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バレエ「ヌレエフ レジェンド&レガシー ガラ 」@ロンドン

Nureyev Legend & Legacy Gala, Theatre Royal Drury Lane, 12, 09, 2022

ロンドンで行われたヌレエフガラ、見てきました!
久々のバレエで興奮、本当に良いプログラムでした!ロンドンは本当にガラ公演が少ないのですが、もっとやって欲しい〜!そしてたまにやるガラはプログラム内容がすごく凝ってるのでそこも楽しいです。個人の偏見たっぷりの感想は下に。オンライン配信もあるみたいですので、ネタバレ嫌な方は見ないでね!

ローレンシアはサンベに代わってコラレスが出演


フォンテーンとヌレエフのパートナーシップは有名ですが、イギリスではヌレエフ版などもあまりなくオペラ座ほどヌレエフの影響はあまりみられない中、ヌレエフにガツンとフォーカスを当てたガラ。会場の Theatre Royal Drury Laneは普段ミュージカルのロングランをやってるのでバレエには珍しい会場。現在もアナ雪上演中で、なぜわざわざここ?と思ったら、ヌレエフがイギリスで初めて踊った場所だったのだそう。

まず、全員起立で故エリザベス女王を偲んで1分間の黙祷&国歌斉唱。実はこの公演も行けるかヒヤヒヤしてました。国葬当日はオペラハウスもクローズ、祝日になるのでいろんなイベントも変更キャンセルでイギリスはわりとてんやわんやしてます。開催してくれて本当に良かった😭

冒頭に、ヌレエフの伝記映画ホワイトクロウの監督、俳優としてはヴォルデモートで有名なレイフ・ファインズと過去にヌレエフと踊ったことのあるモニカ・メイソンによるイントロダクション。

トップバッターはカナダ国立のコートによるヌレエフ版眠り2幕の王子の激長バリエーション。



続いてオランダ国立のマカテリと、ホワイトクロウでヌレエフを演じたタタールスタン国立のイヴェンコによるヌレエフ振付ガイーヌ。見たことなかったしガラではとっても珍しい演目なのが嬉しい。マカテリもイヴェンコも踊りも演技も素晴らしくて。マカテリはロマンティックチュチュからもわかる足のラインの美しいこと。イヴェンコも素晴らしい技術はもちろんレベランス時にも髪をかき上げて男前ぶり見せつけたり芝居つけてるのがすごく良かったです。素晴らしかっただけにコーダが超あっさり(短かった)で残念!

めちゃくちゃ期待した元マリインスキーのパリッシュとベルリン国立のサレンコのバヤデールは、演技面でも技術面でも素晴らしかったガイーヌとゼンツァーノに挟まれてしまったので残念ながら色褪せて見えました…。


ENBのフローラとハウエスによるゼンツァーノも素晴らしかった…。特にフローラ!ヴァディムやコラレスみたいにまたロイヤルに持っていかれるんでは…。と心配になるほどの完璧さ。コントロールと音楽性!ブルノンヴィルを完全にモノにしてる足捌き。バリエーション時も引っ込まずに相手と視線で演技で終始かわいい2人でした。ハウエスは最初2日は出られなかったみたいだけど、かわいらしく、踊りも素晴らしかった!


前半最後は、めちゃくちゃ楽しみにしていたロイヤル6人によるローレンシアのパドシス。コンクールで有名なあのバリエーションをついにグランで拝見😭まさかイギリスで、しかもオシポワ様のローレンシアを見られると思ってなかったので本当に嬉しいサプライズでした!(ステージングもオシポワ!)ヌレエフ振り付けなんですね、知らなかった!主役の二人(キャスティングはサンべでしたが実際はコラレス)はもう文句なしの完璧さ。オシポワは、「ロシアバレエのラテン系ダンス」を踊らせたら一番だろうなあというくらいハマってた。コラレスのラテン系伊達男っぷりも良かった!(技術含め!)男性二人はエラと五十嵐さん。踊りもさることながらユニゾンが素晴らしくて客席も湧いていました。女性第一はウクライナ出身のTsembenhoiで、ウクライナガラでも見たけれど打って変わってこちらのラテン系のダンスの方が生き生きしていて素晴らしかった!ポーズの一つ一つが素晴らしくて印象に残りました。女性第2はユフィさん。パドブレの多いかわいいバリエーションをコケティッシュに。文句なしで、大盛り上がりで前半終了。


後半はダンサーたちのヌレエフに対する思いのビデオからスタート。

後半一発目はヌレエフ版眠りの3幕をロイヤルのムンタギロフとENBのマイヤー。ムンタギロフは冒頭のビデオでもヌレエフの振り付けほんと大変で…と語っていて、そのかわいさから客席からも笑いが出てたんですが。彼は卒業したてでENBで初王子に抜擢された時TVドキュメンタリーに取り上げられてからメキメキ上昇、ついには世界屈指のダンサーになったところを見てきたのでなんだか子供の成長をずっと見守ってるような感じがするのですよね…。(イギリスのバレエ好きはみんなそうじゃないかと思う)そんな彼が難しいヌレエフ版眠りの王子をスマートに完璧に踊ってるところを見て、よくぞ成長したよ…。と謎の立ち位置で思ってしまう。



ジゼルはロイヤルのヘイワードとブレイスウェル。ジゼルのヘイワードはエアリーでまさに妖精。一緒に見ていた友人は高く飛びすぎ!と言っていたけど私にはそれが良かった。軽く高く飛んで自分でも飛ぶしブレイスウェルにもふんわり高く舞い上がらせてもらって、体重を感じさせない。ヘイワードは今までそこまで見たいと思うダンサーではなかったけど、ジゼル全幕で見たくなったなあ。ブレイスウェルは理想的なノーブルさ。


ノイマイヤー振り付けドンファンは、コジョカルxノイマイヤーなので新作かと思いきやなんとこちらもヌレエフが実際に踊った作品なんだそう。作品名初耳かつノイマイヤー作品をヌレエフが踊ったということがピンと来なかった…。あいも変わらずやっぱり素晴らしいコジョカル。一挙一動が本当に素晴らしくて。ハンブルクのトルーシュもすごく良かったです。抜粋なのできちんとしたグランパ形式ではなかったけど彼のソロ、魅了されました。


最後はナグディとコラレスの、ヌレエフといえば、の海賊。ナグディは前はかわいい若手ソリストという印象でしたが、今回プリンシパルのオーラがキラキラ出てた気がする。丁寧に踊る感じがすごく好感。コラレスは今回アリでもローレンシアでも超絶技巧で大活躍。バリエーションの登場は舞台を下手から対角線上から疾走くるところはヌレエフのオマージュなのかな?(普段は上手奥から出て上手前でポーズ)


ヌレエフガラだけに男性が目立つ演目でしたが女性陣も素晴らしかった!オンライン配信もあるそうなので是非是非おすすめです!


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