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“新しい働き方代表” トラベロコCEOがデュアラーのリアルを語る

現在、東京と地方で生活する人々「デュアラー」が注目を集めています。実は、東京&名古屋を拠点とするトラべロコCEO・椎谷豊もそのひとり。創業当初からフルリモートを実施するトラべロコでは、関係者が世界中でそれぞれ異なるスタイルで働きます。そんななか、椎谷が今のワークスタイルに至った理由をひもときます。※2019年2月公開記事


CEOも実践!都心と田舎のいいとこ取りの「デュアラー」

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時代は移り変わり、多くの人々が自分にあった働き方、生き方を考えるようになってきています。そんななか、デュアルライフ(都心と田舎の2拠点で生活すること)を楽しむ人々、「デュアラー」が少しずつ増えています。

東京一極集中によって、日本の都心は人が溢れんばかりの飽和状態。見渡せばマンション群が広がり、東京で自然に触れられる機会はそう多くありません。そういった環境下の生活に不満を抱く人も……。

そんななか、近年は地方での空き家の増加や、働き方の多様化を利用して、都心と田舎のふたつの拠点で生活を送るライフスタイルを実践する人々が現れています。

たとえば、平日は東京で仕事をおこない、休日は地方の家でゆっくり趣味を楽しむ人。パソコンでの仕事が中心の人は、月の半分は都心、もう半分はリフレッシュのために地方にあるオフィスで仕事をすることも。

そんなデュアルライフを楽しむ人たち=デュアラーです。トラべロコのCEOである椎谷豊もまた、東京と名古屋のふたつの拠点を移動して過ごしている「デュアラー」のひとりです。

トラべロコでは、代表である椎谷を含むすべての関係者がリモートで仕事をしているため、どこを拠点にすることも可能なのです。椎谷は、前職がきっかけで、現在の生活の軸である名古屋に住みはじめました。

椎谷 「もともとは東京の高円寺に住んでいましたが、 2007年 1月、前職の会社が名古屋に本社を設立することになり、立ち上げメンバーとして東京から名古屋に引っ越すことになりました。それが名古屋に住みはじめた最初のきっかけです」

その後、2015年にトラべロコを法人化した椎谷は、トラべロコの顧問弁護士とのミーティングのために月に一度東京に出張することに。

はじめは基本的には名古屋で生活し“出張”として東京にいく働き方をしていました。しかし、サービスが成長していく過程で、東京にいく回数は少しずつ増えていきます。


仕事と家庭を重んじて。デュアル・ライフをはじめた成り行き

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▲ 椎谷が拠点とする名古屋

東京への出張回数が多くなった椎谷は、自然な流れで名古屋と東京の2拠点を移動するワークスタイルになっていきました。東京への滞在はおおよそ月の4分の1で、多いときは半月ほど都心で過ごすように。

名古屋ではデスクワーク、東京では人と会うようにして仕事のバランスをとっています。

椎谷 「名古屋にいるときは、家や図書館に加え、カフェなどを転々としながら仕事をしています。東京では、実家に住みながら、他社との協業や提携の話、 PR関連の仕事で行くので、基本的には人に会いに行くことがメインになっています」

デュアラーは、都心生活からの反動で田舎暮らしをしたいというニーズから2拠点の生活をはじめる人が多い傾向にあります。

理由は、東京ではできないサーフィンなどの趣味をするためや、自然豊かな環境で子どもを育てるため、故郷での生活に戻るためなどさまざまです。

その一方で、椎谷は都心生活からの反動ではなく、名古屋での生活をベースとし、東京の滞在時間を増やした結果、2拠点生活をおこなうデュアラーになっています。

ふたりの子供がいる椎谷にとって、名古屋をベースとするデュアラーという働き方は、家族生活の面でメリットがあるといいます。

椎谷 「名古屋は家族で生活するうえで、過ごしやすい場所です。生活コストが低いのもその一例です。 10歳と 8歳の子どもがいるので、東京都心に比べても家賃が安く、十分な生活環境を整えられるのが大きなメリットです。名古屋から移動しない理由としては家族の存在が大きいです。

移住をすると、子どもたちは住み慣れた場所や、友人から離れ、新しい生活をつくる必要があります。家族をベースとして考えると、名古屋に住んでいる方が楽ですし、今は特別移住したい場所があるという訳ではないので、名古屋を離れる理由はありません。

