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【保存版】SNS運用の教科書丨大事なポイントをまとめて解説

更新日:2022年2月8日

今回は、SNSマーケティングの基本やアカウント戦略、コミュニケーション方針、効果測定の考え方やポイントなどを幅広くご紹介します。

すでにSNS運用を担当している方も、基本を見直したり運用を振り返ったりすることのできる内容です。目次から興味のある項目をお読みいただくのもおすすめですので、ぜひお役立てください。

SNSマーケティングの強みとは?

SNSマーケティングは「買ってもらうまで」と「買ってもらってから」の両方に強みがあります。以下の図は、サービス・商品の「認知」から「購入」、「推奨」までの流れを表したマーケティングファネルです。

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そして、マーケティングファネルに各施策を当てはめたのが以下の図です。

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SNSマーケティングは、マーケティングファネルの「認知」から「興味」までの部分と、「好意・熱狂」「推奨」部分に効果を発揮します。

2020年6月にトライバルが実施した「“売りにつながる”ソーシャルメディアとインフルエンサーの実態調査」では、マーケティングファネルにおける各プラットフォームの影響力が明らかになりました。

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※表の下半分に記載された実数は回答数=サンプル数を表しています。「InstagramやTwitter、YouTubeは興味・理解・購入のどこに影響力があるのか? 実態調査を解説」でも詳しくご紹介しています。

Instagramはファネルのどの項目も傑出しており、「認知」「興味」はテレビCM、「理解」はYouTube、「利用・購入意向」から「推奨」まではTwitterが2番目に高い結果となりました。

生活者の購買行動において、SNSが強い影響力を持つことをお分かりいただけたのではないでしょうか(ブランドや商品・サービスによって、必ずしもSNSマーケティングが効果的ではない場合もあります)。

SNS運用の役割は未来の売上づくり

SNSマーケティングのなかでもSNS運用は、アカウントを立ち上げればすぐに生活者と直接コミュニケーションでき、取り組みやすい施策です。

日々投稿することで、少しずつフォロワーとエンゲージメント(いいねやコメントなど、ユーザーからのリアクション)を増やしていくことができますが、(広告を運用しない限り)短期的な効果は期待できません。以下の図は、SNS運用や他のコミュニケーション施策を役割ごとに区分したものです。

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SNS運用の特徴は「関係性を深め、未来の売上につなげること」で、中長期的な運用によって成果を少しずつ積み重ねることができます。そのためには、明確な目的(運用によって達成したいこと、ゴール)を設定し、PDCAを繰り返すことが不可欠。

成果を実感できるまでに時間はかかりますが、フォロワーとのコミュニケーションを継続することで、アカウントは企業やブランドの“資産”になり効果も持続します。

アカウントの戦略を考える

ここからはSNS運用を始める際に考えたいアカウントの戦略について、以下の流れでご説明します。

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まずは、アカウントのターゲットと目的を決めましょう。競合企業やブランドを鑑みたうえで自社を俯瞰し、いまの課題を解決するために、誰に向けて(SNS運用をして)どうなって欲しいかを考えるのがポイントです。

ターゲットの切り口は
・競合がシェアを占めている層
・自社の商品・サービスの認知度が低い層(若年層など)
・すでに自社の商品・サービスのユーザーである層(既存ファン)

などが考えられます。年齢層や性別といったデモグラフィック属性だけではなく、どういった興味や関心を持っている人たちなのかなども考慮しておくと、コミュニケーションの内容も決めやすくなります。

アカウントの目的では、SNS運用によって達成したいことやゴールを掲げましょう。以下が例として挙げられます。

・好意度の向上
ブランドや商品、サービスを好意的に感じる人を増やす

・購入意向の向上
機会が訪れたら商品やサービスを購入したいと感じる人を増やす

・想起率の向上
「◯◯といえば△△」と、自社の商品やサービスを想起する人を増やす

また、目的の達成をどんな指標で、どのように測るのかをあらかじめ決めておくことで、SNS運用自体の効果を測ることができます。トライバルは定期的に(1年や半年などの期間で)アンケート調査の実施を推奨しています。

※目的に沿った指標・数値目標の決め方が、社内のSNS運用予算にも大きく影響します。多くのお客さまからご相談いただいているため、お困りの方はこちらからお問い合わせください。

