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4K対応の液晶テレビにスーファミを繋ぐ

 スーパーファミコン。通称スーファミ。
 任天堂から1990年に発売された家庭用ゲーム機。

 食べかけマーブルチョコレートのようなカラフルなアイコンに、丸みのあるグレーの本体。全世界に約4,910万台の台数が出荷された。

 

 2020年12月、4K対応の液晶テレビにスーファミを繋ぎゲームをする者がいた――私である。


 ソフトは「美少女戦士セーラームーンSuperS ふわふわパニック」。シューティング型のパズルゲームだ。

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 おなじみぷち解説コーナー。

 美少女戦士セーラームーン。主人公のセーラームーンこと月野うさぎちゃんは、ドジだけど明るくて優しい女の子。テレビアニメが放映されていた時期にとりこになったちびっ子はこぞっておままごとに続いてセーラームーンごっこをしたのではなかろうか。
 
 SuperSとはアニメシリーズの名称。5作品のうちの4作品目にあたる。

 ふわふわパニックでは、SuperSに登場する美少女戦士を使ってゲームができる。ふわふわと枠内に浮上する風船をビームで消していく。対戦モードでは、コンボを発生させたり(同じ色の風船を並べてそれを一気に割る)必殺技を繰り出したりすることで相手の邪魔をしてゆき、先に相手の枠から風船をはみ出させた方が勝つ。 

 ちょろっとAmazon覗いたら、新品はお値段1万だったよ! 

https://www.amazon.co.jp/エンジェル-メガハウス-美少女戦士セーラームーンSSふわふわパニック/dp/B000068GY7

 (一瞬すごいと思ったけれど、中古は1000円位でした。普通のお値段。)
 

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 なぜこの令和になってふわふわパニックをしていたかというと、点検をしていた(と称して純粋に遊んでいた)ため。一年に一回は起動させて動作確認をしようと決めているのです。何せうん十年前に作られた代物ですからね。

 せっかくなので、点検の一部をご紹介!


 
 まずはテレビのある部屋に本体を運びます。

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 時代を感じる・・・何とエモいのだろう・・・
 しばらくパッケージを眺めましょう。

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 満足したら組み立てます。

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 よし!


 いよいよスイッチオン。

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 この瞬間はいつもドキドキです。2007年に公式の修理受付が終了しているので、もしここでつかなかったらと思うと怖い。

 大丈夫かな、きちんと起動するかな。

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 立ち上がった!!!
 パチパチパチパチ👏

 おめでとうスーファミ、ありがとうスーファミ!

 さて、いつもなら自分もコンピューター(CPU)も甘々な難易度でテストプレイするところですが、今回せっかく記事にするので、ちょっと新しい試みを。

 題して「自分はどのくらい成長したのか確認テスト」〜パチパチパチパチ👏
 
 かつては 自分→やさしい 相手→むずかしい にしてもCPUに負けてばかりだったちびっ子の私。今回は自分の難易度を少しずつ高くして、どのくらいCPUに追いつけるかを試します。



 
 このソフトが私の元へやってきたのは5〜6歳頃のこと。
 当時セーラームーンが大好きで、それならばと親が誕生日プレゼントとして贈ってくれたものだった。人生初のゲーム機に夢中になっていた思い出が蘇る。

 その3年後にはニンテンドー64の「ピカチュウげんきでちゅう」にハマってしまい、それ以降スーファミはずっと実家の押し入れの奥底にしまわれていた。

 奥底から引っ張り出したのは2年前。64から離れニンテンドーDSへ、それすらからも離れスマホのゲームアプリへ。そうやって目移りする間にスーファミで遊ぶ者は誰もおらず、自分自身は実家から離れた。断捨離の流行る今、誰が捨ててもおかしくない状況であったが、幸いなことに家族に断捨る人は誰もおらず、ただそこに置き放しにしてくれていた。
 そんなもんだから、一昨年の大掃除の際にうん十年ぶりに再会したのだ。

 再会した時の思い出はすぐ記憶の引き出しから取り出せる。
 
 スーファミの箱の表面にはびっしりと砂埃が堆積していた。それでも蓋を開けると綺麗なままの本体がいて、胸が熱くなった。起動してもしなくても、この子を持って帰ろうと決めた。
 
 慎重に持ち帰ってから、おそるおそる電源を入れた瞬間。パチンとスイッチを切り替えると、ふっとテレビの液晶モニタが反応し、懐かしいメロディと共にスタート画面が表示された。

 懐かしさがどっと押し寄せてきて、心の底が熱くなった。生きてる…!

 たまに2Pのコントローラーが上手く作動しないことがあるけれど、その他は損傷なく動いてくれている。

 嬉しすぎて、部屋で勉強中の夫を呼んで対戦した。夫は飲み込みが異常なほど早く、2〜3回目で私と互角に戦い、5回目で私に圧勝した(情報処理能力がずば抜けている…!)

