見出し画像

「男子校」「女子校」が存在しないオランダ

※この記事は無料で全文読めますが、巻末の参照ページ照会のみ有料となります。参照ページにご興味なければ、全文無料です。

実は私は、女子校出身です。個人的な興味から、オランダも「男子校」「女子校」があるのか調べてみました。
何となくそうじゃないかと思っていましたが、やはりオランダには「男子校」「女子校」という性別で区切った学校は存在しないそうです。

1968年に教育改革を行うための「マンモス法」(参照ページ1)が制定され、そこから段階的に共学校に移行していきました。最後の女子校が、周辺校との合併で共学校に変わったのが、1996年(参照ページ2)。
現在では、アムステルダムにあるユダヤ教の学校だけが、今でも校内で性別クラス分けしているのだそう(参照ページ3)。

そうやってほぼ完全共学教育に移行したオランダですが、2011年にとある波紋が生じます。オランダにおける「キリスト教教育委員会」の会長が、「男女別教育の復活」を新聞で提唱したのです。
会長の説では、男女の得意分野が異なるので、別々に学習したほうが良いという主張でした。

「女の子は通常、言語が上手です。男の子が女の子と自分自身の成績を比較している場合、非常に落胆する可能性があります。」空間認識能力は多くの場合、女子よりも男子の方が速く発達するため、数学には逆のことが当てはまります。「数学のレッスンでは、男の子のリードを活用できます。」
(参照ページ4より拙訳の上抜粋)

ただし、2012年に「性別の違いは個人の違いに二次的なものである」(つまり、個人の成績と性別は無関係)という研究結果が発表され、この議論には一応の終止符が打たれています。

かつて私が住んでいたイギリスには、男子校も女子校も健在でした。むしろ、そのほうが学校のイメージが良かったりします。

けれど私は、女子校を必要としないオランダを好意的に見ています。歴史的に見て、女子校が誕生したのは、男子と同じ教育が受けられなかったことが元凶ですからね。
そして女子校じゃなくても、しっかり女子のセルフエスティーム(自己肯定感とでもいいますか)が育まれ、しっかり教育を施す世の中なのだと解釈しています。悲しいかな日本では、女子校のほうが女生徒はのびのびと学生時代を満喫できることも多いですからね。

ちなみにオランダ統計局の調査によると、中等教育(日本における中高一貫教育のようなもの)における女子の理系比率は、10年前に比べて上昇してきているそうです(参照ページ5)。
日本でも、「女子=文系」の枠にはめることなく、興味のある分野の専攻を推奨していってほしいですね。

※この下には本文はありませんが、本文中で参照したページ5点を閲覧するのには料金が必要になります。

ここから先は

645字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?