目的とターゲットが決まったら、どこで(プラットフォーム)、どんな内容でコミュニケーションするのかを決めましょう。

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TwitterとInstagramを利用するユーザーは比較的若年層が多く、Facebookユーザーは年齢層が高いように、プラットフォームごとに違いがあります。また、Twitterは比較的フランクなコミュニケーションが好まれる一方で、Instagramは世界観のあるビジュアルや「お役立ち情報」がリアクションされやすいこともあり、それぞれの特徴や利用できる機能が異なります。ターゲットにあったSNSを選びましょう

また、ターゲットに対してどんなコンテンツを発信するのか、コミュニケーションの方針(コンテンツのコンセプトやカテゴリーなど)を決めておきます。BtoCブランドのカテゴリーには「商品の紹介」や「開発の裏側」などが挙げられます。コンテンツ内容については、次の見出しで詳しくご説明します。

SNS運用におけるコンテンツの考え方

アカウントの戦略について考えたら、次に具体的なコンテンツを決めましょう。コンテンツ内容を考えるには、まずSNSユーザーがどのようにコンテンツに触れているのかを知る必要があります。

・受動的接触:特に明確な目的を持たずにSNSを開き、タイムラインを眺めているときにたまたま表示されたコンテンツを見る・リアクションすること

・能動的接触:明確な目的を持ってSNSを開き、検索してコンテンツを見る・リアクションすること

Instagramは能動的接触(検索行動など)もみられますが、一般的にSNS全体では受動的接触であることがほとんどです。

タイムラインには多くの情報が流れており、ユーザーは指先で次々にコンテンツをスクロールしているため、コンテンツづくりで重要なのは「指を止めてもらえるかどうか」です。そのためには、以下の例のように「琴線に触れるスイッチ」をコンテンツに含めることのがポイントです。

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また、コンテンツを作成するときは以下の基本もおさえておきましょう。

・目を引く画像や動画を積極的に活用する
・読み進めたくなる見出しをつける
・分かりやすい投稿文を書く(難しい言い回しや言葉を使わない)
・リーチ獲得を意識したハッシュタグを選ぶ(主にInstagram。Twitterは内容に応じて活用を検討する)

まずは、受動的接触ユーザーに「指を止めてもらえるかどうか」と「リアクション(いいねやRTなど)をしたいと思ってもらえるか」の2点を意識してみてください。

運用体制やオペレーションを決める

アカウントの戦略やコミュニケーションの方針を決めたあとは、以下のような流れでSNS運用の体制やオペレーションを決めましょう。

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①ガイドラインの制作
アカウントの戦略をはじめ、以下のような内容をガイドラインにまとめておくと、運用の属人化を防ぐことができるだけでなく引き継ぎの際に役立ちます。

・アカウントの戦略(ターゲットや目的、評価指標など)
・コミュニケーションの方針(コンテンツのコンセプトやカテゴリー、ハッシュタグ)
・アカウントの人物像(擬人化などキャラクター設定の有無、ユーザーに与える印象など)
・コンテンツのトーン&マナー(コンテンツの世界観や投稿文の表現、一人称や言葉遣いなど)
・投稿スケジュール(曜日、時間など)

また、緊急時の対応方法・フローも載せておきましょう。
・コンテンツ内容に誤りがあった、誤投稿したとき
・コンテンツに不適切な内容がコメントされたとき
・SNS運用に起因する・起因しない自社の炎上が発生したとき
・自然災害が発生したとき など

炎上してしまった場合は、SNS運用に関わる部署だけで対応を完結できないことがあります。広報部門や事業責任者による対応が必要になる可能性もあるため、あらかじめ報告・連絡・相談ができる体制や対応方針を決めておくことをおすすめします。

②編集会議の実施
編集会議では、発信するコンテンツ企画とスケジュールを決めます。数カ月先のコンテンツについて考える場合は、ユーザーの関心事をおさえるためにも、Twitter社が公開する「マーケティングカレンダー」などを参照します。

限られた人数でSNS運用を行うと、企画に悩んだりネタが枯渇したりすることがあるため、できるだけ広い部署や役割の人からアイデアを収集する体制もご検討ください(社内にアカウントを共有し、協力を仰ぐなど)。

