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トウモロコシの皮むき、リンゴの皮むき|第3章 新しい国での生活|アメリカでの40年間(1821-1861)

Forty Years of American Life 1821-1861
Thomas Low Nichols


トウモロコシの皮むき

開拓者のほとんどは小麦とライ麦の種をまき、トウモロコシとジャガイモを植えます。これらの作物が収穫されると、仲間と一緒に行うのがベストな別の仕事が待っています。少なくとも、夕方の集まりの口実になるのですし、入植者はこの時にこれまで助けてくれた人々にちょっとしたごちそうを振る舞う機会にもなるのです。

そこで近所の人たち、特に若い男女は全員「トウモロコシの皮むき」に招待されます。インディアンコーンは納屋があればそこに、なければ家の片隅に集められます。実はまだ茎に付いていて、長い黄色い穂や白い穂、たまに赤い穂がまだ堅くて繊維質の皮についていたり、皮に包まれていたりします。この皮または殻を「シャック」ということから、この楽しい集まりは「コーンシャッキング」と呼ばれることもります。これは西部と南部で使われる言葉です。そして、これらの皮にはほとんど価値がないので、怠惰で役立たずの人を「シャックの価値もない」と言ったりします。

皮むきは夕方に、もっと生活が整っている地域では、焚き火や松の枝、ろうそくの明かりのもとで行われます。男性も女性も、歌ったり物語を披露したり、互いにからかい合ったりしながら、楽しく手を動かします。赤い穂をむいた男性は隣の女の子にキスできる特権があることをみんな知っているのです。トウモロコシの山は減り、籠はいっぱいになり、茎とむいた皮は片付けられていきます。

その後、ポーク&ビーンズ、パンプキンパイ、ドーナッツ、リンゴ、サイダー(作られている場合)、またはアルコールの強い飲み物などが用意され、豪華な夕食が続きます。それから、ピューリタン色が強すぎなければ、フィドルを弾いてダンスをし、もし強いようであれば、はしゃいだり罰ゲームをしたり、もちろんちょっと叱られそうなこともして、月明かりの下で家まで歩いて帰るのです。


リンゴの皮むき

果樹園が成長すると(アメリカでは非常に急速に成長する)農家は最高級の果物でも1ブッシェルあたり3.5ペンス以下で購入できます。ロンドンの良質のリンゴ1個よりも安いことが多いのです。おいしい桃が何千ブッシェルも地面に落ちて腐っていて、豚でも食べきれないほどの量になります。そうなると「リンゴの皮むき蜂(りんごの皮むき隊)」と呼ばれる人々が登場します。少なくとも、独創的なヤンキーが皮むき機を発明する前は、彼らはこの時期になると登場するのでした。

リンゴの皮は鋭いナイフと素早い手つきでむかれ、4つ切りにされ、芯が取られ、より糸に通して台所の天井に花飾のように吊るされて乾燥させました。りんごの皮むきは、トウモロコシの皮むきよりは穏やかな夜の集まりです。最後は同じように豪華な食事のお祭り騒ぎでお開きとなりました。

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