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題名決まってません!!何かしらのメッセージを込めたお話です(1)

1章 「神様の国」

  

 ここは命を送り出す、神様の国。今日も地球に一つの命が送り出されようとしています。

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 彼の名前は”たぁ”。好奇心が旺盛で活発な子です。”たぁ”は、地球に送り出されるのを、今日か今日かと待ち侘びていました。なぜなら”たぁ”は地球の本やヒーローが大好きで、もし地球に送り出されることになったら、それらをめいいっぱい楽しみ、幸せな人生を送ってやると心に決めていたからです。

 いよいよ”たぁ”が送りだされる番になりました。地球に続くスライダーの前には、番人である神様が立っています。神様は言いました。

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神様「いよいよ君の番だよ、”たぁ”。君は地球でどんな人生を送りたい??」

”たぁ”は答えます。

”たぁ”「最高に幸せで、イカした人生です!!」

そんな”たぁ”に神様はこう言いました。

神様「とても良い答えだね。じゃあ、君に1つアドバイスをしよう。幸せでいるための秘訣の1つは”ありのままでいること”だよ。良いかい?自分を見失っちゃあだめだ。ありのままでいることこそ”幸せ”なんだ。よし!じゃあ行っておいで。最高に幸せでイカした人生を!!」

 ”たぁ”は勢いよくスライダーに乗り込みました。地球に到着するまでのわずかな時間で、神様からもらったアドバイスについて考えました。

”たぁ”「ありのままでいるだけで、最高な人生が送れるのかあ。そんなのすごく簡単じゃないか!地球に行くのがますます楽しみだー。」

 こうして”たぁ”は地球に生まれることになったのです。


2章 「小学校」

 

 ”たぁ”は小学生になっていました。神様の国でのことは全く覚えていませんが、相変わらず好奇心が旺盛で本とヒーローが大好きな、活発な子でした。だから、すぐにお友達もでき、楽しい小学校生活を送っていました。

 小学校3年生の夏休み明けのことでした。”たぁ”は少し面倒臭いと思いながらも、楽しい1日になることを疑いませんでした。学校に着くとすぐ、仲良しの子に

”たぁ”「昨日の『キャプテン・マン』見た??カッコよかったよね!!」

と話しかけました。「キャプテン・マン」とは地球で放送されているヒーロー番組です。”たぁ”はキャプテン・マンが大好きでした。すると、友達は

友達「”たぁ”、まだそんな子供っぽいもの見てるの??もうそんなもの誰も見てないよ。『呪いの刃』みてごらん?それに比べたら『キャプテン・マン』なんてくだらないよ。」

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”たぁ”は呆気にとられました。夏休み前までは、みんなで「キャプテン・マン」で盛り上がっていたのに・・・。急においていかれた気がして、焦り始めました。

 ”たぁ”は帰ってすぐに「呪いの刃」を観ました。正直、「キャプテン・マン」の方が面白いと感じましたが、今の”たぁ”にはみんなにおいていかれるかもしれないという、不安がありました。

 また、”たぁ”はお小遣いで「呪いの刃」のグッズをたくさん買いました。そうすればみんなとまた、たくさんお話しができると思ったからです。

 その目論見は完全に当たりました。”たぁ”はすぐにみんなの話についていけるようになり、以前のように楽しくお話しできるようになりました。

 ”たぁ”は「キャプテン・マン」を視聴し続けましたが、学校で「キャプテン・マン」について話すことは止めてしまいました。それどころか、家で「キャプテン・マン」を見るときも、なんとなく恥ずかしさを覚えながら視聴するようになってしまったせいで、以前より夢中になれなくなってしまいました。

 それから少しして、2年生の時に同じクラスだった友達と廊下でばったり会いました。去年、一番仲の良かった友達です。彼も「キャプテン・マン」が大好きで、彼とは毎日飽きることなく「キャプテン・マン」について語ったものでした。彼は、こう話しかけてきました。

友達「昨日のキャプテン・マン見た??カッコよかったよね!!」

”たぁ”はそんなことを聞いてくる彼に、なぜか嫌悪感を覚えました。”たぁ”も昨日の「キャプテン・マン」を視聴し、カッコよかったと思っていたのにです。そして、”たぁ”は友達にこう言い放ってやりました。

”たぁ”「まだそんな子供っぽいもの見てるの??もうそんなもの誰も見てないよ。『呪いの刃』みてごらん?それに比べたらキャプテン・マンなんてくだらないよ。」

”たぁ”は大きな優越感を得るとともに、少し体が重くなるのを感じました。


3章 「中学校」

 

 ”たぁ”は好奇心が旺盛でした。だから、よく「何で?」という言葉を使いました。それは中学生になってもそうでした。

 数学の問題の公式について「何でこんな式になるんですか?」と聞いたり、学校の校則について「何で前髪が眉にかかってはいけないんですか?」と聞いたり、とにかく疑問に思ったことは何でも聞いていました。

 そんなある日、三者面談がありました。教室に”たぁ”と親と先生が一同に会しました。こんな状況、なかなか無いので「リベンジャーズ集結みたいだな」と、”たぁ”は少しワクワクしていました。軽い挨拶を済ませ、担任はこう言い放ちました。

「”たぁ”さんはいつもくだらない質問ばかりをして、先生や他の生徒を困らせています。正直言って、このまま高校生になり、社会人になった後のことを考えると非常に不安です。親御さんからもよく聞かせておいてください。」

