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介護事業所の経営者層に知って欲しい、介護現場の生産性向上活動に必要な「we」と「with」の視点

人口減少社会の日本において、どのような業界においても、生産性向上というキーワードがあがっています。

生産性向上とは、製造業で古くから使われてきた言葉です。
しかし、「介護における生産性向上には違う視点が必要だ」ということが伝わると幸いです。

そもそも生産性とは、「企業が投入した経営資源(ヒト・モノ・カネ)に対して、どれだけ成果を生み出すことができたか」ということです。

効率的に生産性を向上させるためには、投入する経営資源を削減しながら、より多くの成果を生み出すことが必要となります。

介護現場と生産性向上がどのように繋がるのか記事にしていますので、読んでいただけると嬉しいです。

なぜ、介護現場に生産性向上が必要なのか?

上述したように、あらゆる業界において、生産性向上は大きなテーマとなっています。

先日、厚生労働省の社会保障審議会で介護報酬改定に関する事項が発表されました。

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1~5の内容において、生産性向上に関する内容は「4」です。
これから、介護人材の確保や定着という人材に関する課題は浮き彫りになってくると言われています。
それを肌で感じている経営者の方は多いのではないでしょうか。

人材という経営資源が不足するため、いかに効果的に成果をあげるのかという「生産性」という考え方が非常に重要になります。

現場の組織風土や現場の課題と向き合い、その上でテクノロジーの力を使ったり、業務の効率化により、経営資源の投入を成果に対して最適化を図ることが必要です。

介護現場における生産性向上とは何か?

製造業では、製品(成果)を生み出すために、機械化や製造ラインの見直しなど含め生産性向上活動が行われてきました。

では、介護業界における生産性向上による「成果」とはどのようなものでしょうか?

介護業界における生産性向上とは、「介護の価値向上」と捉えています。
そのために、職員が働きがいを感じながら利用者へより良いケアを提供できているかがとても重要です。

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生産性向上活動を行うこと(良い体験をする)で、職員の働きがいを高めることが可能だと弊社は考えています。

つまり、生産性向上活動は、ただ業務効率化を図るだけではなく、そのプロセスにおいて自律的人材の育成ができるということです。

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生産性向上活動により、職員の働きがいを高めることは、離職率の軽減にも直結するため、人材定着という経営課題において重要な経営戦略となります。

先日、弊社からソシウェルという「介護事業所向けフルオンライン型組織開発サービス」をリリースさせてもらいました。

全国の介護事業所のみなさまと、生産性向上活動に取り組んでおり、一つの成果指標として、ワークエンゲージメント(職員の働きがい)を測定しています。

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ワークエンゲージメントが高まることで、より仕事に対して前向きに取り組むことができ、利用者へのより良いケアに繋がると、さらに仕事を前向きに取り組めます。

この好循環を作り出すことが、介護現場における生産性向上活動の意義です。

生産性向上活動に必要な「we」と「with」の視点

生産性向上活動に限ったことではなく、新たなチャレンジをするときに、現場の方々からの反発を経験されれている経営者の方は少なくないのではないでしょうか。

実際に弊社が関わるクライエントさまにおいても、生産性向上活動を行おうとすると以下のような意見が現場の方々からあがってきます。

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この記事を読まれている皆様の事業所でも、このような意見を言われたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

経営者の方々が、このような現場の意見に対して、どうすれば良いのか?というと、「we」「with」の視点が重要となります。

経営者のトップダウンで、「必要だから、やって欲しい!」と言われて、頭では必要性がわかっても、「忙しいのに...」と感情が追いつかないというのが現実です。

そして、改善活動に取り組む、プロジェクトのリーダーとなる方々は孤独です。
物理的な忙しさに加え、精神的にも負担がかかってしまいます。

だからこそ、一人ではなく、「we(私たち)」で、「with(一緒)」に取り組む体制を整えることができるかが、経営者にとって重要な役割です。

経営者として、私たちの法人(事業所)で、なぜ改善活動をする必要があるのかどのような意味を持つのかを、これでもかと、丁寧にコミュニケーションをとることが大切となります。
改善プロジェクトを進めているリーダーが、どこに負担を感じているのか密にコミュニケーションをとり、環境(業務負荷)を調整することも必要になるでしょう。

経営者とプロジェクトリーダーが担う役割は異なるため、対立も起こりやすいのではないかと思います。
お互いの役割を明確にすることで対立する可能性は少なくなります。
そのために、コミュニケーションを必要と思う以上にとることが重要です。

役割が明確になると、改善活動を行う上で、どのような業務をしてくれているかがわかるようになります。
そうすると、「we(私たち)」、「with(一緒)」という感覚を持ってもらえるのではないでしょうか。

利用者へより良いケアを提供するため、職員の働きがいを高めるために、生産性向上活動に取り組んでいきましょう!



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