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【No.31】採用工学のススメ ~「仕事選びの軸」など何だって良い~

No.31

━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━

         「仕事選びの軸」など何だって良い

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 みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。

 今週は、GWですね。長期休暇で海外旅行に行っている方もいれば、休みだろうとおかまい無しに出社している人も少なく無さそうですね。GW期間中はどこも混むので、個人的にはできるかぎりホームパーティや自宅周辺で過ごすというのが毎年の恒例行事なのですが、それでも人が溢れるので海外に飛び出したいという気もちも分からなくないんですよね。

 海外に住んでみたり、出張・旅行に行ってみることが勧められる最大の理由は、日本に住んでいるとわからないことに気付くチャンスであるからです。日本にいるだけでは、あまり目にすることのない変化に溢れています。たとえば、経済発展の目覚ましい東南アジアであれば、たった2〜3年の間に、ガタガタだった道がでピシっとアスファルト舗装されていたり、街中に巨大なビルが立ち並ぶような変身を遂げることも珍しくありません。

 ガラパゴス化された日本にいると、たまに世界の変化から取り残される感覚に陥りますし、実際それは感覚の問題ではなく、厳然たる事実でもあるでしょう。日本はインフラやサービスまで、あまりに発達してしまっているため、そこからの変化に疎くなってしまっているとも言えますね。

 構造をドラスティックに変えるような、けれども利便性を追求したような新しい仕組みやシステムを取り入れることに対しては極めて腰が重い国であり、これからの時代においてそれは致命傷になります。というのも、過去の旧態依然としたシステムを基準に改修や改善を考えていると、結果的には時代にマッチした最新のテクノロジーを一括導入した後進国に、利便性の面で追い抜かれてしまう可能性があるからです。

 個人的に海外と日本の大きな違いの一つに、日本の過剰な現金至上主義が挙げられると思っています。日本人ほど、現金への執着がすごい国民もいないんじゃないかと感じるほどです。電子マネーや仮想通貨など現代のテクノロジーによって決済手段は便利になっているにもかかわらず、あれほどまでに不衛生で、偽札のリスクもある上にかさばる現金決済が減らないのはもはや病的な文化ですよね。例えば、近隣の中国では急速にキャッシュレス社会へ近づいているようです。

 ある調査によると、中国ではコンビニにおける支払いについて、アリペイやWeChat PAYなどの電子決済手段がどんどん増えており、現金は11%のみにまでなってきているとのことです。他にもケンタッキーなどファーストフード店でのスマホ注文、露天商や屋台における支払いもWeChat PAYが使えたりします。また以前にも少し話題になった、電子マネーでお賽銭をあげることもできたり、ご祝儀をQRコード読み取りで支払うなんてこともあるようです。

 さらに、なんと物乞いも首から専用のQRコードを引っ掛けてお金をせがむ場合まであるようです。もはや電子マネーが無ければ、生活できないレベルにまで達しており、決済の利便性については日本はぶっちぎりで追い抜かれていますよね。

 これからのことを考えてもグローバル化の流れは加速することはあっても後戻りすることはないでしょうし、人口減少が見込まれる日本においては移民の問題や観光立国に向けて海外旅行客の誘致など、国境を超えた人材の取り合いは進む一方です。そう考えると、現金にこだわる日本の不便な決済手段は、その足を引っ張ることになるでしょう。

 私の外国人の友人も、日本にきて一番驚いたことは、切符がクレジットカードで買えないことだって言っていましたし、場所にとらわれずに人材が流動的に移動する時代においては、できる限りシームレスにストレスなく決済ができる環境をつくることも、国単位としては一つ重要な要素なのではないかと、中国を見ていて感じました。

■凄い勢いで進む中国のキャッシュレス社会、既に想像の遥か上に到達

http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65890870.html

 さて、それでは今週の内容です。

【今週の目次】

1.「仕事選びの軸」など何だって良い

2.今週のトピックステーマ

3.気になるアイテム

4.お悩み人生相談 Q&A

5.読者感想コーナー

6.終わりに

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1.「仕事選びの軸」など何だって良い

 さて、来月1日に迫った選考解禁に向けて、就職活動にいそしむ学生が日に日に増えていますね。街を見渡すとリクルートスーツに丁寧に身を包んだ、区別のつかない同じような若者ばかりがいます。AKB48とかを見ているときと同じような印象ですね。

 そして、就職活動が佳境ということは、私の元にも就職活動生からの相談が途切れなく舞い込んでくる季節でもあるということです。そういうやりとりをしていると、同じような質問・相談を受けることも多いんですよね。今回は、良く聞かれる質問の中から、仕事選びの軸について考察をしていきたいと思います。

 このテーマをピックアップしたことからもわかるように、「仕事選びの軸ってなんですか?」という質問は、ある種普遍的で、あらゆる面接やOB訪問、就活相談において学生から社会人へ、はたまたその逆も然りですが、投げかけられている頻出の疑問な訳ですね。この仕事選びの軸は、価値観や判断基準という言葉に置き換えてもらっても構いませんが、ここ最近のマーケットでは、軸というワードが使われることが多いので、このメルマガでもそのまま使用していきたいと思います。

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