「ニューノーマル時代のワークライフ変化」20,000件の相談内容をもとに、実態調査結果を発表。
働く人にとって、2020年は試練とチャレンジの年となりました。
コロナ前とコロナ後では、私たちコンシェルジュに寄せられるご相談にも変化が見られました。
これまで、コンシェルジュに寄せられてきた従業員のご相談1件1件を、
データとして蓄積してきた弊社TPOでは、この変化を「働く人が抱える社会課題」として捉え、実態調査を行い、このたびリリースを出しました。
私生活と悩みのニーズの変化
創業以来、「公私融合」を会社のコンセプトとして掲げてきましたが、
新型コロナ感染症の拡大によってこの言葉の重要性に多くの人が気づき、従業員のウエルネスを考える上で欠かせない切り口であると認識していただけたことは、私たちにとって予想もしない変化でした。
私生活と仕事。
両方の歯車がその時々の状況に合わせながら、お互いを補完し合うように
上手に回ってこそ良いメンタルの状態が得られ、
最大限のパフォーマンスが発揮される。
それこそが、公私融合です。
コロナ前までは多くの人からコンスタントに寄せられていた、
「会食やプライベートでの親睦会のレストラン探し」
「コンペの会場となるゴルフ場探し」
「長期休みを利用した短期留学やプログラムのご案内」
「子ども連れで行くハワイの過ごし方」
このようなご相談はほぼなくなり、変わりに目立つようになったのは、
「腰痛や肩こりがひどい。セルフケアの方法を知りたい。」
「寝付きが悪くなった。」
「子どもがコミュニケーション不足からか機嫌が悪く、親への口ごたえも
増えた。子供との関係を改善するための何かいい方法はありますか。」
「朝起きても、気分が晴れない日が続いています。」
まさに環境の激変による心身の不調や感染への不安から
「公使融合」が崩れた状態を反映するかのようなご相談が増えたのです。
これにより、仕事のパフォーマンスの低下を経験した人も少なくなかった
のではないかと推測します。
また、違う仕事のやり方を余儀なくされたり、
人に会う機会が大きく減少した影響も大きかったようです。
それまでの経験だけでは同様の成果を上げることができなくなり、
培ってきた自信が減退したかのような仕事への不安が、
行間から読み取れるご相談も増えました。
そして、4-5月頃と8月以降では依頼内容もまた変化していきました。
新しい生活様式に適応していく中で、従来と同じ課題も抱える一方、
新たな生活環境をきっかけに足下の生活を見つめ直したい。
働く人の声は、「今の日本社会の写し鏡」でもあるのです。
自分の幸せや、家族の幸せの価値観が変化
コロナ感染の不安が深刻化し、在宅勤務が広がった3月を境に
最も大きな変化を見せたのは、働く人々の関心が「外的関心*注1」から
「内的関心*注2」に大きくシフトしたことです。
*注1)外的関心の分野:旅、会食、ギフトなど
*注2)内的関心の分野:子育て、介護、ヘルスケア、自己研鑽、
住環境、資産形成など
住宅購入の立地は、「職場に通いやすく教育環境が良い都心エリア」から
「子供を育てたい環境を選んでリモートでも働きやすい郊外エリアへ」。
移住に関するご相談も寄せられました。
また、在宅勤務により浮いた通勤時間を利用して、
これからのキャリアを補強する資格取得のための勉強を始めたい、
これまで後回しにしてきた英会話の勉強に本腰を入れたい、
ボランティアをしてみたいなど
「仕事以外の場」において自分の個性を発揮したい、
と考える人も少なくありませんでした。
外的接触が極端に少なくなると、人は内省をするようになるのかもしれません。
「今まで大変な思いをして通勤していた時間は、なんだったのだろう。」
「飲み会も無くなってみれば、意外と楽かもしれない。」
「本当に自分のしたいことは、何だろうか・・」
「家族の幸せとは何だろう。」
そして。内省と同時に、
今まで見て見ぬ振りをしてきた「私生活の問題」も
顕著にあぶり出されていきます。
コロナによって生まれたのではなく、もともとあった課題と
正面から向き合わざるを得なくなったのかもしれません。
夫婦関係の見直し。
子どもとのコミュケーション不足。
在宅勤務期間中の「居場所」の不在。
お子さんとの関係性や信頼関係の構築が希薄だった場合、
ちょっとしたことで口論が増えたり、
急に勉強に介入し始めることで子どもの気持ちが落ち着かなくなったり。
コンシェルジュが向き合ってきたご相談は、
ニューノーマル時代に起きた変化そのものでした。
そして、そのニーズにできるだけお答えしたいと
お子さんの学習に寄り添う「ホーム・バディ」
「オンライン・キッズプログラム」
「マインドフルネス」
「ヨガ」
などの、オンラインイベントを開発。
毎日開催し、のべ17,000人以上の方が参加される人気プログラムとして
現在も成長し続けています。
一過性から伴走へ
また、たとえば、介護のご相談。
この分野はリピーターの方が最も多いご相談の一つです。
コロナ禍では、親御さんの入院、転院のご相談から始まり
やがて在宅介護や終の住処についてのご相談へ、
そして、それを支えているご自分の健康状態についてのご相談へと続き、
コンシェルジュサービスが「個人に伴走できるサービス」であるという、
他の福利厚生サービスではなかなか見られない大きな特徴を
よく表わす結果となりました。
企業の人事担当者がコンシェルジュサービス導入を検討される時に、
「どんな依頼を受けるんですか?」
「どんな人が答えるんですか?」
と言ったことをよく質問されます。
裏を返すと、このサービスの良さや可視化しづらい価値を
「聞いただけではイメージしにくい」ということが言えるのだと思います。
世界がSDGsに取り組む今、企業は持続可能な職場、
従業員がいつまでも働き続けることができる環境に
目を向けていく必要があります。
コンシェルジュサービスは、まさに持続可能型の福利厚生サービス。
第三者だからこそ打ち明けてもらえる個人の私生活に向き合うことで
人生のライフステージの節目に寄り添い、
仕事をしていれば必ずどこかのタイミングで訪れる「困った」場面で、
真っ先にコンシェルジュを思い出してもらい、
何らかの水先案内ができる・・・。
コロナ禍の緊急事態宣言で学校が休校になり、
出社も外出も制限されていた時期がようやく明けた頃。
契約企業の方から、こんな言葉をいただきました。
「あの頃、(コンシェルジュさんが)親子にとって
唯一の社会の窓でした。」
ぜひ、リリースをご一読いただき、
コメントをいただければ嬉しい限りです。
<文:コーポレートコンシェルジュ / 田中水美>
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