見出し画像

メキシコとの出会いから最近のこと

気がついたら自己紹介的なものを書かないまま、このnoteを始めていたので、今日はその代わりにと言ったらなんですが、私のメキシコとの出会いから、今取り組んでいること等、備忘録的に書いてみたいと思います。

昨年秋から服作りの学校に通っています。そう言うと、いきなり何故?何のために?と思われるかもしれませんが、実は、「一枚でもいいから、メキシコの手仕事を使って自分でデザインした納得できる服を作りたい」という気持ちが長年ありました。いや、あったけど自分には無理だと言い訳をして、仕事の上でも中途半端な関わり方をしたりして、その気持ちを仕舞い込んでいたように思います。

trensaという屋号を立て、メキシコのオアハカ地方をメインに小規模生産者の方々からの雑貨の買付けや生産輸入をメインとしたこの仕事を始めたのが18年ほど前。メキシコとの最初の出会いは1989年に留学していたアメリカの大学の寮のルームメイトがメキシコ人だったこと。しかし、実際にtrensaの仕事を始めるきっかけにもなったのは、もっと身近なところにあったのかもしれません。それが写真のメキシコのスカートなのです。

このスカートは、亡き祖父が70年近く前にメキシコに出張に出かけた際に娘(私の母)に買ってきたもので、どこの地域の部族の物かも今だに分かりません(そろそろちゃんと調べなきゃ)。私は幼い時から祖父母と暮らしていたので、我が家にはアステカカレンダーの置物だとか、翡翠っぽい不思議な人形だとか、こういったメキシコに纏わるものに僅かながら触れる機会があありました。

中でも、子供心にこのスカートに惹かれた私は、一人暮らしで家を出る時にこのスカートをこっそり自分の荷物に入れて、現在に至ります。着るにはサイズも合わないし、普段はクローゼットの奥の方に入り込んでいるので、目にすることが少ないけれど、たまに眺めたり手にしたりすることで、気持ちを整理し初心に帰らせてくれるお守りのような存在になっています。

話は逸れますが、昨年、親愛なる義母と義父が4ヶ月の間に立て続けで突然亡くなり、何度も渡米することになりました。特に、亡き母の残された家の片付けに時間を費やすことになり、一緒に作業をしていた同世代の義妹とよく話していたのは、「物なんて沢山必要ないんだよね。」で始まり、「私たちって人生やりたいことやれているのかな?後悔なくこの世を去れるのかな?」ということでした。

帰国してから、家の片付けをしながら出てきた祖父が買ってきたメキシコスカートを見てはっとしました。もう自分に嘘はつけなくなっていたのです。

「私はメキシコの手仕事が好き。この美しい手仕事をどうにか見せられる納得がいくものを作り上げたい。」

もうその気持ちだけで、後先考えないで勢いだけで服飾専門学校の社会人向けの単発のコースに申し込んで入金処理をしました。前回のnoteでも触れましたが、長野の山での一人時間もタイミング的にこの決断に大きく後押しをしたのかもしれません。

あれから半年。最初に受講したコースが無事終了。不器用で物忘れもすごいそして老眼も進行中のお年頃の私は、何度も挫折しそうになったけれど、そんなおばちゃんの何度も繰り返し聞く質問にも、忍耐強く優しく指導してくださった先生や、職業も年齢も様々な明るくて楽しいクラスメイトのお陰で、なんとかやり切れたことは、大きな喜びと小さな自信に繋がりました。辿り着けるかは別として、私の小さなものづくりへの新たな旅はこうして始まり、やりたいことをやれる日々に感謝しています。

さて、先日、久しぶりにお会いした方から、trensaはまだやっているの?と質問されました。確かにSNSの更新も乏しく、販売等のイベント活動もかなり縮小してるので、開店休業に見えてもおかしくないと思います。ですが、細々と卸なども続けながら、より納得のいくものを形に出来るよう、日々精進したいと思っております。

趣味でもあるメキシコの手仕事系リサーチ。最近届いたばかりの古本が素敵すぎる。

また、楽しい企画もこっそり考えてます。メキシコ刺繍とか手芸の同好会とか興味ある方いるかしら?そろそろ皆んなでテーブル囲んで、メキシココーヒーを飲みながら、ちくちくワイワイなイベントもまたやりたいなあ。

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?