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宇津保物語を読む

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宇津保物語を訳しながら読んでいきます。
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2022年2月の記事一覧

宇津保物語を読む 俊蔭11

俊蔭、波斯国まで帰る こうして、俊蔭は日本へ帰ろうとして波斯国へ渡った。その国の帝、后、…

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宇津保物語を読む 俊蔭10

七仙人、俊蔭を送り、琴に名をつける こうして、俊蔭は「今は日本へ帰ろう」と思い、この7人…

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宇津保物語を読む 俊蔭9

仏、現じて因果のことわりを示し予言する山谷のは揺れ動き、大空は鳴り響いて、雲の色や風の音…

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宇津保物語を読む 俊蔭8

俊蔭、七仙人と弾琴音仏の国に達す その山の様子は格別であった。山の地肌は瑠璃である。花を…

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宇津保物語を読む 俊蔭7

俊蔭、さらに西に行き、七仙人に会う敏蔭は、天人の言葉に従って、花園から西を目指して行くと…

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宇津保物語を読む 俊蔭6

俊蔭、西の花園で弾琴こうして、30面の琴を作って、俊蔭は、この林から西にある栴檀の林に移っ…

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宇津保物語を読む 俊蔭5

俊蔭、阿修羅に出会い、琴を得る 走り出して三年目の年の春、大きな峰に登って見廻すと、山頂が天につくほどに高く険しい山が遙か遠くに見えた。 俊蔭は勇気をふるい、足を速めて行くと、なんとかしてその山にたどり着き、周囲を見渡すと、千丈の谷の底に根を張り、梢は空を突き、枝は隣の国にまで伸びている桐の木を切り倒して割り削っている者がいた。 頭の髪を見ると剣を立てたようである。顔を見ると、焔がもえさかるようである。手足を見ると鋤や鍬のようである。目を見れば金椀のようにきらめいて、ひど

宇津保物語を読む 俊蔭4

西方よりの斧の音を聞く 花の露、紅葉の雫をなめて過ごしていると、翌年の春から聞くと、この…

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宇津保物語を読む 俊蔭3

俊蔭漂流 琴を習う。 唐土に到着しようとするときに、暴風が吹いて三艘ある船のうち二艘は難…

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宇津保物語を読む 俊蔭2

(テキストは小学館新編日本古典文学全集より引用) 俊蔭、遣唐使となるそのころ、俊蔭の容姿…

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