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コロナ禍の食卓を豊かに②「錫ちろりと日本酒の最強タッグ」

「ちろり」と聞いてすぐに何のことだか分かる方は少ないかもしれません。

居酒屋、和食屋さんで見かける日本酒用の酒器なのですが、今回は、その中でも錫(すず)で作られた「ちろり」をご紹介したいと思います。

 

数ある酒器のなかで圧倒的な存在感であり、初めてこの「錫のちろり」でお酒を飲んだ時は、
「この口当たりといい、柔らかさといい、なんだこれは!」
と身震いがするほど美味しいものでした。

 

そんな日本の伝統工芸品でもある「錫のちろり」にまだ、お目にかかっていないあなた! 
是非どこかの飲食店で試してみてください。

そして経験のある方は、ぜひコロナ禍の食卓に導入を検討してみてはどうでしょうか?

 

かなり高価で、日本酒を入れるだけの物にそんなにお金をかけるのは馬鹿らしいと感じるかもしれませんが、安い日本酒でもそのポテンシャルを最大限に引き出してくれることを考えれば、コスパは十分に満足いくものです。




錫(すず)の特性

イオン効果がある
熱伝導がいい
保冷性にも優れている
抗菌効果もある
解毒作用がある(諸説あります。)


こんな特性があります。



僕は10年前に家庭用のちろりと燗をつける陶器のセットを中古で購入しました。

運が良ければ、メルカリで安く手に入れられます。

どんな使い方をするの?

1.  短時間で熱燗をまろやかに


陶器の部分に熱湯を入れて、日本酒を注いだちろりをつけると約3分程度で飲み頃の50度になります。

もちろんお湯に浸す時間の調整で、肌燗、ぬる燗なども自由自在です。
また、蓋付きのちろりであれば、さらに香りを閉じ込めたまま温めることができます。

その温めた日本酒は、驚くほどまろやかであたりの柔らかいものになり、口の中で香りが広がります。

ここまで芳醇になると本当に余計に飲む必要がなくなり、舌を濡らす程度の日本酒の量で十分に楽しめるのです。



2. 冷酒を保冷して楽しむ
この錫の特性で、飲み物をある程度の時間、保冷することもできます。

これからの暑い時期でもワインクーラーに氷入れて準備する必要もなく、また、冷蔵庫に日本酒をいちいち取りに行かずに、冷たいまま食卓に置いておくことができるのです。  

あらかじめ冷蔵庫でちろりを冷やしておいて、日本酒を入れて蓋を閉めておけば良いのです。

3. 吟醸酒も燗にして楽しむ。
日本酒の原料である酒米の外側を削ることで真の部分だけ使用し、香り高いことが特徴の吟醸酒は、燗付すると香りが飛んでしまうことから、タブーとされています。
 

しかし、このちろりは、少しお湯の温度を下げることで、低温でゆっくりと燗をつけることができ、吟醸酒の香りを逃さず楽しむことができます。
 

蓋付きのちろりなら、なおさらです。

普段、温度をあげて飲めなかった日本酒を温めてみることで、その日本酒の楽しみ方、味の広がりの可能性を試すことができます。

4. 焼酎の水割りを楽しむ
あらかじめ冷やしたちろりに、焼酎と水を入れて3分ほど待ちます。
 

すぐに冷えることはもちろん、イオン効果でまるで前割りしてあったかのような、まろやかで美味しい焼酎が味わえます。



5. ハイボールも楽しめます。
こちらも同様、ちろりを冷蔵庫であらかじめ冷やしておき、ウイスキーとソーダだけで氷を入れないハイボールなんかも楽しめます。 

ゆっくりとグラスに移して飲んでみてください。
 

氷で薄まらない、最初から最後まで美味しい専門店レベルのまろやかなハイボールは最高です。

こちらは蓋付きではありませんが、少しお手軽なところですと、こんな商品もあります。


このタイプならば、お湯を鍋で沸かして、火を止めてからちろりを入れる。


これで最高の日本酒が飲めます。



多くのご家庭では、日本酒を温めるのに電気ケトル、やかん、鍋、電子レンジを使っていると思います。

しかし、電子レンジは最悪です。
 

分子を暴れさせて、その摩擦で熱を出して温める電子レンジは、便利ではありますが、これは日本酒の味をわざわざ壊してから飲んでいるようなものです。

 

便利だと失うことがあるというのは、何においてもそうかもしれませんが、僕は、電子レンジの熱燗だけは許せないのです。

 

ちなみにこちらはアルミ製のちろりです。
値段が全然違います。

現在は、鹿児島、富山などで錫製品は生産されていますが、実に丁寧なお仕事をされており、一時期は生産が追いつかず、品切れの時期が続いたことがありました。


日本の伝統工芸の代表格です。

その割には、使っている人が少ないのです。


ぜひ一度、このすずのちろりを試してみてください。
後悔はさせません。

ブログじゃ味と香りを伝えられない。
。。。



全ては、コロナ禍の食卓を豊かにするために!



とよしき

飲食業は最高に幸せなしごと。