『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す!
『クリティカルチェーン』
エリヤフ・ゴールドラット 著
なぜ、プロジェクトは予定通り進まないのか? という副題が示す通り、本書はプロジェクトの納期を最適化させるための手法を示している。
これまで読んたゴールドラット博士の著書は、理論よりの説明が中心だった。『ザ・ゴール』ではTOC理論が提示され、『チェンジ・ザ・ルール』ではそれが製造業以外の業界でも通じることが紹介された。
一方、本書ではTOC理論がプロジェクトマネジメントの世界でも生かせることを示している。その内容はかなり具体的だ。
「クリティカルチェーン」という言葉も、プロジェクトマネジメントの用語集にも加えられている。
本書の教えを、すぐに使える形で整理してくれている資料も多い。
たとえば、下に添付した資料。
クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメント
Taku Aoyama
https://www.slideshare.net/aoyamataku/ss-18358088
そのため、あらためて僕から共有できる知識は正直少ない。ただ、本書を読の内容とこれまでの経験が紐づいた部分は多くあり、それについては別記事で紹介したいと思う。
余談 ものづくりはプロジェクト?
プロジェクトマネジメントの学問は、ソフトウェア開発を中心に発展した。
プロジェクトマネジメントの資格ではPMBOKが有名で、これはソフトウェ開発に必要なマネジメントスキルを体系的に整理したものだ。
が、プロジェクトマネジメントスキルが求められるのはなにもソフトウェア開発だけではない。製造業でも建築現場でも、期限つきで顧客の要求する製品をつくるという点ではプロジェクトだ。
製造業に関しては、製品開発フレームワークは非常にソフトウェア開発と似ている。というより、ソフトウェア開発が製造業のフレームワークを模しているのかもしれない。
顧客の要求整理→要件定義→設計→製造→テスト(計測)→運用という流れは、ソフトウェア開発でも製造業でも完全に同じだ。
したがって、製造業関係者がソフトウェア開発のプロジェクトマネジメント手法を学ぶことは大変有意義だと思う。その逆もしかり。
本書でいう「プロジェクト」は、特に業界が限定されていない。製造業の話も出てくるし、ソフトウェア開発の話も登場する。プロジェクトマネジメントの知識体系が、業界問わず有意義なことを示す例ともいえるだろう。
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