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2015年7月の記事一覧
第2話『野球とコネと単細胞』
それからの日々は、アイサン漬けだった。
朝から晩まで、起きている全ての時間、とにかくアイサンを使いまくった。
3日目くらいになると、流石に目が疲れてきて、少し使わなかった時間もあるし、1日くらい休もうかと思ったこともある。
しかし、コネを使ったやりとりを1日休むと、一気にみんなとの会話が噛み合わなくなる恐れがあった。
それほどまでに、コネでの会話のウェイトは重い。
特に、テステロの話題は
閑話休題『とある中学の裏サイト』
723:2年3組のテステロ、あれってどうなった?
724:なんか、失敗したらしい
725:なんで?
726:一人、参加しなかった奴がいるんだって
727:なにそれ。ありえなくない?
728:なんでなんで?
729:それ誰よ?
730:さあ?
731:そこまでは知らない
732:関係者とかいないの?
733:2-3の奴なら知ってるんだろうけど
734:誰かー、2年3組の人いませんかー??
735:い
第5話『We can't read our hearts』
人の心は見えない。
ある時から、アタシはそう考えている。
自分が親友だと思っていても、たやすく裏切られる。自分が何も思っていなくても、大事に思われていることもある。
だから、友情なんてまやかしだ。
でも、それでも人は生きていかなければならない。
誰かと関わり合いながら……。
アタシは芽依。
堀北芽依。
中学2年生の、どこにでもいる……ちょっとワケアリな女の子。
「練習終了! お疲れさん! 片付けた
第6話『The first step』
「おはよ、有紗。今日はもう行くの?」
「あ、お、おはよう。芽依……」
次の日の朝、アタシは、いつもより少し早く有紗との待ち合わせ場所にやって来た。
いつもアタシは有紗を待たせてしまう。でも今日は、昨日、一緒に帰れなかった分、アタシが待っていようと思ったのだ。
しかし、なぜか、有紗はもう待ち合わせ場所から少し離れたところまで歩いていた。
「もしかして、昨日言ってた用事って、朝もあるの?」
有紗は昨日