【気まぐれエッセイ】実るほど、頭を垂れる稲穂かな

小学5,6年生の頃かな?
なんだか猛烈にこの言葉に惹かれ「これぞ目指すべき大人像だ」 と思ったのを、今でもよく覚えている。

実ってもいないのにへりくだりすぎて、そのせいでなめられたり、損をしたりしていた(ように感じていた)時期もあるけれど(笑)。そしてそんな自分に嫌気が差し、今度は強がってみたり、ツンツンしてみたり、今振り返ると恥ずかしくなるような振る舞いをしてしまったこともある。

でも30代になってまたやっぱり思うのは、本当に優れている人は、人を不快にするような態度をとらない、本当に強い人は温かく、優しい、ということだ。

そして、そうしようと思ってできるものでもないというか……。本当に実れば、真理を知れば、自ずと、ふんぞり返ってなどいられないのだと。

こうして生きていられることや、支えてくれる周りの人たち、人生を選べる自由を手にしていること、そんな様々なことに心から「ありがとう」と思って生きていれば、どれほど自分が成長しても、いや、むしろ成長するほど、簡単に人をバカにしたり偉そうな態度をとったりしてしまうことはなくなっていくのだと。

ただ、背伸びして、強がって、虚勢を張って、歪ながらも懸命に自分を向上させようとする時期にも、それなりの意味と価値はあって……。若い時期をそうして過ごしたことに、後悔はない。

でもそろそろもういい大人だから、幼い頃に憧れた大人像を、再び目指し始めようと思うのだ。まぁ人間だから、完璧は無理だけどね。偉そうな言い方しちゃうことも、怒ってまくし立てちゃうことも、やっぱりあるんだろうけど(笑)

それでも、幼き日に憧れた大人像を、いつも心のどこかに留め置き、目指し続けていこうと思っている。

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