好きな街ができれば、そのとき考えたいですね」

生活コストも低く、現状移住する必要性も高くないと話す椎谷の生活スタイルは仕事においても家族生活にとっても良いことが多いように思えます。しかし、デュアラーという働き方の多くのメリットの裏側には、もちろんデメリットも存在します。


前例のないサービスだからこそ、トラベロコにおける常識はずれの多様性

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▲ 唐突に外でパソコンを開き始める椎谷

名古屋は、中心に高層ビルが立ち並ぶ一方、少し離れれば自然が広がっています。必要なものがそろい、緑にも触れられるーー子育てがしやすい都市のひとつとも言われています。その名古屋を生活のベースに、必要なタイミングで東京に滞在する生活はある種、理想にも思えます。

しかし、一見メリットばかりの名古屋ベースのデュアルライフ(2拠点生活)には、生活面と仕事面で難しい点もあると椎谷は話します。

椎谷 「名古屋は車社会なので、車がないと移動範囲が限られます。私自身車を運転するのも乗るのも苦手なので、どうしても移動の面で不便さが出てきます。乗れば良いだけの話なんですが(笑)。

そして仕事の面では、やはり東京で人に会う仕事が増えている状況で、すぐに会えないというのはデメリットかもしれません。現状、日本ではビジネスのリアルな情報や、コネクションが東京に集まっているのは事実です」

椎谷の言うように、人や情報が東京に集まっている状況に変わりはありません。事実、日本にある企業の12%が東京に位置しています。トラべロコが成長していき、関わる他社の数も増えているなか、東京との関わり方が大切な要素であることは間違いありません。

しかし、それでも東京中心の生活を選択していない椎谷は、そういったデメリットに関して「大きな問題ではない」と考えています。

椎谷 「現状、このままで良いと考えています。弊社が運営するロコタビはインターネットサービスなので、基本的にはパソコンでの仕事が多くなります。そのため、東京に住む必要性はそこまで高くありません。

さらに、名古屋は新幹線に乗れば 2時間弱で東京に行けるので、時間的な感覚でいうと東京近郊に住んでいるのとさほど変わりません。そういった意味でも、東京に住まないという選択は、さほど大きな問題にはならないと考えています」

このように、CEOである椎谷がデュアラーとして働くのと同様に、トラべロコは多様なメンバーが個性的な働き方をしています。このような組織形態で運営するのには、「」が前例のないサービスであり、常識にとらわれない仲間を必要としているという理由がありました。


「“時間”と“場所”にとらわれないで」それぞれが自分らしく働ける組織に

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▲ 東京のイベントで挨拶する様子

椎谷が代表を務める株式会社トラベロコは、海外で「実現したいコト」がある日本人を、それをかなえるスキルがある現地の日本人(ロコ)がサポートする、日本人のための海外タウン・コンシェルジュサービス「ロコタビ」を運営しています。

2015年の法人化を皮切りに成長をつづけ、2019年2月現在、ロコが4万人以上、登録されている国は170カ国にのぼり、これは世界の国の数193カ国(国連加盟国)の9割近い数になります。

このように「ロコタビ」を通して、世界中の日本人のネットワークと日本人同士が助け合える環境をつくりあげることは、前例のない新しい試みでもあります。

そのため、常識にとらわれず、さまざまな仲間たちと柔軟に協力しあうことで、「世界のどこに行っても、日本人が助けあえる」新しい世界をつくることを目指しています。

その結果、トラべロコは日本の各地域のみならず、世界中に関係者が点在し、フルリモートでそれぞれが個性的なスタイルで働く会社になっています。

東京を拠点にPR活動をする社員や、タイと大阪の2拠点で働くデュアラー、台湾に住みながら働く新卒社員、広島県の大崎上島で週3日トラべロコ、週2日島の鉄工所という働き方をしている仲間など、社員のワークスタイルは枚挙にいとまがありません。

椎谷は、今後のトラベロコを“ロコたちのような働き方”をする組織にしていきたいと考えています。

椎谷 「世界にいる海外在住日本人(ロコ)は、自分でその国、都市を選び、時間を使い、誰かと過ごし、やりたいことをやっています。トラべロコという組織もそんなロコのような自由な生き方を追い求めて、“場所”“時間”にとらわれない働き方を実施していきたいと思っています」

これからも、「ロコタビ」がこれから海外に行く日本人の当たり前になっていくことを目指し、同時に、トラべロコの関係者が世界中に点在するスタイルを続けて、メンバーそれぞれが自分らしく個性的な働き方をする組織をつくっていきます。

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