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縦書きと横書きについての私感

 こんにちは。銀野塔です。
 縦書きと横書きについて、漠然と感じたり考えたりしていることを。
 
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 先日、五行歌の会の九州合同五行歌会が開催された。南野薔子名で参加したわけだが、大きい歌会で上位にほぼ縁がない(参加回数自体も少ない)、大きくない歌会でもそんなに上位に入らない私が、なぜか今回1席を取ってしまった。それがこの歌である。

 縦書きのかたちは雨に似ている、というのはずいぶん前から思っていた。だが、普段何か書くのはもうほとんど横書きだ。特にPCやスマホなどで入力するものは圧倒的に横書きの確率が高い。
 縦書きなら雨と並行だが、横書きなら雨と交差することになる。そんなことを、ここのところの春の長雨というよりは梅雨のような雨続きの中で考えた。そこに叙情性を足すために「君」とか「午後」とかつけてみたのである。そこにどうやら多くの方が、その方々なりの深い心情を重ねてくださったようである。ありがたい限りである。
 
 なんとなくだが、縦書きは、雨に似ていると思っているせいか、ウェットな印象がある。それに対して横書きはソリッドな印象。これは、子どもの頃の理系教科の教科書が横書きだったこととも関連しているかもしれない。
 あと、私は字が下手なのだが、手書きで何か書く場合でも、横書きならば、罫線にぴったりつけて書くことが出来るのでなんとなく安心感がある。が、縦書きだと行の真ん中に書かねばならず、字配りに自信のない私にとっては非常に心もとなく書きにくい。考えてみれば、縦書きが雨に並行ならば、横書きは大地に並行である。基盤として立っている大地。そういう安心感のようなものもあるかもしれない。もっとも、日本にいると、その大地が揺らぐ確率もそれなりにあるのだけれど。
 さて日本語はもともと縦書きの言語である。ゆえに、特に文学ジャンルだと、書籍や雑誌ほか紙媒体の場合は縦書きが多い。私も五行歌と短歌と俳句は、なんらかの作品にする場合は縦書きにする。
 が、詩は、十代の頃書き始めた当初から一貫して横書きである。これは多分、レコード(当時)の歌詞カードが概ね横書きであることの影響が大きい。が、結局それを続けている理由というのは、私の詩はどちらかというと横書きのソリッドさの方が合っているという気がしているからだ。といっても、そこにものすごいこだわりがあるわけではなく、たとえば何かに投稿して、それが掲載される場合にその媒体が縦書きフォーマットだったら縦にされても別に抵抗はしないが。ただ、自分で選べる状況であれば常に横書きをとる。たまに横文字も入ることがあるのでその場合に横書きの方が自然に入るというのもある。そういえば時々投稿するサイト「現代詩フォーラム」は縦横選べるのでいつも横を使っている。
 
 ネットプリント企画などで、よく私は詩、五行歌、短歌、俳句、文章を寄せ集めたペーパーや折本を作る。詩は横書き、五行歌短歌俳句は縦書き、文章は横が多いが縦のこともある。そうやって縦と横が入り交じるというのも作っていて自分で面白いところである。縦と横の両方が使える日本語ってありがたいなと思う。

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