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シスターフッド映画「デブラ・ウィンガーを探して」

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今年7月、女子サッカーW杯でアメリカが優勝したことを覚えていらっしゃいますか?決勝の対戦相手がオランダだったので、私が住むオランダでも大変注目されていました。そのアメリカのキャプテン、ラピーノ(Rapinoe)さんの凱旋スピーチ、カッコ良かったですよね!

私、このスピーチ動画を見た時、ちょっとした既視感を覚えたんです。でもそれが何との既視感なのか思い出せなくて2か月たってしまいました。
でも、やっと最近分かったんです。
それは、私の大好きな映画「デブラ・ウィンガーを探して」を観る時の気持ちと似ているんです。

デブラ・ウィンガーを探して
https://www.amazon.co.jp/dp/B0009H9ZUU/

『デブラ・ウィンガーを探して』(Searching for Debra Winger)は、2002年製作のドキュメンタリー映画。女優のロザンナ・アークエットの初監督作品。実に34人ものハリウッド女優たちが登場し、ロザンナと一対一で、またホームパーティーの場で、女優として、女として、母親としての自身の体験や悩みを語っていく。(Wikipediaより)

17年前に公開された映画なので、公式サイトも既に閉鎖されています。YouTubeに予告編も残されていません。

フランス人女優のロザンナ・アークエットが、自身の人生や仕事のキャリアについて真剣に考えた時、大好きだった女優デボラ・ウィンガーは何故女優を引退したのか知りたくなり、その謎をとく旅に出ます。その際、デボラ以外にもハリウッドを代表する女優たち34人にインタビューをしていくんです。

この女優さんたちの言葉がいいんですよね。。。自身のキャリア、家族(主に子供)とのかかわり方など、芸能人でも普通のワーキングママと変わらない悩みを持っていることが分かります。
そして悩みを語るだけではなく、後に続く後輩たちや観客の女性たちと連帯していきたいという気持ちを表現してくれているんです。ライバルじゃない、ともに頑張れる仲間なんだと。

私も日本に居た時はこの映画のDVDを持っていて、家事の際のBGM代わりに流したりもしていました。観るたびにエンパワメントされるんですよね。

DVDを日本に置いてきてしまって手元に無いのでうろ覚えですが、私の好きなシーンBest 3をご紹介したいと思います(順不同)。

1.ロビン・ライトが語る逃したオーディションの話
当時ショーン・ペンと婚姻関係にあり、二児をもうけた女優さんです(フォレストガンプのヒロインが有名)。彼女は、「家族を持ったことは全く後悔していない。でも、公私のバランスをとるために受けられなかった仕事がある。悔しいとか、悲しいとかではないけど、ついその仕事のことを考えてしまう」と語っていました(うろ覚えですけど、大意)。

自分があの仕事をしていたらどうなっているかとか考えますよね。特に、その映画がヒットしたりしたら尚更。家族のために犠牲になったとは思わないでしょうけど、また別の選択もあったのではないかと思いをはせてしまう気持ちに共感しました。

2.シャロン・ストーンが語るシスターフッド
シャロン姐さんは、「氷の微笑」で一世を風靡したので、悪女のイメージが強いですよね。ライバルは蹴落とす、みたいな(笑)
けれど、「仕事をする上での一番の励みは、他の女優の活躍」だと語っています。「あなたも頑張ってるね、わたしもやるよ!」と、飾らない表情で語っているのが印象的でした。
これはシャロン姐さんだけではなく、サルマ・ハエックとか他の女優も似たようなことを語っていた気がします。監督のロザンナ・アークエットも、周囲が妹で女優のパトリシアとライバル関係に仕立てようとすることにうんざりしていると語っています。
そう、周囲が面白がっているだけで、当の女性たちはお互いにインスパイアしあう大事な存在なんですよ。そんな友愛を感じさせるシャロン姐さんのインタビュー、また観たいです。

3.大女優ジェーン・フォンダが語るクリエイティビティ
多分、この映画の出演者の中で一番の大御所であるジェーン・フォンダ。彼女の語る、いわゆる「ゾーンに入った状態」の話はとても素晴らしかったです。とても集中力の必要な場面の撮影で、リハーサルから本番まで気持ちを保たなくてはいけない難しさ、「ギャラに見合った仕事を見せろよ」という現場スタッフからのプレッシャーなどの条件下で、どのように創造的になるかを語っています。周囲が見えなくなるほどの状態で役に入り、「ゾーン状態」になったのは、彼女の長いキャリアでも10回に満たないそうです。
自分で納得できる仕事をできた時の嬉しい気持ちは、一般人も女優さんも同じですね。あー、また見たい!

この映画に出ている女優さんたちは、勝手に飲み友達のような親近感を覚えます。17年前の公開なので、その後にスキャンダルなどで表舞台から消えたように見える方もいます。でも、時がたってまた彼女たちがまた自分のクリエイティビティを発揮できる場に戻ってきたら、私はぜひ拍手を送りたいと思います。

そうそう、この映画で「ハリウッドは、若者向けの映画ばかり。大人が共感できる映画を作りたい」と語っていたフランシス・マクドーマンド(「ファーゴ」が有名)が、翌年公開の「恋愛適齢期」(ダイアン・キートンとジャック・ニコルソン主演の大人の恋愛映画)に出演しているのを観た時は、ハイタッチしたくなりましたね。「やったね!おめでとう!私も自分のやりたい仕事やれるように頑張るよ!」みたいな。

あー、また「デブラ・ウィンガーを探して」観たくなったなー。オランダのNetflixには無いようなので、DVDでも探そうと思います。

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