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 面談後の母親との帰り道、ずっと嫌な雰囲気でした。あんなことを言われるなんて思ってもいませんでした。”たぁ”はくだらない質問をした覚えはありません。ただ疑問に思っただけだから聞いただけです。重苦しい空気の中、母親が口を開きました。

母親「なぜあなたは『普通』にできないの??」

 よく見ると母親は涙を流していました。その一言と涙に”たぁ”は大きなショックを受けました。自分が「普通じゃない」と思ったことはありませんでしたが、確かに周りの人は”たぁ”のように質問はしません。自分が「普通」でないことで母親が悲しむなら、「普通」になれるように努力しよう、”たぁ”はそう決意しました。

 まずは「くだらない」と言われた質問をすることをやめました。いくら気になることがあっても、好奇心を押し殺し、「普通」にできるように努めました。そうすると先生から

先生「お前はすごく成長した。素晴らしい。」

と褒められるようになりました。褒められること自体も嬉しかったし、これで母親が悲しむこともないと思うとすごく安心しました。

 ”たぁ”は大きな安心感を得ました。同時に体が重くなるのも感じていました。”たぁ”はそれを無視しました。


4章 「高校・大学」


 ”たぁ”は高校生になりました。中学校の三者面談の時に「普通」になると誓ったあの日から、”たぁ”は「普通」であるための努力を欠かしませんでした。「普通」でいれば安心感が得られると分かったからです。

 ”たぁ”は本が好きでした。しかし、最近の高校生は本を読むくらいなら「アウト・ムーン・グラム」というSNSをするのが「普通」らしいです。そこでは「映える」食べ物や風景を撮ったり、ダンスをして音楽をつけて投稿したりします。だから”たぁ”は本を読むのをやめ、「映える」を探すようになりました。体が少し重くなりました。

 ”たぁ”は朝型の人間でした。だから、朝に勉強するために、夜は早く寝ていました。しかし「普通」は夜中まで友達と通話しながら勉強するらしいです。だから”たぁ”も朝に勉強するのを辞め、夜中に友達と通話しながら勉強するようになりました。体が少し重くなりました。体調も少し悪くなりました。

 大学生になっても「普通」を意識して生活しました。

 大学生は夜中まで飲み会をして騒ぐのが「普通」みたいです。夜も、騒ぐのも苦手だけれど、それに倣いました。体が少し重くなりました。

 大学生は彼女がいるのが「普通」らしいです。頑張って彼女を作りました。彼女ができたのは嬉しかったので、体は重くなりませんでした。

 大学生はたくさん遊んで「アウト・ムーン・グラム」に充実している様子を投稿するのが普通みたいです。別に遊びたいと思わないときも、暇な時間を作るのは「普通」じゃないので頑張って遊びました。体が少し重くなりました。

 ”たぁ”は、いつの間にか、何をしていても楽しくないことに気づきました。なんていうか、「楽しい」って気持ちに大きな重りがついているみたいな感覚です。でも、”たぁ”にはなぜこんな感覚になっているかわかりませんでした。

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5章 「不思議な夢」


 相変わらず、全く楽しいと感じなかった飲み会の後、”たぁ”は不思議な夢を見ました。会ったことのない、けれどどこか懐かしい感じのする男性が話しかけてくる夢です。

???「いいかい?自分を見失っちゃあだめだ。ありのままでいることこそ”幸せ”なんだ。」

 夢の中の男性はそう言った後、大きな鏡を見せてきました。鏡なんて見せられてもそこには”たぁ”が写っているだけ・・・と思いきや、そうではありませんでした。そこに写っていたのは大きな塊でした。よく見慣れた、”たぁ”の体は見当たりません。よーく見たら塊の上からひょこっと顔が出ています。見るからに苦しそうです。

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 夢の中の男性は鏡を見せた後、悲しそうな顔をして去っていきました。そして男性が去るのと同時に目が覚めました。

 いつもは夢の内容なんてすぐに忘れてしまうのに、今回の夢は鮮明に覚えていました。何度思い出しても鏡に映し出された”たぁ”の姿にはギョッとします。恐ろしく重そうで、ずっと苦しそうでした。そして、男性の「ありのままが幸せ」という言葉・・・。何か引っ掛かりを感じたまま、大学へ行こうと家を出ました。

 ”たぁ”は家の外に出た瞬間、腰を抜かしそうになりました。たくさんの大きな塊が街中を動いているんです。夢の中で鏡に写っていた”たぁ”のような塊です。人間は全く見当たりません。まだ夢を見ているのかと思い、ほっぺをつねりますが、しっかり痛みを感じます。ということは、夢ではありません。とりあえず、家に戻り友達に電話をします。

”たぁ”「街中、変な塊だらけだけど大丈夫!?」

友達「何言ってるの?まだ酔ってる?遅刻するよ。早く来いよー」

 そう言って通話を切られました。”たぁ”はますます混乱しました。念のためもう一度外に出てみますが、相変わらず塊がうごめいています。”たぁ”は途方に暮れてしまいました。




                            続く



 なんか物語を作って見たいと思い、勢いで作ってみました!!文章めっちゃ読みにくかったと思うのですが、ここまで読んでくれてありがとうございます。次で完結する予定なので、よければ次も読んでやってください。

 後半も書き終えたら、もっと練ったものを投稿する予定です。一応、プロトタイプ的なものなので、もしアドバイスとかあったら教えていただけると幸いです。

 

 

 

 

 

 


 







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