③コンテンツ制作
以下の素材を準備して、編集会議で企画したコンテンツを制作します。

・画像(写真、イラスト、GIFなど)もしくは動画
・投稿文のテキスト
・参照先のURL(必要な場合)
・ハッシュタグ など

画像や動画は、SNS運用以外の施策で使用した素材を流用することも考えられますが、オウンドメディアやプロモーションで使用したコンテンツは、自社が主語となった広告色の強い内容である可能性もあります。

ユーザーはコンテンツを能動的に見ていない(受動的に、たまたま見ている)場合がほとんどであるため、ユーザーの指を止めるような、好まれる内容になっているかどうかを確認することが重要です。可能であれば、SNS運用のための素材を用意することをおすすめします。

④コンテンツの投稿
コンテンツを投稿する際の注意点は以下のとおりです。

・投稿体制やルールを作る
ダブルチェックの体制やチェックリストで作成誤字・脱字などのミスを防ぎましょう。一人で運用せず、コンテンツの作成者以外が確認することを推奨しています。

・予約投稿機能を活用する
平日だけでなく土日や夜間に投稿する場合は、予約投稿機能を活用することで、投稿のし忘れなどを防ぐことができます。

・SNS専用の端末を使用する
企業アカウントで投稿しようとした内容を、誤って個人のアカウントで投稿しないために(逆も然り)、できるだけ専用のスマートフォン端末を用意しましょう。PCから対応する場合は、シークレットモードの利用がおすすめです。

よくある質問)運用を外注するべき?
SNS運用は決めなければいけないことや、やらなければいけないことが非常に多いうえに、プラットフォームの仕様や機能も日々変化します。自社にSNS運用のノウハウが無く、予算が確保できる場合は、外部パートナーの協力を仰ぐこともご検討ください。

外部パートナーにトレンドやプラットフォームに関する知識、他社事例など、ターゲットとより良いコミュニケーションをするためのアイデアやヒントをもらいましょう。コンテンツの制作や作業など単調な作業になりがちな部分を外注し、しっかりと次の打ち手を“考える”時間を確保することが大切です。

企業やブランドの成果につながるコミュニケーションを行うためにも、運用をすべて外部に委託するのではなく、必ず内容を監修するようにしましょう。

SNS運用の効果測定をしよう

SNS運用は、定期的に効果測定をすることが大切です。あらかじめ定めた目的に沿って効果が出ているのかを確認し、改善を繰り返しましょう。効果測定には、2つの注意点があります。

1)目的(KGI)と中間指標(KPI)を分けて測定する
SNS運用において主要な効果測定指標となるエンゲージメント(いいねやコメント、RTなど)は、目的(KGI)を達成するための中間指標(KPI)です。KPI測定だけでなく、アンケート調査などで定期的にKGI測定を行いましょう。

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※「マーケティング効果測定に悩んだら読むnote」より引用。マーケティング効果測定のお悩みに対する考え方をご紹介しています。

2)測定結果を改善につなげる
効果測定の目的は改善することなので、測定すること自体が目的にならないように注意しましょう。効果測定をした後に、得られた示唆から何を改善すべきか(ネクストアクションは何か)を導き出すことがポイントです。

また、効果測定をおこなう際、アカウントや投稿コンテンツの評価をするためには「比較する基準」が必要です。例えば、3C分析が比較基準として活用できます。

・自社:前月比や前年比など、過去のコンテンツと比較する
・競合:競合のアカウントやコンテンツと比較する
・市場:SNSで話題のコンテンツと比較する

測定結果をもとに振り返りをする際は、結果の要因を考察して、以下のような切り口でネクストアクションを考えましょう。

・良かった点を他コンテンツでも活用する
・悪かった点を改善する
・市場の動向や競合をチェックし、話題になった投稿やトレンド、新機能などを活用する

大切なのは、担当者がSNSを楽しむこと

SNSマーケティングの強みからアカウントの戦略、コミュニケーションの方針、効果測定まで幅広くご紹介しました。

SNSを運用するうえでもっとも大切なことは、担当者自身がSNSを積極的に活用し、楽しむことです。ユーザーが何を好み、どんな機能を使い、どのようにコミュニケーションしているのかを利用しながら実感することで、新しいアイデアや課題解決につながるヒントが見つかります。

SNSはいまも目まぐるしく変化し、新しいトレンドが生まれては消えていて、最新情報を把握するだけでも負荷は大きいと思います。もしSNS運用に関してお力になれることがあれば、以下より気軽にお問い合わせください。

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