マガジンのカバー画像

宇津保物語を読む

128
宇津保物語を訳しながら読んでいきます。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

宇津保物語を読む 俊蔭Season3 #4(Season3終)

子七歳、祖父の琴の手をすベて習得する こうしてこの琴を弾くのを聞くうちに、この子は7歳に…

2

宇津保物語を読む 俊蔭Season3 #3

母子、熊から譲り受けた杉のうつほに移る そのとき、この木のうつほを手に入れて、木の皮をは…

5

宇津保物語を読む 俊蔭Season3 #2

子、食物を求め山に行き童の助力を得る こうしているうちに、年が返った。この子は、いっそう…

3

宇津保物語を読む 俊蔭Season3 #1

親子の運命やいかん? 物語は再びファンタジーの世界へと進みます。 子の異常な生育、母への…

4

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #8(Season2終了)

嫗、瑞夢を語り、子の将来を期待する こうしているうちに、この母君、辛く思う気持ちがますま…

1

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #7

嫗、俊蔭の娘の懐妊を知り、準備に苦労 月日が経ち、子供が生まれそうになるまで、女君は気が…

1

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #6

互いに嘆いて歌を詠み、四季は巡る こうして、女君は夢のような逢瀬の後、普通ではない体となっていた。しかし本人はそのことにも気づかず、父母のことばかりが恋しく、慣れない暮らしの辛く不安なことや、父が言いつけなさったことを、草木の色が変わり、木の葉が散り尽くすにつれて、涙を落としながら、思い返しては、眺めている。夕暮に稲光がするのを見て、   稲妻の光でさえ、よそながら見ることができるのに、   すぐに逢えない私の思い人を何にたとえればいいのでしょうか。    (つま=夫) など

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #5

大臣家の騒ぎ。若小君発見。若小君は父母の監視下に。大臣家では、昨夜、このように若小君がい…

2

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #4

翌朝若小君、去りがたい思いで女の許を辞す 深い契りを夜通し、心のゆく限りなさり、夜を明か…

4

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #3

若小君自らを語り、娘の素姓を尋ねる。 こうして、不憫にもたいそう心細そうにしている姿をご…

1

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #2

若小君、帰途荒邸に入り、俊蔭の娘と契る こうして神社に到着なさって、神楽を奉納なさるが、…

2

宇津保物語を読む 俊蔭Season2 #1

新たな登場人物を迎え、Season2の始まりである。 若小君、賀茂詣の途中、俊蔭の娘を見る さ…

1

宇津保物語を読む 俊蔭15(Season1終了)

俊蔭薨後の娘の窮乏生活  俊蔭が自らの意志で官を退き、身を沈めてから、特に収入もなく、長…

2

宇津保物語を読む 俊蔭14

俊蔭、娘に秘琴のことを遺言して逝去 こうしているうちに、娘が15歳になる年の2月に、急に母が亡くなった。そのことを嘆いているうちに、父が病気になった。父が気弱になっているときに、娘を呼んでいうには、 「私は、以前わが子には高貴な人と交際をさせようと思っていたが、若くして見知らぬ国に渡り、この国に帰ってきてからも朝廷にも出仕せずに過ごしてきたので、貧しくなり、わが子の将来を決めないでいた。それについては、天の運命にお任せ申し上げよう。私の所領する荘園は多くあるが、だれが私の領地