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中退に悩んだ過去の話と、10年後に高校を卒業した今の私

◾️10年越しの卒業証書

先日無事、10年越しに高校を卒業することができました。中学時代終盤に人間不信となる出来事が続き、卒業後高校へと進学したものの簡単に人間不信はとけるわけもなく。

「学校くらいはちゃんと行きなさい」
「高校くらいちゃんと卒業しなさい」
「学校に行きたくても行けない家庭もあるんだぞ」

学校に行かないととは思っている。でも行けない。
だからといって、家にもどこにも居場所がない。
相談できる友人も誰もいない。話せるのは家族だけ。
やっと見つけた自分の居場所(ライブハウス)も、唯一の家族には危ない場所だと反対される。

唯一自分が自分らしくいられた場所(ライブハウス)を否定され、行くことを禁止され、「学校くらいちゃんと行きなさい。」
そんな日々に当時の私の頭の中はぐちゃぐちゃで。

大切な居場所(ライブハウス)も否定されるのなら高校も辞めたい。なにもかも嫌だ。学校も行けない。でも学校は行かないとならない。
居場所も否定され、一番身近な存在にも理解されない。高校2年、本気で自殺を考えました。

高校3年生に進学するタイミングで高校を中退しました。なんとかなんとか、「高校を辞めたい」と何度も号泣しながら、親と揉めながら、逃げ出しながら、せめて通信の高校に転校して高卒取りなさいと転校手続きをしたにも関わらず、それでも通信高校も行けず中退しました。

中退のイメージは良くないのは分かっています。

でもきっとあのまま
「学校くらいはちゃんと行かなきゃ」
「学校行くのはあたりまえだ」
「高卒くらいあってあたりまえだ」

きっと押しつぶされたまま高校に行き続けていたら、あの居場所のない自分に押しつぶされていたら。きっと自分で命を絶っていたのかもしれません。いまのこの幸せな日々とも、今日のこの大好きな娘の修了式さえも存在しえなかったかもしれません。

その後、中退したことで馬鹿にされたことも困ったことも一つもありませんでした。
この十勝という地域で、優しくあたたかい皆さんと出会いお仕事をさせていただく中で誰もがちゃんと“私”という人を見てくれたからだと思っています。皆さんとの出会いには本当に感謝しきれません。

そんな中でもここ数年改めて「高校に通い直そう」と思う機会はあったものの、その都度
「あの時ちゃんと行ってたら大変な思いしなくて済んだのに」「もうちょっとだったのにもったいない」「いまから行ってかわいそう、大変そう」

なんていう言葉もあり。理解してくれてると思っていても言われるんだなと思ったり。
でもきっとこれも、中退して再入学を考える際に誰もが言われてしまう聞き流さないとならない言葉たちなのだとも思いました。

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それでもこうして10年経った今、【高校を卒業する】と決めたのには2つ理由がありました。

一つ目は、単純に勉強がしたくなりました。
社会に触れていく中で知らない世界ばかりで、知らないことを知ることがとても楽しく学ぶ時間が恋しくなりました。その中でも、福祉業界に関わらせていただいたご縁からより自身の関わりたい未来が見え、福祉の資格や学びを深めたいと感じたことがきっかけでした。

二つ目は、当時の私と同じように、今、同じ気持ちの子がもしいるのであれば「大丈夫」と背中を押せられるような存在になりたいと思いました。

大きくこの2つの理由があった中で今後の仕事や子育てのことを考えた際に、卒業するなら今が一番いいかもと思いこのタイミングで再入学を決意しました。
卒業までのこの一年は、本当に夫や職場の方の多大な協力があってこそだったと感じています。

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この文章がたった一人であっても助けになるのであればと思い、今回書き残しました。

きっと私と同じで行けない。でも行かないといけないのも分かってる。でも行けない。

まわりには上手く説明できなくて理解してもらえなくて、その上自分の中でも自分がどうしたいのかなんで嫌なのか本当の自分の気持ちも上手く表現できなくて頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうと思うんですよ。私が本当にそうだったから。

認めてあげられるのも、信じてあげられるのも、結局は自分しかいなかった。

だから、今行けなくて、でも親にも先生にも友達にも上手く伝えられなくて反対されてる子、まだいるよね。苦しいよね。つらいよね。
でも、大丈夫。10年後に学校を行き直した私がいます。何にだってあなたより大切で最優先であるものなんて何もなくて。あなたらしく、行き直したい時にもいつだって通い直せる制度があります。
自分のタイミングで、必要だと思えた時で大丈夫。子どもがいても仕事があっても、10年後に学校を卒業できた私もいます。


それにはやっぱり周りの大人の理解は必要不可欠です。中学は義務教育でも、高校は個人の気持ちを最優先に見守ってあげてほしいのです。
高卒は命より大切なものなのではないはずです。

みんながみんな学校生活を楽しく過ごせていると限らないこと、一人ひとり違うよねと。それぞれの価値観を押し付けないであげてほしいです。


26歳となり卒業証書を受け取った今。

過去の私への感謝と、今と向き合う子達に「大丈夫」と伝え続けられるような私らしい生き方をしたいと一気に気持ちが溢れだしました。

これからも皆さんのような素敵な大人に近づけるよう、一層励んでいきたいと思います😊

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