見出し画像

IESE Business Schoolの魅力

どうも、Kamackです。

今までスペインの生活の話や、手掛けているスタートアップの話、ヨーロッパ旅行の話などを書いてきましたが、そもそも私が通っているIESE Business Schoolの話は全然書いていないことに今更ながら気づきました。

先週書いていたブラジルプロジェクトがギリギリ学校関連だったのですが、たまには学校の話も書いてみようと思います。海外留学や、MBAに興味がある方はぜひご覧ください。


私はまだ2年生になりたてで、2年生の話はこれからアップデートしていきます。また、私の偏見に満ちているので、在校生や卒業生の方はぜひ色々とツッコミお願いします。

主に、IESEのウェブサイトや日本人サイトに無い情報を中心に書いてみます。

IESEのオフィシャルページはこちら。

IESE日本人サイトはこちら。


IESE Business Schoolとは

画像3

バルセロナに本拠地を構える、ヨーロッパでは珍しい2年制のビジネススクールです。1964年のハーバード大学との提携で欧州初の2年生プログラムを開始した伝統校で、卒業までに700前後のケーススタディをこなすことが求められます。

2019年から15ヶ月のオプションも加えましたが、基本的には19ヶ月がベースです。

ヨーロッパで2年制(もしくは15ヶ月以上在籍)を採用している学校は、有名なところでは他にLondon Business School、HEC Paris、ESADEあたりでしょうか。

2年制とは思えないハードなカリキュラム(詳細後述)のため、しっかりと勉強したいという思考の学生が集まっている、とかなり主観込みで思っています。


MBAランキング

Financial TimesのMBAランキングでは、IESEは毎年10位前後に入ることが多いです。2019年のランキングでは、12位にランクされています。また、ヨーロッパではINSEAD、London Business Schoolに続く3番目に位置しています。

Economistのランキングでは、IESEは2018年に6位にランクされていますが、私個人の意見としては、Financial Timesのランキングの方が他の学校の順位を含め納得感があります。


IESEの特長・強み

ざっくり、
①ハードなカリキュラム
②ケーススタディ

というのがIESEを分かりやすく示すキーワードでしょうか。


①ハードなカリキュラムについて、前述の通り、とにかく2年制とは思えないハードなカリキュラムが1つ目の特長です。多分ヨーロッパの1年制のMBAと大差ないスケジュールなのではないでしょうか。

典型的な学校での1日を書いてみます。

画像1

19:00-25:00に関しては、日本人である私がケースを読むのが遅い事でこうなってしまうという感じなので、人によって予習の時間は違います。

また、私はもう38歳で、睡眠を削れなくなったので、予習は土日にやる事が多くなりました。という事で、土日はほぼケースを読む時間に使われ、平日の睡眠時間を確保していました。


②ケーススタディについては、ケースは卒業までに700前後読むと前述しました。

イメージのために、1年時に読んだケースの量を写真でお見せします。

画像2

これくらい浴びるようにケースのインプットをするので、力は付きやすいカリキュラムと思います。

また、ケーススタディが多いので、授業の発言に対する評価点が高めです。例えばマーケティングの授業では50%が授業での発言で評価されます。

また、IESEでは相対評価で、上位10%がA、下位10%がCを取り、Cを6単位以上取ると、面接、追試が課せられ最悪の場合放校されます。

なので、強制的に授業で発言を求められる環境となり、一般的にこのような貢献が苦手な日本人も、自然とクラスへの貢献ができるようになっていきます。


生活面の利点・欠点

生活面に関して言うと、4つの利点と3つの欠点が思いつきます。

◆利点
①気候が最高
②食事が美味しい
③人が優しい
④物価・家賃が安い

◆欠点
⑤手続きの煩雑さ
⑥ストライキ頻発・日曜日にお店やってない
⑦スリ



①気候が最高については、晴天の多さと気温が天国のような生活を提供してくれます。

画像4

日本で比較できるところは沖縄でしょうか。米国だと、サンノゼ、ロサンゼルス、サンディエゴといった場所と同等の気候の良さと思います。


②食事が美味しいについては、スペイン料理や地中海系の料理が本当に美味しいです。

画像5

イタリアンも地理的に近いので、本場の味が楽しめます。また、日本食ブームによって美味しい日本食のアクセスもできるようになっています。


③人が優しいに関しては、ヨーロッパの中でもスペインの強みですね。とにかく優しい上に、ときより、英語が下手でごめんね、といったセリフを聞く機会があるほど親身に助けてくれます。


④物価・家賃が安いというのも留学地としては非常に良いポイントですね。

画像6

ただし、比較する場所が米国だとニューヨークやベイエリア、ヨーロッパではロンドン、アジアでは香港やシンガポールとの比較で安いと言っています。米国の田舎との比較ではバルセロナは高いように思いますので、ご注意を。


欠点に関しては、これは海外生活のあるあるなので、一概にバルセロナが悪いとも言い切れませんが、紹介します

⑤手続きの煩雑さについて、どうも手続き系、主にビザの取得や更新が煩雑で困る事が多くイケていません。この辺の役所サービスについては米国でも困った事があるため一概には言えないのですが、まぁ基本的には期待できないと思ってください。

