「愛するものを守るのは世界で最も自然なこと」〜エターナルズから学ぶ〜
○場面説明
このセリフはMCUの最新映画、”エターナルズ”で登場したセリフです。
エターナルズの新リーダーを託されたセルシは迷っていました。自分に本来課せられたエターナルズとしての使命と、自分自身の心の間でです。
エターナルズは地球の知的生命体(つまり人類)の発展を手助けすることを命じられ、5000年ほど前に派遣されました。当時地球には人類をも捕食するディヴィアンツが生息していました。ディヴィアンツから人類を守り、発展を見守るのが主な任務でした。
セルシは地球に訪れたその日から地球人を愛し、5000年もの間積極的に地球人と関わってきました。
時系列を現代に戻します。セルシは新リーダーになったあと、エターナルズの派遣主であるセレスティアルズ、アリシェムからエターナルズの任務の真の目的を告げられます。真の目的とは
人類を発展させることで人口を増やし、知的生命体の発するエネルギーを増やすことで、そのエネルギーを餌として成長する、新たなセルスティアルズ(ティアマト)を生み出すこと。
でした。ティアマトは地球の中心で眠っています。そして、彼を始めとしたセルスティアルズは超巨大で、そのサイズは地球並みです。必要なエネルギーが溜まり、彼が目覚めたら地球は内部から崩壊し、言うまでもなく人類は滅亡してしまいます。
そもそもなぜセルスティアルズを目覚めさせる必要があるのかというと、超端的に言えば、
宇宙のエネルギーには限りがある。だから定期的にリセットしなければ宇宙はいずれ闇につ包まれ、全ての生命が滅ぶ。セルスティアルズは新たなエネルギー(恒星)を生み出すことで、新たな生命を生み出すことができる。だからセルスティアルズを誕生させることが必要である。
ということです。
セルシは迷っていました。「新たな生命を生み出すセルスティアルズの誕生を助ける」か「愛する人類を守るためにセルスティアルズを殺すか」。
究極的に言えば「新たに生まれる可能性のある多くの生命を見捨てるか」、「人類の生命を見捨てるか」という選択になります。セルシは、どちらがより自然の摂理として正しいのかで迷います。
そんな迷えるセルシに同じくエターナルズのセナが放ったセルフが本記事タイトルのセリフです。
「愛するものを守るのはこの世界で最も自然なこと」
○この場面を受けて
MCUの映画はヒーロー映画です。だから、よく「正義とは何か」、「正しい行いは何か」という問いが主題となります。
そんな問いの中でも映画”エターナルズ”での問いはスケールが大きく、そう簡単に判断できることではないでしょう。私は人類ですからセルスティアルズの計画に対しては怒りを覚えますが、宇宙の秩序を守るエターナルズとしては非常に難しい選択だと思います。
しかし、そんな難しい問いへの今作の答えは、非常にシンプルでした。「愛するものを救え」と。
その判断が宇宙全体で見たときに正しかったかはわかりません。きっとセルスティアルズなど、宇宙全体の視点を持っている存在からすれば迷惑極まりない判断だったでしょう。しかし、私はこのセリフを聞いたとき鳥肌が立ちました。
選択の規模が大きくなればなるほど自分の意思というのは反映できなくなります。簡単なところでいうと、二人で行く旅行の行き先を決めるときに自分の意思を反映させるのは容易ですが、修学旅行などで自分の意思を反映させるのは非常に困難です。
だから、選択の規模が大きくなればなるほど、秩序を守るために自分の意思を押し殺さなくてはならなくなります。
映画”エターナルズ”でのセルシの選択は私たちがかろうじて想像できる、最も規模の大きな選択だったのではないでしょうか。先ほど規模が大きくなればなるほど自分を押し殺す必要があると言いましたが、セルシがとった決断は「愛する人類を守る」という自分の心に従ったものでした。
このことから私が考えたのは、正解がわからない規模が大きすぎる問いに対して、議論を尽くしてそれでも正解がでなければ、結局自分自身の良心に従って答えを出すしかないということです。
「良心」というのが非常に重要で、生命、秩序、倫理などをしっかり考えるのはいうまでもないですが。
自分の良心に従って下した決断には大きな責任も伴うと思います。セルシもこの先責任を取らなくてはならないでしょう。しかし、自分の良心に従って決断したということ自体に意味があるのかなと考えます。
私も今後、大きな決断を下す必要があるでしょう。議論を尽くしてそれでも結論が出なければ、責任を持って自分の良心に従って決断していければいいなと思います。責任逃ればかりしている政治家とかを見ると相当難しいことだとは思いますが・・・。でも、ムジョルニア持つためです(笑)。
ここまで読んでくれてありがとうございました!!ベリベリ感謝です!。また次の記事もよろしくお願いします。
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