 負けてしまったというのに、その時の私はとてつもない嬉しさと幸せを感じていた。
 
 

 まずは自分も相手も中レベルの「ふつう」で挑戦。風船の色は4種。私はマーキュリー、CPUはうさぎちゃん。

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 一戦目。久々の対戦に余裕をなくして、途中経過を撮れず。

 まずは1点先取(2点先取をした方が勝ちとなる)。シャッターのタイミングが悪すぎて何を表しているか分からない写真になってしまった。

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 二戦目。コツを思い出してきたので途中経過を撮ることができた。

 マーキュリーの必殺技「アクアラプソディー」。自分の枠にある銀色お邪魔風船が全て水色風船になる。
 お邪魔風船はビームを打つだけでは割れない(お邪魔風船に隣接且つ2個以上並んだカラー風船を割ることでやっと消える)のでありがたき技。

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 うさぎちゃんの必殺技「ムーンゴージャスメディテーション」。相手の枠の風船を全て小さい風船にする。小さい風船同士は並んでいてもコンボで消せなくなるので、やられた側にとってはやっかいな技。

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 こちらはうさぎちゃんの変身シーン(胸熱)。
 技を使いすぎたりしてパワーががなくなると、変身が解けてしまう(変身が解けると並んだ風船であっても一個ずつしか割れなくなり効率が悪くなる)。風船を5つ割るとまた変身できる。

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 二戦目は余裕でクリア!
 徐々に難易度を上げるつもりだったけど、次で一気に難しくしてもいいかな。


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 5歳の私よ、君は想像できただろうか。
 幼稚園から帰ると、ひとりぽつんとCPUのうさぎちゃんと戦っていたことが多かったね。


 ひとりぽつんというのは語弊がある。きっとゲームの接続やセッティングは母が対応してくれていた。


 セッティングが済んだら、母はきまってその場を離れるので(きっと何回かは一瞬に遊んでくれていたとは思うが、残念ながら記憶にない。その間きっと家事をしてくれていた)、私は一人でひたすら画面の中の風船を割っていた。

 当時はルールや戦略も何も分かっていなかった。ただひたすらAボタンを押して、左右に移動して、たまにBボタンを押して。
 毎回CPUのうさぎちゃんに負けて、自分が操作する1Pのうさぎちゃん(大抵うさぎちゃん vs うさぎちゃん を選択していた)が泣き崩れる姿ばかりを見て。それでも懲りずに何度もCPUに対戦を挑んだ。

 
 なぜ勝てないのか分からなくて一人で悔しがっていたちびっ子の私よ。


 何十年先の未来ではきちんと勝てるからそういじけるな(笑)。そしてたまに夫と二人で遊んでいるよ。そしてほんのたまに母と妹とも遊んでいるよ(というか妹が生まれることすら当時は想像したことすらなかったかね)。

 自分も相手も中レベルの「ふつう」を余裕でクリアしたので、
 今度は自分→むずかしい 相手→やさしい 
 
で挑戦することに。一気に難しくしてみよう。
 キャラは、かつての私が選んでいた自分もCPUもうさぎちゃんコースで。

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 むずかしいモードは風船の色が5種類。かつ小さい風船が多め。小さい風船は2回ビームを撃たないと割れない仕様。

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 一戦目。舐めてた。大量のお邪魔風船にやられて惨敗。相手がコンボを繰り出す前にうさぎちゃんの必殺技(風船全部ちっちゃくしますメディテーション)を仕掛けてコンボを阻止しなければ。

 二戦目。めちゃ苦戦の上勝ち(余裕なくて写真なし)。この作戦で次もいこう。

 三戦目

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 勝ったど・・・!!!


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 対戦中に写真を撮る余裕は一切なかったが、最後の画面は撮れた。


 自分→むずかしい 相手→やさしい 
 で勝てたのは、何とこれが初めてだ。久しぶりに白熱した対戦ができた。


 自分はどのくらい成長したのか確認テスト
結果発表



かなり成長した!




 今回の点検はここまで。毎年一回の頻度で点検するつもりだったけど、楽しいからまた年末に遊ぼうかな。
 

 ねえ、うさぎちゃん。

 ひとりぽつんとしていると、ふとさみしくなることがあった。
 そんな私に、うさぎちゃんはとことん付き合ってくれたね。


 5歳のちびっ子相手にしては容赦ない強さだったけれど、その強さは、さみしさを吹っ飛ばしてくれた。

 
 時が経っても、うさぎちゃんはずっと待っていてくれていた。
 
 
 うさぎちゃんだってきっとさみしかったはずなのに。変わらず、壊れず、待ってくれていた。


 だから、今度は私がとことん付き合う。
 ずっと大切な友達だから。


 これからもたくさん対戦しようね!
 

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