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統合失調症ってなに?もし自分や身近な人が統合失調症になってしまったら・・・ 精神科の疾患を考える 【メンタルヘルスノート #7】



本日は、精神の疾患について考えてみたいと思います。
皆さんは精神の疾患についてどんなイメージをお持ちでしょう?
精神疾患というと、おそらく多くの方がうつ病を思い浮かべるのでないでしょうか。他の疾患については、病名は耳にはしたことがあるけれど、正直、詳しくはよくわからないという方が多いのでないでしょうか。

精神疾患がある人が、身近にいたら?

精神の疾患は、血液検査やレントゲンといった、いわゆる検査によって、可視化された画像や数値で判断できるものではありません。
患者さんからの話し(情報)が判断材料であり、診断のメインになるといっても過言ではないと思います。
だからこそ、自分や身近な人が精神疾患になった時には、まずは状態を適格に伝えること、ある程度の疾患の知識を持っていること、そして、上手に医療につながることが重要になります。

統合失調症とは?治るもの?

それでは、今回は統合失調症をとりあげてみましょう。

統合失調症は、少し前には『精神分裂病』と呼ばれていた疾患です。『精神分裂病』というと、不治の病気のように思っていらっしゃる方も多いと思いますが、今では薬が飛躍的に開発され、精神科の疾患の中でも、薬でコントロールしやすい病ともいわれています。

特に、この疾患は8割以上の人が、普通に生活が出来る寛解状態(精神疾患では完治とは言いません)となり、再発も抑えることができます。また、病状が悪化、再発する人のほとんどが、薬を途中でやめてしまうことが原因です。裏をかえせば、それだけ薬が効く疾患なので、良くなったからと自己判断で薬を中断してしまうケースも多いということです。


発症しやすい年代と、症状の特徴


統合失調症の多くは、若年層(15歳~35歳くらい)で発症します。
考えてみれば、このころは人生の中で最も空想や想像力の豊かな時代ですよね。
他者には見えないようなものが見えたり、聞こえたり、「夢かうつつか幻か」という感覚は決してびっくりするようなことではないかもしれません。
しかし、そんな心豊かであるはずの時代に、何らかの要因が重なり、脳の興奮を抑えられず、神経伝達物質の異常によって、幻聴・幻覚・妄想を引き起こす疾患へと移ってしまうことは想像しやすいことではないでしょうか。
また、統合失調症は、遺伝的要素や発達段階の異常が要因ともいわれていて、まだまだ全容解明には至っていません。

陽性反応・陰性反応

そしてもう一つこの疾患のやっかいなところは、陽性反応陰性反応という 二つの状態があることです。

陽性反応とは、幻聴・幻覚・妄想といった、他者が聞こえない声や音が聞こえたり、見えたりすることです。この陽性反応は人によって様々です。
例えば、「人ではないものが隣にいて、自分に話しかけてくる。」「秘密結社に行動を監視されている。」「誰かが自分の悪口を言っている」という妄想のような陽性反応もあれば、「自分が自分ではない感覚透明の袋の中にいるような感じ」という離人感という感覚がある人もいます。

もう一つが、陰性反応で、これは幻聴・幻覚・妄想が無く、抑うつ状態、気分の落ち込みや疲労感、興味関心の低下など、うつ病と同じ状態をしめします。陽性反応がまったくあらわれない人も多くいます。ここが、統合失調症とうつ病の診断がつきにくいところでもあります。

統合失調症を正しく理解して、対処しよう

統合失調症とうつ病の治療は、似ていて非なるものです。
だからこそ、私たちにできることは、最初にお伝えしたとおり、まずは状態を適格に伝えること、ある程度の疾患の知識を持っていること、そして、上手に医療につながること。そして、お薬が処方されたら、指示どおりに服薬し、自己判断で中断したりしないことです。

お薬を正しく飲むことの必要性はまだまだあります。
こちら、またの機会にお話ししますね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
では、また!

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