頭と手を動かして考える新感覚の経営書!『武器としての図で考える経営』
今回は、『武器としての図で考える経営』をピックアップします。
皆さんは、日々の仕事の中で、 「現在の延長線上でしか解決策が出てこない」 、「結局、勘と経験だけが頼り。他社の真似か、対症療法的なことばかりしている」、などといった悩みを感じたことはないでしょうか?
特に、事業戦略や組織、マーケティングやイノベーションなど、重要な領域の意思決定をする際には、「この考え方でいいのかな?」と不安を感じる人は少なくありません。
本書では、そのような不安を解消するための方法として、 「図」を描いて考えることを提案しています。
なぜ「図」を描いて考えるのか?
なぜ「図」を描いて考えるとうまくいくのでしょうか?
著者は、企業の重要な意思決定をするうえで、 「図」を描くことは、「本質」に迫り、「未来」を構想するために欠かせないもの だと述べています。
ビジネスを取り巻く様々なことを、左脳的な文字や文章、数字だけで捉えるのには無理があります。もっと感覚的に、 イマジネーションを膨らませて右脳的に見て、考えることが効果的 で、それは「図を描いて考える」ことで実現できます。
なお、本書でいう「図」とは、以下のような 「概念図」 や 「構成図」 を指しています。
これらの図には共通点があり、それは、ものごとを 「抽象化」 する試みだということです。
複雑な事象を、図形や矢印で結ぶ。そうすることで、 シンプルに視覚化され、抽象化されたことで、論理のつながりやものごとの関係性を、はっきりと捉えることができます 。
つまり、「概念図」や「構成図」は、 ものごとの本質や大切なポイントを、私たちにはっきりと見えるようにしてくれる のです。
「図」を描き、抽象化して考えてみることで、経営に関する問題設定や課題解決に大きく役立ち、現在の延長線上にはない答えへと私たちを導いてくれます。
セブン-イレブンの強さの秘密を「図」で考える
それでは、企業にとって欠かせない「マーケティング」について、「図」で考えてみましょう。
マーケティングを考える際には、 「顧客起点」 で考えることが重要です。なぜなら、顧客が自らの欲望を満たす際に妥協している点、不便に感じている点を解消することが、ビジネスの出発点に他ならないからです。
それでは、 どうすれば「顧客起点」で考えられるようになるのでしょうか。 今回は、セブン-イレブンの事例から、顧客起点で考える方法について見てみましょう。
セブン-イレブンの強みとは、「売り逃さない仕組み」。
例えば、今の季節でも気温が上がると、セブンイレブンには、冷やし中華が陳列されます。しかし、翌日気温が下がると、冷やし中華はなく、普段通りパスタなどが並べられているのです。これは、「顧客起点」ゆえの強みと言えるでしょう。
セブン-イレブンが実現した「いつでも、どこでも、美味しいおにぎりを食べたい」を起点とする図を描くと、以下のようになります。
顧客起点で考えるには、 顧客の妥協点や不便な点を最初に書き出してから、自社はどうすべきかを考え、企業の活動へ遡りながら整合させていく ように、図を描いていきます。
皆さんの企業の製品やサービスでも、同様の図を描いてみてください。図で整理して考えることで、製品やサービスについて、顧客起点で考えるヒントが見えてくるのではないでしょうか。
「図」を描いて考えることで、他との差別化につながる
最近では、ビジネスへの影響因子として、社会貢献や環境、コンプライアンスなど、考えなければならないことが多くなり、ビジネスを取り巻く環境はますます複雑になっています。
本書を通して、企業経営を「図」を使って考えていく方法を学んでいくことで、 ものごとを抽象化し、全体の関係を捉えていくことで、今まで見えていなかったことに気付けたり、より本質に迫ることができる ようになるでしょう。それはきっと、他との差別化にもなるはずです。
皆さんも、今の仕事で抱えている課題を、「図」を使って解決へと導いていきませんか。
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