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シェアハウス誕生秘話

1年前、僕は北大の近くのマンションで1人暮らしをしていた。


北大は札幌の中心に近く、僕のマンションも立地が良かった。


サークルで知り合った自称「世界のアツシ」は実家住みで家が遠く、よくうちに泊まりに来ていた。


サークルの他のメンバーを呼んで飲み会をしたり、好きな女の子の名前を意味もなく叫んだり、朝活をしたりしていた。

2022年10月26日の朝、僕がアツシに

「シェアハウスしたらおもろいんじゃね」

と言うと


アツシは「たしかに!即行動だ!」と言いながら、

サークルの全体ライン(幽霊部員がほとんどだが400人近くいる)で

「シェアハウスやりたいです!」とのラインを投下した。


当時僕らの界隈では「即行動!」というフレーズがブームになっており、アツシは即行動しまくっていた。


するとサークルの顧問の先生も即行動してくれて、シェアハウスを運営していた社会人を何人か繋いでくれ、アツシが相談しに行くことになった。


当時の僕は

「いやー、そうは言ってみたもののプライベート空間も大事だしな。安かったら住もうかな。まあどうせこのシェアハウスの話は流れるだろう」

と他人事のように考えていた。


一方アツシはガンガン家を探しまくり、

遂に北大近くで安くて大きい物件を見つけてきたのだ。


そして、なんやかんやあったが大家さん的な人との話がつき、入居できることになった。


物件を用意してくれたアツシに対して流石に断れない状況になってしまい(笑)、引っ越しを決意した。


前々から僕らは内見や掃除を少しずつしていたのだが、正式な入居は2023年3月19日であった。


初期メンバーはアツシ、僕に加えて、よくうちに泊まっていたふーごだった。


その日は電気の付け方がわからない、お風呂の炊き方もわからない、コンセントの位置もわからないとてんやわんやであった。


築50年の古くて大きい家なので3人だと大き過ぎた。少し不気味でもあった。


他の友達も何人か来て開寮祝の鍋パーティーをした。外の雪でビールをキンキンに冷やして飲んだ。美味かった。


寒さと暗さと寂しさがあったが、

それを吹き飛ばすくらいの興奮があった。

俺達のシェアハウスが始まったぜ!という興奮。

その日は忘れられない日だ。


そんな訳でシェアハウスが始まったが、その後も色々あった。

前の住民が残していった家具をどう片付けるか。

住民は今でこそ男女半々で10人くらいになったが、最初は少なく、どうやって集めるか考えていた。

掃除、新入居者、外部の人との関わりのルールを作るのも難しい。住民同士で価値観が違う。僕は自分の部屋のプライベートさえ守られればいいし、楽観的なので部屋に鍵もかけないが、そうじゃない人もいる。


ルールは「気にする人」に合わせられる。


落ち込んでいる住民をどうケアするかとか

シェアハウスの共用のお金をどう使うかとか

たくさん話し合った。喧嘩もした。


大掃除

シェアハウスの人間関係がうっとおしくなる時もあるが、恋しい時もある。


家に帰って「おかえり」と言ってくれるのは嬉しい。


テンションが低いかったり体調が悪いとすぐ気付いて「どうしたの?」と声をかけて心配してくれる。


シェアハウスの住人は、先輩でもあり後輩でもあり友達でもあり家族でもある。不思議な関係だ。


僕はホントにシェアハウスに住んで良かったと思う。共同生活を通して色々学びになるし何より楽しい。


日本は経済発展と共に核家族化が進み孤独な人が増えた。

シェアハウスが日本に増えれば血は繋がってないけど家族、みたいな関係が増えて日本が面白く明るくなるんじゃないかなと思う。


アツシはシェアハウスを作らない言い訳はいくらでもできたと思う。

「お金はどうしよう」「卒業後はどうしよう」「住民が集まらなかったらどうしよう」「事件が起きたらどう責任を取ろう」などなど


でもそれを振り切り、「シェアハウスしたら楽しそうじゃん!」と直感を信じ立ち上げた。


ありがとうアツシ!即行動!

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