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子どもにとって、『居場所』はすごく大事だと思う。〜子ども食堂での経験を通して〜


 私は子ども食堂で学習指導員をしています。子ども食堂とは、何かしらの事情で家庭内で食事が満足に取れなかったり、家庭内や学校で居場所がない子に食事や『居場所』を提供する場です。

 先日、子ども食堂でクリスマスパーティーがありました。内容としては普段は一緒に活動することのない小学生と中学生が1つの場所に集まり、ビンゴゲームをしたり、一緒に食事をするといったイベントでした。

 クリスマスパーティーは大成功でした。みんな本当に楽しそうに友達と笑い合ったり、先生と話したり、会場内は笑顔であふれていました。私はこの光景を見て、この子ども食堂は子どもたちにとっての『居場所』になっているんだなと嬉しくなりました。

 クリスマスパーティー後、去年までここに通っていた現在高校一年生の子にたまたま会いました。近況を尋ねると高校でも楽しくやっているようで、こっちも嬉しくなりました。

 そしてさらに嬉しい報告もありました。なんとその子は子ども食堂で仲良くなった同学年の子たちと未だ親交があるみたいです!みんなそれぞれ全く異なる高校に進学したので、徐々に疎遠になっていくのだと思っていましたが、今もなお仲良しで「子ども食堂に高校生も行けたらいいのに」と言ってくれてるみたいです。

 クリスマスパーティーとその子の話から、私は子ども食堂が確かに『居場所』としての役割を果たせていることを実感しました。

 

 私は学習指導員なので勉強を教えることが1番の仕事とされています。しかし私は密かに子どもの『居場所』を作ることを1番の目的として活動しています。この記事でもやたら『居場所』というワードを強調してましたしね!

 なぜ私が『居場所』を作ることにこんなに拘るのか、それを共有できたらなと思います。ぜひ、ここから先も読んであげてください!!


 まず、子ども食堂に通ってくる子どもたちにどんな子どもたちが多いかについて。正直、勉強がかなり遅れている子が多いです。

 そして、家庭内、もしくは学校生活で何かしらの問題を抱えている子が多いです。

 また、相対的に貧困に陥っている家庭の子どもが多いです。

 では、これらの3つは全く無関係なのでしょうか。結論から言うと、関係する場合が多いです。

 この中で最も根源にあるのが3つ目の経済的な問題です。経済的問題を抱える家庭はそうでない家庭に比べて、より良い教育を行うのが非常に難しいというのは想像に固くないでしょう。このことに対して深く考えた記事がこの2つになります。よかったら読んでみてください!⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎

 その結果、貧困家庭とそうでない家庭に様々な格差を生みます。一番想像しやすいのは「学力格差」でしょう。経済的にゆとりのある家庭は子供の学力をあげるためにお金をつぎ込むことができます。反対にお金に余裕のない家庭ではいくら良い教育をしてあげたくても、断念せざるを得ない場合が多いです。

 格差が「学力格差」だけならまだ良いんです。でも、残酷なことに経済格差はたくさんの格差を生みます。その中でも特に致命的な格差があります。それが「非認知的能力の格差」です。

 非認知的能力とは何か、言葉にするのは非常に難しいのですがとても良い表現をネットで見つけたので使わせてもらいたいと思います。非認知的能力とは

 「学力テストなどでは数値化されない、子どもの将来や人生を豊かにする力」

 です。具体的には、「あらゆるものに感動する力」、「目標に向かって努力する力」、「他人と円滑にコミュニケーションをとり、協力する力」などです。

 「非認知的能力の格差」は「学力格差」より致命的であると私が述べる所以はここにあります。

 経済的に余裕のない家庭の子供はそうでない子どもに比べて将来や人生を豊かにできないということになってしまうからです。

 たまに見ませんか。やたら店員さんに高圧的な態度をとる人や、喧嘩っ早い人など思いやりのかけらもない人達やすぐに相手を否定する人、何をしても頑張れない人、すぐに諦めてしまう人などです。ああいう人たちは確実に「非認知的能力」が欠けています。

 こういう人たちは中々社会に受け入れられません。そしてそうなると社会に不安が溜まります。結果的に犯罪に手を染めてしまったりするわけです。こんなんで幸せな人生を送るのは非常に難しいと思われます。

 だから私はなるべく子どもの「非認知的能力」で格差が生まれないように子どもたちと関わっていきたいんです。

 この考えのもと生まれた私の子供との接する上での考え方が、子ども達の『居場所作り』です。


 『居場所作り』が「非認知的能力」の向上に関わるの?という疑問があると思いますので、順を追って説明します。

 「非認知的能力の格差」はどこで生まれるのか、私は「人との交流の格差」や「経験の格差」によって生まれるのではないかと考えます。

 経済的にゆとりのある家庭の子供は様々な場所に連れて行ってもらい、様々な人と交流することができます。その結果、他者理解能力やコミュニケーション能力が高まっていきやすいと考えます。

 一方で貧困家庭の子どもはどうでしょうか。行く場所が制限され、人との交流が限定されます。そんな環境で広い視点を持った人との接し方を身につけるのは困難でしょう。実際に、子ども食堂の子どもの中には「修学旅行で初めて県外に出た」という子も少なくありません。

 そしてこの両者の比較をすると、子供にとっての『居場所』に差があるということが分かります。つまり、「居場所の格差」が「非認知的能力の格差」を生むのではないかと私は考えているんです。

 学校とも家庭とも違う、新たな『居場所』になれるように子供と接し、子供同士をつなげてやることは、子供自身が交流の場を広げ、視野を広げる大きなきっかけになるのではないかと思います。

 これによって経済的に豊かな子との「非認知的能力」の差を少しでも埋める・・・、これが私が『居場所作り』を強調する理由です。

 

 そして・・・、「非認知的能力」の1つに「自分を愛し、自信を持つことができる」というものがあります。

 実は「居場所が多ければ多いほど、自己肯定感が高く、未来への希望を持ちやすい」というデータがあるんです。

 子どもが自分に自信を持てず、未来に希望を持てないって、何よりの悲劇だと思います。だから、私は積極的に子供の居場所になりたいと思います。

 「子ども食堂に行けば、〜先生が自分の話を聞いてくれる!!、〜くんや〜ちゃんに会える!!、学校や家と同じくらい居心地が良い!!」

 子ども達がこんな風に思いながら通ってくれる子ども食堂にできたらなって、すごく思います。


 残念ながら、私個人の力でできることなんてほとんどありません。できたら良いんですけどね😿。

 だから、これらの問題を社会全体が共有し、大人一人一人が子供の『居場所』になれるように働きかけていく必要があります。

 そしてその働きかけは犯罪者や社会不適合者を減らし、良い納税者を増やすことに繋がります。結果的に良い社会を作ることに繋がるんです。

 子供は未来です。私たちが子供達に愛情たっぷりに関われば良い未来として還ってきます。逆に苦しんでいる子供を見て見ぬ振りをし、薄情に関われば悪い未来として還ってくること間違いなしです。

 良い未来を作る一環として、『子供の居場所』を増やすことから始めてみませんか???


 ここまで読んでくれてありがとうございました!!

 

 

 



 





 

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