【第14話】暑すぎて金沢に近づけない
こんにちは、
旅する自転車です。
前回は琵琶湖北岸のマキノをスタートし、敦賀から東尋坊や三国港のある坂井市までやって来ました。今日はこのまま北上し、北陸随一の人気観光地である大都市へ向かいたいと思います。
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特にみどころのない道を移動する
2日目の朝は6時出発。宿の女将さんが持っていきなさいと、どら焼きと缶コーヒーをくれた。早朝にもかかわらず至れり尽くせりで、感謝してもしきれないほどだ。宿を出て再び国道305号を走り出した。今日は金沢をゴールに設定し、約66㎞の道のりを走る。この70㎞弱の行程、みどころはなにもない。本当に何もない。昨日までと同じ国道305号なのだが、内陸に入ってしまって海の景色は見えない。全然面白くない。そして曇り。つまらない。途中から晴れてきた。それでもつまらない。全く気持ちが昂らないまま、小松市あたりまでやって来た。
オーシャンビューの道で夏バテ
小松から金沢までサイクリングロードが通っているのは救いだった。このまま普通の地方の道を走り続けるのは耐えられなかった。小松市の安宅町あたりから海へと抜ける小道があり、サイクリングロードへ合流した。ここから金沢まで二十数㎞。空はすっかり晴れ、単調ながらも美しい海を堪能できた。だがひとつ問題があった。今日は8月、猛暑にもかかわらず日差しを遮るものがなにもない。容赦ない日光がジリジリと体力を奪う。1時間30分ほど走ったところで限界に近づいた。幸いなことにサイクリングロードから入れる北陸自動車道の徳光PAがあったので、ガンガンに冷房の効いた部屋で休憩をとった。まだ11時だというのに、外はありえない暑さだった。だいぶ長い時間休んだので、金沢市街に着いたのはもう13時頃だった。
北陸を代表する人気観光都市へ
金沢はすごい数の人だった。金沢21世紀美術館に行きたくて中に入ってみた。ここにも長蛇の列ができていて、とてもゆっくり観覧できそうもなかった。金沢には名所が数えきれないほどあるが、ありすぎて逆にもう選ぶのが面倒になってしまい、「帰りたい」という気持ちになってしまった。暑さと人の多さで、完全に心身ともに疲弊してしまったのだ。まだ14時30分だというのに、金沢駅に来てしまっていた。15時19分発の特急サンダーバードで大阪へと帰ることにした。
8月、真夏の北陸ツーリング。1日目は敦賀から絶景道路を走り東尋坊へ、2日目は猛暑と戦いながら金沢へ、そして人の多さに撃沈。半ば「リタイア」という形で終えることになりました。
しかしこれは、この先起こる恐しい出来事の序章に過ぎないのであった…。
北陸はまだ富山へと続く。
それでは、第15話でお会いしましょう。
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