愛する人を見ていると「この人がこの世にいるならば、この世はまだ捨てたものではないな」と思う。「この人がこの世にいるならば、もう少し生きてみても良いかもしれない」と思う。

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愛する人を見ていると「この人がこの世にいるならば、もう少し生きてみても良いかもしれない」と思う。 by 最果てにある美術館通信

愛する人の素晴らしいところは、

穢(けが)れていないことだと思う。

邪(よこしま)なところがない。

裏表が全くない。

人に執着しない。

心に濁ったものがない。

よどみがない。

屈折がない。

ひねくれた所がない。

闇がない。

ひたすらに明るい。　　

そして、とても優しい。

けれど、

その優しさはべたべたしたものではなく。

さっぱりとしていて、

軽やかで、後腐れがない。

たとえ優しくしたことにお礼がなくとも、

この人はそれを恨んだり根に持ったりしない。

それは、

この人は下心で

人に優しくしていないから。

深く考えずに、

損得を考えずに、

自然に人に優しくする。

からっとした明るい性格で

相手を包み込み、笑わせる。

この人には、

粘着質なところが全くない。

何にも執着しない。

だから、この人といると、

余計な考えや思いが

削ぎ落とされて消えていく。

とてもシンプルに

物事を考えられるようになる。

考えすぎなくても大丈夫、と

教えられているような気がする。

この人には

邪(よこしま)なところがない。

醜いところがない。

欲深さがない。

だから、

そばにいるととても安心する。

「人の見ていないところで

　何をするか分からない」ような

「あやうさ」がない。

大人になると多くの人が

持つ「きたならしさ」がない。

裏表がなく、素直で、純粋。

けれど