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memo19【長野式治療】筋緊張緩和処置について。

この処置法は生体の錐体路系を介して、経絡の少陽経すなわち足の少陽胆経、及び手の少陽三焦経の特定点に鍼灸の刺激を加え、脳レベルから脊髄レベルへと反対側(筋緊張側)の筋緊張を緩和せしむる処置法である

長野潔、「鍼灸臨床わが三十年の軌跡」

筋肉の攣縮やこわばりに対して、それらを緩和する目的で使用できる処置となっています。
攣縮(れんしゅく)というのは、断続的に生じる異常な筋収縮状態であり、痛みを伴うこともあります。反射的に筋肉が収縮しているため、筋肉は虚血状態になり、痛みが出ます。脳梗塞などが原因となることがあります。

選穴は「丘墟」「上四瀆」です。
丘墟は足の少陽胆経の原穴です。上四瀆は聞き慣れない経穴ですが、通常の四瀆(三焦系)の二横指上、およそ前腕を3等分して肘から3分の1に取ります。この2穴でも緩まないときは、胆経の「陽陵泉」も併せて使うと良いようです。
そして、これらの経穴は必ず筋緊張と対側に取ります。

筋緊張と対側に取穴する理由は、錐体路による下行性神経路を利用するからです。
鍼の刺激は、知覚の伝導路を通って大脳の知覚野に伝わります。知覚野で刺激を受け取ると、運動野から情報を発して錐体路で左右交差して反対側の筋へ情報が伝達されます。

知覚野に入力された後に運動野からの情報が筋に伝わるというところは、なぜこのような反応が起こるのか正直なところよくわかりません。本にこう書いてありました。
上脊髄反射か何かだとは思いますが…

中枢神経(脳)の反射を利用するので、頭部をまとっている少陽経絡である
胆経と三焦経のツボを使うのです。

筋緊張が緩和したかどうかの評価には、胸鎖乳突筋を利用します。胸鎖乳突筋は姿勢維持に利用される筋で筋緊張が亢進しやすいからです。
つまむことで硬さを簡単に確認できますので、胸鎖乳突筋がゆるんでいるかどうかで刺鍼の効果が出たかどうかを確認しましょう。

参考文献
長野康司 よくわかる長野式治療 医道の日本社

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