPGっぽいというか、装備を拡充しているみたいで楽しいですよね。
わたしは今季の買い足しはなさそう。ひとり暮らしを始めるとき、母がくれた電気敷毛布を長年使っています。ここ数日でぐっと寒くなって、それを点けたら、昔のことを思い出しました。

小さい頃から冷え性で、しもやけ・あかぎれをしょっちゅう作っていたんですよね。周りにそんな子はいなかったし、ここは北国でもないのに…と、親は不思議がっていました。当時は毛布だけでは足りなくて、足を集中的にあたためるように湯たんぽを使っていたんです。低温やけどをしないように何重にも包まれたプラスチックの丸い容器に爪先を押し当てて眠るの。朝になるとすっかりぬるくなっているのが不思議でした。

皮膚が弱いせいで、いまでも寝具には気を遣っています。肌に合わないとチクチクかゆくて眠れなくなることがあるんです。バリッと糊を効かせたホテルのシーツはキレイだけど、刺激が強くないか不安になることもある。

気に入っているのは無印良品の「Tシャツみたいな生地」のシーツです。コットン100%、伸縮性があって柔らかい。ただ毛玉はできやすいので、何度か買い替えながらリピートしています。季節問わず心地よく使えるし大好き。なくなったら困る商品のひとつです。

みさこちゃんも肌が弱めと言っていたので、もしかしたら好きかなあと思って。最終的に毛布じゃなくてシーツの話になってしまいました。
では、風邪に気をつけて過ごしてください。


掻きこわす肩からこぼれる絵の具ですシーツにきらきら星を描いて
/坂中真魚


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