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『プロセス思考でビジネスが変わる』日常業務にプロセスの概念を持ち込もう!

ずっと読みたいと思っていて読めていなかった本を読むことができた。

『プロセス思考でビジネスが変わる』
土方 雅之

「プロセスマネジメント」を極めたいと思って日々業務をこなしている僕ではあるが、実はこの分野、意外とお手本となる教科書が少なかったりする。

IT向けの書籍はたくさんあるのだけれど、僕が求めているのはどちらかというとユーザー部門、オペレーション部署への指南書だった。

そんな中で出会った本が2冊。一冊目は、以前このnoteでも紹介したことがある『ビジネスプロセスの教科書』(山本政樹 著)。そしてもう一冊が本書というわけだ。

本書のターゲットは?

『ビジネスプロセスの教科書』は、ターゲット
となる層が少し上に設定されているようにも思う。ビジネスモデルを実行するためのビジネスプロセス。部署横断で業務理解、改善していくためにはどのような要素が必要となってくるのかを記述した名作だと思う。しかし、それゆえに敷居はやや高い。

一方で、『プロセス思考でビジネスが変わる』についてのターゲットは担当者レベル。日々の作業を失敗しないためには、すこしでも良くしていくためにはどのような取り組みが必要なのか。著者はその解として「プロセス思考」という造語を紹介しているのだ。

ひょっとしたら、本書を読んだ感想として「そんなこと当たり前だよ」「プロセス思考という言葉は斬新だけど、特に難しいことはしていないじゃないか」そう思う人だっているだろう。僕自身もそうだった。それでいいと思う。

日々の繰り返し作業をいかに再現性あるものにするか。どうやったら最短で結果を出せるか。特別なことは何も必要ない。頭の中でプロセスマップを描けるようになればいいのだ。著者はそれを「プロセス思考」と呼んで「簡単なことなんだよ」と伝えている。

「当たり前、簡単だから意味がない」のではない。むしろ逆で、「当たり前、簡単なこと、を実践していくことに価値がある」ということに気づくことが大切なのではないだろうか。

プロセスマネジメントの考えを広めるための良書

なぜプロセスマップが必要なのか。(著者の言葉を借りるなら、「なぜプロセス思考が必要なのか」と言い換えることもできる。)を伝えることは簡単ではない。僕もそれを伝えるのに何度も苦労した。

その説明を、これまでは自分自身の経験から導き出してきたが、本書ではその理由をより論理や実例を持って説明してくれているのでわかりやすい。

「プロセス」思考は業界・職種を問わず有用なものであり、本書のターゲットは非常に幅広い。日本でのビジネスの場において、より「プロセス」という言葉が馴染みあるものになってなって欲しいと願うし、本書が読まれることでビジネスプロセスという概念がもっと浸透すると良いなと思う。

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