⑥ストライキ頻発・日曜日にお店やってないというのは、ヨーロッパではどこでもあるあるなのですが困ったものです。ストライキのために、タクシー移動を強いられたこともあります。日曜日にお店がやっていないのは、慣れます。

⑦スリについては、これは本当に被害に遭っている人が多く、気を付ける必要があります。日本人留学生は特に狙われやすく、在学中に半分くらいの学生は被害に遭っているように思います。ただし、正しく対策をすると被害は防げるので、日本ではないと思って対策する事が大切です。


米国MBAとの違い

米国大学の違いは、一般的なヨーロッパのMBAと共通の下記①②と、IESE特有の③④⑤があると思います。

①平均年齢の高さ
②ダイバーシティ

③ケーススタディ中心
④スペイン語
の勉強機会
⑤クラスの厳格さ

①平均年齢の高さに関しては、米国と欧州MBAの違いで一番語られる典型的なものです。IESEも例外ではなく、平均年齢は毎年30歳弱くらいになる事が多いです。米国では27歳前後なので、3歳差と見ると小さいようですが、職歴が3-4年なのか6-7年なのかと見ると、結構大きな差であることが分かると思います。さらに言うと、IESEの私の代では38歳が私を含めて4人もいます。

②ダイバーシティに関しても、米国とよく比較される欧州MBAの特徴です。米国MBAは人種は様々に見えますが、ざっくり70%が米国出身者で、30%が留学生です。かたやIESEでは、85%が留学生です。また、スペイン語圏のため南米出身者が多いのもIESEの特徴で、スペイン語話者はトータルで40%くらいいるかもしれません。

③ケーススタディ中心に関しては、もはや前述の通りで、非常に多くのケースをこなします。これは良し悪しもあるため、自分に合った学校を選ぶのが良いと思います。

④スペイン語の勉強機会については、スペイン語を学習するプログラムを取ることができ、希望者は週3日、6時間スペイン語を学ぶことができます。Business Spanish Program (BSP)と呼ばれ、主にビジネスで使うスペイン語を学ぶことができます。

⑤クラスの厳格さですが、実はここが米国スクールとの一番大きな違いかもしれません。米国スクールでは、授業を妨害しなければ基本的には何をしてても大丈夫な空気があり、授業中にリンゴをかじる人や、ご飯を食べる人もいるくらいです。翻ってIESEでは、授業中の食事は認められず、飲み物も基本的には水だけが許可されています。また、出席も取られており、一定以上のクラスを出席しないと単位が認定されません。さらには、IESEでは教授によって授業中のクラスの出入りを禁止する人もいます。厳しい!


IESEの弱み

IESEの弱みとしては以下が挙げられると思います。
①総合大学でないことによる弱さ
②英語の訛り

①総合大学でないことによる弱さに関しては、やりたい事が例えばTech系だった場合、米国の他の学校比較で弱い部分であるように思います。例えば、米国のStanfordやUC Berkeley、MITといったTechスクールでは、エンジニアとコラボをして起業を目指したり、テクノロジーをビジネス化する機会に恵まれていますが、IESEは総合大学でないためそのような機会は限られてしまいます。ただし、IESEにはバルセロナのスタートアップとつながる機会やインターンする機会などはあり、周りの学生にもこのような形でTech系スタートアップと関わっている人は一定数います。

②英語の訛り・機会に関しては、これも米国や英国スクールと比較した場合、非ネイティブの学生が多いことによるデメリットのように思います。IESEの英語ネイティブ学生比率はざっくり20%-25%であるため、ネイティブ英語に触れる機会は米国や英国スクール比較では確実に下がります。ただし、準ネイティブクラスの英語を話す学生は非常に多く、また各種訛り(フランス語訛り、インド訛り、スペイン語訛り)にも慣れてくるので、ある意味で非常に多様な英語に触れる機会があるとも取れます。もしあなたが米国や英国で卒業後にそのまま働きたいという人には、やはり米国や英国の学校の方がベターとは思います。


まとめ

IESEの強みと弱み、米国スクールとの違いをまとめると以下のような感じになります。

■IESEの強み・特長
 ①ハードなカリキュラム
 ②ケーススタディ

■生活面の特徴
利点
 ①気候が最高
 ②食事が美味しい
 ③人が優しい
 ④物価・家賃が安い
◆欠点
 ⑤手続きの煩雑さ
 ⑥ストライキ頻発・日曜日にお店やってない
 ⑦スリ

■IESEの弱み
 ①総合大学でないことによる弱さ
 ②英語の訛り・機会

■米国スクールとの違い
 ①平均年齢の高さ
 ②ダイバーシティ
 ③ケーススタディ中心
 ④スペイン語の勉強機会
 ⑤クラスの厳格さ

他に知りたい事があれば気軽にご連絡ください。ここのコメントでもいいですし、TwitterのDM(Kamack)にご連絡いただいても大丈夫です。学校選びのご参考になれば幸いです。


関連記事

MBAに興味を持たれた方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。私がMBAを取得するに至った経緯と、その受験過程を書いたので、参考になる情報があると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?