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『管理しない会社がうまくいくワケ』②外向きマインドセットへの転換

『管理しない会社がうまくいくワケ』
アービンジャー・インスティチュート 著

前回の記事:
『管理しない会社がうまくいくワケ』①内向きマインドセットからイノベーションは生まれない

成功する組織の風土や文化についてを分かりやすく解説し、外向きマインドセットの重要性を強調する本書。利己的で内向きなメンバーから構成される組織は行き詰る。そしてノルマやインセンティブといった一見有効な制度によって、内向きマインドセットが形成されてしまっていることもある。

では、外向きマインドセットを形成しやすくする仕組みとしてはどうすればいいのか?今回はその点についての僕自身の意見をまとめる。

他人が自分の思い通りにいかないことを知る

業務やタスクの目的を明確にすることは素晴らしいこと。しかし、それに関わるメンバーをあたかも駒や道具のように扱ってはいけない。

他人が自分の思い通りに動くかどうかで人を判断するようになれば、損得勘定で人を評価するようになる。まさに内向きマインドセットだ。結果として、自分自身の視野を狭めることにもなるだろう。

マイクロマネジメントがその典型例だろう。業務の詳細を都度報告させ、気に食わない内容については干渉するのがマイクロマネジメント。その背景には、部下を自分の思い通りに動かしたいという内向きなマインドセットがあるように思う。

管理される側の立場から見ると、モチベーションやパフォーマンスの低下につながりかねない。それだけではなく、上司の顔を伺うようになったりただ作業を繰り返すだけということになってしまうリスクもある。部下も同様に視野が狭くなり、内向きマインドセット形成につながる。

もっと相手を知ろうとする姿勢を持つ

これから同じ目標に向かって協力する仲間に会ったとき、僕はできるだけ早い段階で以下のような質問をするようにしている。

①これまでの経歴は?
②これまでに達成した業績は何か?
③好きな業務はどんな業務か?
④嫌いな業務はどんな業務か?
⑤仕事は人生の中でどういった位置づけなのか?
⑥これまでの上司で最も尊敬する人は?
⑦これまで読んだ本の中で好きな本は何か?

興味関心を持ってもらうことを嫌がる人は少ないので、ほとんどの方が正直に答えてくれる。

これらの質問に対する答えによって、その人が大事にしているものや価値観が見えてくる。間違っても彼・彼女らの大事なものを否定してはいけない。やりたくないと思っていることをやらせてはいけない。尊敬する人や本に対しては、どれだけ自分が気に食わなくてもまずは受け止めてあげること。

もしその後の行動も通して彼・彼女が心から欲しているものが何かを気づくことができたなら、それをかなえるための方法を一緒に考えてあげることだ。そうすれば、自然と外向きマインドセットに近づくことができると思う。

特におすすめなのが⑦の好きな本について聞くという方法。他人の価値観を知るためには、通常であれば膨大な時間と関係構築が必要。しかし好きな本を教えてもらい、それを読むことによって価値観の「輪郭」を知ることが可できる。加えて共通の話題も作れて一石二鳥だ。ぜひやってみてほしい。

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