読書メモ1026:回復力

タイトル:回復力

著者:畑村洋太郎

読み終えた日付:2023/10/26

感想:

失敗学の専門家、畑村氏による失敗との向き合い方を指南した著書。

ここで失敗とは「人の行動や選択の結果、その人や周囲の人の意図しない、そして望まない結果になること」と定義している。

日本社会では失敗を認める土壌が整っておらず、個人単位では寛容であっても社会では失敗者に対して糾弾する様子が

時折見られて、窮屈な社会だなと良く思う。チャレンジした結果失敗することをなぜ批難するのか私には理解できない。

注意深く計画して慎重に行動しても失敗は誰でも起こしえるので、失敗しても早く立ち直ることが推奨されている。

「逃げる」「他人のせいにする」「おいしいものを食べる」「お酒を飲む」「眠る」「気晴らしをする」「愚痴をいう」など。

ほとんど当たり前のことだが、他人のせいにしてもいいと言っているのが面白い。

失敗を素直に認めるのは困難なことである。なぜなら、自分の無力さ、不注意を認めることで評価を落とすと考えがちだからである。

ただ、失敗を認めてこそ、ようやくその原因や対処法をみつけるという次のステップへ進めるので冷静に現実を見つけることは大切だと思う。

想定外の失敗は起こりえることを念頭に入れておき、それでも失敗したときは適切で迅速な処置をすることが必要で、個人の責任を追及するのではなく、

社会や組織が失敗に寛容になり、新しい挑戦を進んで受け入れる社会になってほしいが、日本はそう簡単に変わらないというのが現実だろう。

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