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【ブックレビュー】マンガでわかる東洋医学の教科書

「鍼灸科へ入学前に、読んでおいたら役立つ本はありますか?」


この問いに先生がオススメしてくれたのが「マンガでわかる東洋医学の教科書」です。

三浦於莬:監修 中西恵理子:マンガ

鍼灸科1年生の初期から始まる授業に「東洋医学概論」があります。
東洋医学とは中国で誕生し発達した伝統医学のことで、一般的に漢方薬治療、鍼灸、按摩を含めたものを総称して呼ばれます。
決して根拠がないものではなく、2千年以上の臨床体験のなかで効果のあるものが残ってきた治療法です。

しかし、いざ授業が始まると、

「木火土金水」
「青赤黄白黒」
「肝心脾肺腎」
「春夏長夏秋冬」
「すべてのものは陰と陽に分けられる」
「気とは血とは津液とは……」


東洋医学を学び始めた際「私は風水でも習いにきたんだっけ(笑)」と揶揄していた同級生もいました。
「前時代的」
「非科学的」
「神秘的」
「奇跡が起こりそうじゃね」
と、どこかうさん臭いイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、私には東洋医学がとても身近に感じられる存在となり、楽しく授業が受けられました。そう感じたのも、この本を事前に読んでおいたおかげかもしれません。

<学生目線でブックレビュー>


<本の構成>★★★★★

私たちが東洋医学に感じるギモンが漫画仕立てになっていて、登場人物が一つひとつ紐解いてくれる、とても読みやすい本です。
特に我々に馴染みのある西洋医学との比較をしながら、理論体系や診察方法、治療法まで紹介してくれています。個人的に感じたのは、漢方薬の比率が思ったより多い印象です。漢方薬というと、葛根湯とか有名ですよね。薬剤師の学生さんとか重宝するかも。

<とっつきやすさ>★★★★★

写真は本の帯ですが、「寒証」「熱証」の違い、「気」や「血(けつ)」と一般にはわかりにくい用語を、登場人物が会社に例えて解説してくれています。
それにしても登場人物がみんな優しい。

<すぐ使える度>★★★☆☆

そもそも参考書とは違うので、問題を解いているときに調べたりといった使い方ができるものではありません。
ただ、東洋医学に関わること、また経絡経血についても網羅されています。「任脈の気海はこのあたりにあったんじゃないかなぁ」と調べるくらいならお任せあれって具合です。

<何度も読み返す度>★★★★☆

将来的に鍼灸師として患者さまに関わることになれば、治療に関する考え方をわかりやすくお伝えする必要があります(インフォームドコンセント)。
いきなり「肝の気が上がっているので足の甲へ施術します」とか言われてもてんでわからないので、患者さまへお伝えする際の表現としてこの本を参考にするのが有効なんじゃないかなと思っています。

<オススメ度>★★★★★

結論、めっちゃオススメです。マンガで提示された内容を本文を読むことでより理解することができます。
また、本の最後の方には、症状別の代表的なツボも紹介してくれています。
「合谷」って聞いたことありませんか? 頭痛や吐き気、歯痛に有効とされる超万能なツボ(経穴)です。


どんな人にオススメ?

最後に、どんな方にオススメかというと……
・これから鍼灸や按摩、薬剤師、看護士等、東洋医学に関わる仕事に就きたい
・治療方針として東洋医学がどんなものか簡単に知っておきたい
・ツボで身体をラクにしたい


とても読みやすい本ですので、スラスラ読めて見返すと深く知ることができる。そんな本です。「東洋医学は私たちのすぐ身近にあるんだ!」と気づくことができますよ。

【URL】

<楽天ブックス>

<Amazon>

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