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ピンクは嫌い。女の子みたいだから。

ピンクは嫌い。
女の子みたいだから。
 
重い荷物を持たれるのが嫌い。
女だから弱いと決めつけられている気がするから。


「多様性を認めろ」
こんなことを、普段から思っている。
肩書で判断しないで欲しい。人それぞれに好きなものはあるし、やりたいことだってあるし、そこに性別なんて関係ない。
 
女の子なのに、とか言われるだけで、正直イラッとする。
芸能人の結婚とか、引退とか、そんなニュースが話題になってSNSで騒がれるたび、うるさいなと思う。一人ひとりの選択を否定する権利は他人にはないのに、と。
 
私は女の子らしいと言われるのが嫌で、ピンク色は身につけない。
髪の毛もショートにしているし、スカートも履かない。
男の子がスカートを履いていても、何も言わない。
この行動は、多様性を認めている私だからできることだと思っていた。


プライベートな話になるのだが、つい最近、会社を辞めることにした。
どうしても叶えたい夢があり、挑戦するために一旦フリーターになる選択をした。
 
相当悩んで、迷ったのだが、その悩みのほとんどは「世間体」に関すること。
 
大学を出て会社に入ったのに辞めるの?もったいない。
フリーターなんて仕事できない人がなるんでしょ。
会社員として頑張っている周囲の人たちに比べて、恥ずかしくないの?
 
そんなことを言われる気がして怖かったのだ。
 
でも、ネットで同じような境遇に人を必死に探して、仲間を見つけて心を落ち着かせた。「多様性の時代」だから、こんな人もいるよね、文句を言ってくる人の方が悪いんだ!と思うことで、なんとかフリーターになる決断をした。


ここまで読んで、お気づきだろうか。
 
私は大学に出たら会社員として働くのが当たり前だと思っていたし、フリーターは仕事ができなくて仕方なくやっている人ばかりだと思っていたし、恥ずかしいものだと思っていた。フリーターより会社員が偉いと決めつけていた。だからフリーターになるのを躊躇った。
でも、いざ自分がその立場になってみると、多様性だか何だか知らないけど、流行っている言葉を振りかざして、自分を正当化しようとした。
 
女の子はピンクが好きで、スカートを履くもので、男の子はそうでないと決めつけていた。だから、女の子っぽくなりたくないと、ピンクを嫌った。


男女差別をして、学歴フィルターをかけて、肩書で人を判断しているのは私だった。
一番多様性を認められていないのは、私自身かもしれない。


これから、もっと外の世界に出てみようと思う。
 
多様性を認めろと人に言うのではなくて、自分とは違う生き方をする人と出会い、話し、その生き方を認めるでも否定するでもなく、へぇ、って思って、自分は自分の人生を生きる、ただそれだけだ。
 
私は多様性を認めているんだって思わないことが、本当に多様性を認めているのかもしれない。むしろ、この世から多様性という言葉が消えることで、本当に多様性を認める社会になったと言えるのかもしれない。
 
夢を叶えるためにあえてフリーターになることもあるのだな、と自分の身をもって体感することで、運良く気付くことができた。

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