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書評:「夢をかなえるゾウ」

10年ほど前に発刊されドラマ化した
水野敬也さんの作品。
古田新太さんが
ガネーシャ役をしていたはず。
当時はよくわからないけど
面白かったことだけは覚えている。
そんな作品を今さら読んでみた。
というのも小説なんか読みたいなと思って、
家の中を漁っていたら出てきた。
そういえば兄がめちゃ読んでた気がする。
そんな話はよくて内容の話に入っていこう

ひとことテーマ


「超訳ビジネス書」

堅苦しいビジネス書を
面白おかしく表現した、
ビジネス書嫌いな人向けの一冊。

before after


読む前と読んだあとに
感じていたこと考えていたこと
どんな状態なのか


before

ドラマも面白かったし、
どんな内容やったか
思い出すために読んでみよう。
とはいえ、ほとんど忘れてるし、
どんな話やったりジャンルなんやろ。

after

思っていたのと全然違うかった(笑)
でもめっちゃすっきりスカッとした。
これなら挑戦できるってことが多かった。
なんかやってやろうって気持ちになる。
ガネーシャが面白すぎる。

感想


※ネタバレ注意

こんな話やったのか。予想外過ぎた。
でも、とにかく笑って、
ふんふん頷きながら
あっという間に読み進められた。

この話はガネーシャ(インドの神様)
と男性サラリーマンの二人
というか一人と神様
を中心に話が進んでいく。
このサラリーマン(以下男)は
勉強もスポーツもそこそこできて、
そこそこ頭のいい大学に入って、
そこそこ名の知れた会社に就職した、
いわゆる「普通」のサラリーマンである。
して、この男がどうしたのかというと、

「普通から抜け出したい、
こんな自分から変わりたい」


という思いから、
文字通り神頼みして
ガネーシャが現れた
のがことの始まりである。

ストーリーは毎日課される、
「ガネーシャの課題」
を男が遂行していく話である。
それが28個。
本の後ろの方を覗くと
びっしりと参考文献が並んでいる。
(ここで一般の小説じゃないことを理解。)
これはガネーシャがお世話した偉人
からの経験をもとにして、
課題の重要性を説明しているからである。

冒頭に注意書きで
「本書の使い方」
なるものまでも準備してくれていて、
ただ読み進めるだけでもいいけど、
ひとつひとつクリアしていきなはれ。
と忠告してくれているのである。
(ちなみにガネーシャはこてこての関西弁を話す。)


感想言いながらめっちゃ
概要話していたけど、
ここからは(やっと)感想に入りますね。


まず読んでいて面白いのが男の
心情の移り変わりとか
行動言動の変化でした。
最初なんて「はぁ…」と
中途半端な返事ばかり
信用していないような
生返事のものが多かった。
けれども終盤になると
受け答えもしっかりしてくるし、
ガネーシャとの掛け合いが
うまいこと成立してくる。
だからこそテンポよく読めて
クスクス笑いながら読み進められる。

そしてなにより真骨頂の
「ガネーシャの課題」
靴を磨くとかトイレ掃除するとか、
色々あるんやけど、
そのなかでもビビっときたのが
いくつかあったのでそれを紹介します。


1つ目は、

「やらずに後悔していることを今日から始める」

なんか定番の話みたいな感じだけれど、
やりたいことはなんなのか、
それは考えたって仕方がなくて
実際に手足を動かしてやってみないと
本当にやりたいことなのかはわからない。
また、やらない理由が
時間がお金がどうとか
周りがどうとか
色々理由をつけたりしている
のではないか。

そう書かれてあって、
うわ、確かにやりたいことはあるけど、
というかポンポン浮かんでくるけど、
実際にしてることって
ほんと1%くらいな気がする。
何か理由をつけて
やらないことが多すぎる。
最近だったら、
家族とこみいった話をしたいな~
と思っても、
その後のこと(きまづくなるかも)を考えて
また今度にしよ~
とか考えてたわ。

でもひとつだけ始めれたのが
小説を書くこと。
書きたい!
ってずっと思ってたわけではないけれど、
やってみないと
どんなものができるかわからない
と思って、
とりあえず書いてみることに。
ただの興味本位で始めたけど、
色々なアイデアが
思い浮かんでくるから面白い。

ネガティブゆえに
やらない理由を探しがちだけど
考えるだけ無駄というか
事態は悪化するだけ。
やらない方向へと進んでいくから、
ガネーシャがいうような
「考えることをやめる。考える前に行動する。」
この本質には、
ネガティブに考えるから
ワクワクすることだけ考えるために
とりあえずやってみよう!
ってことがある。


やっと2つ目というか
同じようなことなので3つ目も
それが

「自分が一番得意なことを人に聞くこと」

「自分の苦手なことを人に聞くこと」


これを聞いて、
苦手なことはこれかな
ってのがあるけど、
得意なことって案外
自分で理解するのって難しいよな~
と思っていたら、
ガネーシャ先生が
「やから人に聞くんや」と。
自分の得意なことは
無意識的にできるところやから、
自分にはわからない。
なんだったら、
自分でこれじゃないかって
思う得意なことは
ハズレの可能性が高い。
だから、人に聞いて、
客観的な自分を見ることが必要。
そしたら思いもよらぬ
自分が見えてくるとのこと。


そして最後4つ目は

「夢を楽しく想像する」

作中では男が宝くじを当てた話
が出てくるが、
あれやこれやと、
期待に胸を膨らまして
想像に花を咲かせることは
充実感がある楽しいことである。

そこで
最近夢を見れているのかと思うと、
現実しか見れていないというか、
ただ今の現実から逃げたいと、
現実も見れていない。
なんならこれは
夢を見ていると言えるのだろうか

ともかく最近までワクワク感がなく
余計なことを考え続けている
時間が長かったので、
一日何かをやめてみる。
という課題もあったので、
勝手にその考え事には
結論付けて終わらすことに。

そうしたら徐々に元気になり、
他のことにも
手を回す余裕が生まれてきて
なんだこれだけのことかと
ちょっとあきれちゃいました

ネガティブゆえに考えすぎる。
だからこそ
夢見てそれを実現して
なんか違う(笑)
ってなったら
次のワクワクを追いかける。
そうしたら新しい自分が
見つけられるんじゃないのかなと
ちょうどこの作中の男みたいに。

まとめ

自分を変えたいと思っていて本を読んだり、
すごい人の話を聞いたりするけれど、
結局習慣にすることはできないし、
行動に移せないこともある。
でもこの本では
「どうせ変われないよ?
今のままやってたら
ずっと変わらないよ?」
とささやきかけ、
読者の深層心理に働きかけてくる。
そう心のうちが読まれまくっているから、
勝手に自分だったらどうするかと、
手を止めて考えることが出来る。
だからこそビジネス書以上の説得力があるし、
これならやれそう続けられそうというのもある。

一般的な小説としても、
普通のサラリーマンが日々の積み重ねで
少しづつ変化していくコメディ作品
と思っても十分に満足できる作品でした。

「別に自分を変えたいわけでも悩んでるわけでもないけどな」
そう思う人にもオススメの
笑える軽いビジネス本でした。



読んだ人がどんなところに
ビビっときたのか感想聞きたい
これだけ多ければ、
人それぞれ違うだろうし、
いろいろな価値観や視点から
その課題をみることで
新たな発見が出来そうだな~

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