楽しんで理不尽と戦おう
『暗殺教室』を約5年ぶりに読みました。
最終巻である21巻を読み終えた時、私は号泣していました。
以前はそんなことはなかったのにどうしてでしょう??
5年前、私はまだ高校生。教育実習も、子ども食堂も、まだ経験していません。
きっと大学生活を通して経験を積み上げたことにより、『暗殺教室』という作品に深く共感できたのでしょう。
教員になって何年かしてもう一度読み返したら、もっと大きな感動が得られるに違いありません。今から楽しみです。
それほどに・・・、この『暗殺教室』という作品は素晴らしい作品でした。『暗殺教室』の中で、作中の生徒達とともにたくさんのことを学ぶことができました。
その中でも、私の心に残ったメッセージを紹介します。それが、
「楽しんで理不尽と戦おう」
です。
『暗殺教室』の舞台となるのは、とある有名私立高校のE組です。
E組は「エンドのE組」と呼ばれ、さまざまな差別待遇を受けています。
まず、本校舎への登校資格がありません。E組の生徒達は険しい山道を登り、木造の、めちゃくちゃボロい校舎で授業を受けなくてはなりません。
それ以外にも、行事に参加できなかったり、全校集会で笑い物にされたりと、かなり酷い扱いを受けています。
そんなE組にやってきたのが、超生物「殺せんせー」です。
殺せんせーは文字通り「殺せない先生」です。
マッハ20で空を飛び、タコのように無数の触手を持ちます。知能も極めて高く、先生としての能力も非常に高いです。
物語は「殺せんせー」を殺すことを最終目標として展開していきます。
殺せんせーは、生徒達による多種多様な暗殺をかわしつつ、差別待遇によって荒んでいたE組の生徒達を「お手入れ」していきます。
生徒達をよく観察し、それぞれの強みを見つけ、それらを伸ばし、全員が自分の強みもクラスメイトの強みも尊重して助け合える。殺せんせーはその人間離れした能力を使い、そんなクラスを作っていきます。
まさに私の理想とする先生像です。
そんな、凄腕教師の殺せんせーが徹底していたことがあります。それは、
「理不尽に正面から立ち向かわないこと」
です。
暗殺は正面から正々堂々と実行すると、高確率で失敗します。工夫を凝らし、入念に準備し、相手に直前まで死を悟らせないような暗殺であればあるほど、成功確率は高くなります。
世の中での立ち回りも、暗殺と似たようなものがあると殺せんせーは言います。
社会はたくさんの理不尽で溢れています。だから、自分が成功できない原因を社会の仕組みに求めがちです。
しかしそれは「時間の無駄である」、と殺せんせーは断言します。
そんな時間があるのであれば、今与えられた環境の中で、工夫を凝らし、入念に準備して、最大限にパフォーマンスを発揮できるようにした方が遥かに効率的だと。
圧倒的な理不尽を前に、腐ることなく、そのような方法でアプローチし続ければ、きっと道は開けると。
確かに、殺せんせーは作中を通して、理不尽の極みとも言えるE組への差別制度を変えようとしたり、否定しようとしませんでした。
与えられた環境をフルに使い、デメリットをメリットに変えながら教育を行っていきました。
そして何より、理不尽を前に絶望することなく、楽しみながら、理不尽と遊ぶようにして立ち向かうその姿からは、非常に多くのことを学びました。
「楽しんで理不尽と戦う」
この言葉を頭に思い浮かべるだけで、なんだか無敵になったような気がします。
これから様々な理不尽が私の前に立ちはだかるでしょう。
それは子供からの理不尽、同僚からの理不尽、保護者からの理不尽、多岐に渡ると思います。
私はそんな理不尽に正面から立ち向かうのでもなく、絶望するのでもなく、怒るのでもなく、「どんな風に殺ろうかな??」とワクワクしながら、楽しみながら、戦っていこうと思います!
ここまで読んでくれてありがとうございました!!
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